【防災士が解説】防災×在宅勤務|“家にいるから安全”は大きな誤解。冬の在宅ワークで起こりやすい災害リスクと対策

在宅勤務は一見「家にいるから安全そう」に思えるが、
冬はむしろ 自宅で長時間過ごすことがリスクになる

● 暖房の長時間使用
● 電気使用量の増加
● 室内の乾燥
● 停電・断水
● 体調不良
● 火災リスクの上昇

ここでは、防災士として
“冬の在宅勤務が隠し持つリスクと守る方法”
を徹底解説する。


■① 電気使用量が急増して“ブレーカー落ち・配線火災”が増える

在宅勤務では、

● パソコン
● モニター
● 暖房器具
● 加湿器
● 電気毛布
● 電気ケトル

など、電気を多用する。

これにより起こりやすいのが、

● ブレーカー落ち
● 電源タップの過負荷
● 配線の発熱
● コンセントのトラッキング火災

特に冬は乾燥でホコリが発火しやすい。

対策は、

● 電源タップの合計W数を把握
● 暖房器具は“壁のコンセントに単独接続”
● タコ足配線は絶対に避ける
● 電源周りのホコリ掃除

“在宅勤務=電気火災が起きやすい環境”と考えてほしい。


■② 長時間の暖房使用で“火災・空気の汚れ・乾燥”が進む

在宅勤務は暖房をほぼ一日つけっぱなしになる。

そこで問題になるのが、

● ストーブの近くに書類
● 洗濯物が落ちて燃える
● 加湿器のカビ
● 室内の乾燥 → のど痛・風邪
● 空気の汚れによる頭痛

おすすめの対策は、

● ストーブ・ヒーター周囲の1mは空ける
● 加湿器は毎日水交換
● 湿度40〜60%を維持
● エアコンフィルター掃除

暖房器具まわりのルールづくりが冬の火災を防ぐ。


■③ 停電が起きると“在宅勤務者は即アウト”

在宅勤務の最大の弱点は停電。

● PCが使えない
● ルーター停止
● 暖房停止
● 室温が急低下
● スマホ充電が尽きる

仕事どころか、生命リスクすら生じる。

備えるべきは、

● モバイルバッテリー2〜3個
● PC充電ケーブルの予備
● カセットコンロ
● 毛布・寝袋
● スマホのテザリング設定
● 予備のポケットWi-Fi

特に冬の停電は“低体温の危険”が一気に高まる。


■④ 水道管凍結・断水は“在宅中の方が影響が大きい”

在宅勤務者はトイレ・洗濯・手洗いの使用頻度が増えるため、
断水が起きると仕事も生活も完全にストップする。

冬に多いのは、

● 水道管凍結
● 給湯器の凍結停止
● 漏水
● 朝だけ断水

対策は、

● 蛇口“ちょろ出し”
● 北側配管の断熱
● 給湯器カバー
● 外のホースを外す
● 2Lペット水の常備

在宅勤務者こそ“水の備蓄は必須”。


■⑤ 体調不良・メンタル不調が冬は顕著になる

ずっと家で働くと、

● 運動不足
● 日照不足
● 室内の乾燥
● 目の疲れ
● 孤独感
● ストレス蓄積

冬は特にメンタルが不安定になりやすい。

対策は、

● 1時間に1回の立ち上がり
● ベランダで3分の日光
● 加湿器で乾燥対策
● 軽いストレッチ
● 部屋の換気

在宅勤務こそ“健康管理が防災”につながる。


■⑥ 在宅勤務者の備蓄は“仕事環境が止まらないセット”

通常の家庭に加えて、
仕事継続のための備えが必要。

最低限そろえるものは、

● モバイルバッテリー
● PC用モバイル電源
● 予備Wi-Fi
● 使い捨てカイロ
● カセットコンロ
● 缶詰・レトルト食品
● 水(1日3L × 3日分)

“停電でも最低1日は働ける環境”を目指すと強い。


■まとめ|在宅勤務は“安全に見えて意外と弱い”。冬こそ災害に備える

この記事のポイント。

● 電気火災は在宅勤務で最も増える
● 暖房つけっぱなしは火災リスクが高い
● 停電は在宅勤務を完全に止める
● 水道凍結は生活と仕事の両方に影響
● 体調不良・メンタル不調も“災害”の一種
● 在宅勤務者は“仕事継続の防災”が必要

結論:

防災士として、そして元消防職員として断言します。 在宅勤務の冬は“油断が最大のリスク”。 家で長時間過ごす環境だからこそ、 火災・停電・断水・健康不調に備えることで、 あなたの命も、仕事も守ることができます。

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