タイヤチェーンには大きく分けて
「布製(布チェーン)」と「金属チェーン」の2種類がある。
結論から言うと、
“布=簡単・軽い、金属=強力・最強”。
ここでは、防災士として
「どっちを選ぶべきか?」「どんな場面で使うか?」
をわかりやすく解説する。
■① 布製チェーン|“手軽で軽い。緊急用として最適”
布製チェーン(スノーソックス)は、
近年人気の“簡単チェーン”。
● メリット
● とにかく軽い
● 装着が簡単(靴下を履かせる感覚)
● 収納がコンパクト
● 乗り心地が良い
● 駆動方式に関係なく取り付けやすい
雪がうっすら積もった時など、
“とりあえず装着して走りたい”場面で強い。
● デメリット
● 氷(アイスバーン)に弱い
● 坂道に弱い
● 深雪に弱い
● 耐久性が低い(すぐ破れる)
● 時速40km以上不可
“軽い雪”“短距離移動”専用と考えるのが正解。
■② 金属チェーン|“最強。凍結・坂道・大雪はこれ一択”
金属チェーンは昔からあるタイプだが、
性能は圧倒的に最強。
● メリット
● 氷をしっかり噛む → 滑らない
● 坂道に強い
● 深雪に強い
● 耐久性が高い
● チェーン規制で確実に通れる
特に、
スタッドレスでも止まらない“ツルツルの氷”に最強。
● デメリット
● 重い
● 手が汚れやすい
● 装着がやや難しい
● ガタガタする(乗り心地が悪い)
● 駆動方式で装着輪が変わる
ただし「命を守る」という観点では
金属チェーンが最も信頼性が高い。
■③ 布チェーン vs 金属チェーン|どっちが安全?
安全性だけで比較すると:
● 氷 → 金属チェーン一択
● 凍結 → 金属チェーン圧勝
● 坂道 → 金属が強い
● 深雪 → 金属が強い
● 平地の軽い雪 → 布でもOK
“命がかかる冬道”は
確実に金属チェーンが最上位。
■④ 九州・都市部は“布チェーン”が便利な場面もある
九州や関東南部のように
「年1〜2回しか雪が降らない地域」では、
● とにかく簡単
● 携帯しやすい
● すぐ装着できる
という点で 布チェーンが便利。
ただし、
橋の凍結や峠道では布は滑りやすい
ため注意。
万能ではない。
■⑤ 使い分けの結論|こう選べば間違いない
一番わかりやすい選び方はこれ。
◎ 命を守る本気チェーン
→ 金属チェーン
(凍結・坂・雪が多い地域・スキー・帰省・高速)
◎ 都市部での緊急用・軽い雪対策
→ 布チェーン
(雪が年に1〜2回、峠を走らない地域)
◎ 最強セット
→ スタッドレス+金属チェーン(車載)
→ “布チェーンをサブ”にしてもOK
■⑥ チェーン規制では「布チェーンは通行不可」の場合がある
高速道路の“チェーン規制(本格規制)”では、
● 布チェーンNG
● 金属チェーンのみ可
となるケースが多い。
布チェーンは
“チェーン扱いされない場面がある”
のが最大の弱点。
■まとめ|布は簡単、金属は最強。命を守る基準で選ぶべき
この記事のポイント。
● 布チェーンは軽い雪・短距離に最適
● 金属チェーンは氷・坂道・深雪に最強
● 使い勝手は布、安全性は金属
● 九州や都市部は“布チェーン+スタッドレス”が便利
● 本当に危険な路面は金属が命を守る
● チェーン規制は金属必須の場合が多い
結論:
防災士・元消防職員として断言します。 冬道で命を守る最強装備は“スタッドレス+金属チェーン”。 布チェーンはあくまで補助。 厳しい路面に挑むなら、迷わず金属を選んでください。

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