【防災士が解説】高潮③｜浸水後こそ危険が多い。水が引いた“あと”に命を守る行動とは

高潮は水が押し寄せる瞬間だけでなく、
水が引いた“あと”にも多くの危険が残ります。

浸水後の二次災害や、復旧時のケガ・健康被害は非常に多く、
油断すると命にかかわることもあります。

防災士としての経験から、高潮後に必ず知っておくべきポイントを解説します。

■① 水が引いた直後は“絶対に近づかない”が鉄則

高潮が引いたあとでも、以下の危険が残っています。

水がなくても安全とは限りません。
復旧作業は必ず 行政の安全確認後 に。

高潮後の住宅で多い事故が「感電」です。

次の状況は非常に危険です。

必ず 電力会社・電気工事業者の確認後に通電 してください。

高潮は淡水ではなく海水のため、家の構造に強いダメージを与えます。

特に危険なのは以下の部分です。

水が引いた後は ポンプ・送風・消毒 を行い、専門業者への相談が安心です。

高潮のあと、道路には次のようなものが残ります。

これらは非常に滑りやすく、
高齢者や子どもは特に転倒しやすいため注意が必要です。

高潮時は内水氾濫を伴いやすく、
下水が逆流して室内に入るケースもあります。

その結果、

などが発生するため、
消毒・手洗い・マスク着用 が必須です。

高潮で浸水した車は、
たとえ外見がきれいでも内部は損傷している可能性が高いです。

一般的な基準は以下の通り。

エンジンは絶対に自分でかけず、
必ず 保険会社と整備工場に相談 してください。

高潮後の清掃や片付けはボランティアが大きな力になりますが、

こうした状況で作業を依頼すると、
ボランティアの安全が確保できません。

自治体が「災害ボランティア募集」を出してから依頼するのが適切です。

高潮の怖さは、水が押し寄せる瞬間だけではありません。

防災士としての結論はこれです。

高潮後の復旧は「安全が確認されてから」が大原則。慌てて動かないことが命を守る行動。

水が引いた瞬間は“終わった”ではなく“ここからが本番”。
落ち着いて、安全第一で行動しましょう。