冬の災害(停電・断水・暖房停止)が起きたとき、
最も危険なのは 「就寝中の低体温症」 です。
人は寝ている間に体温が1〜2℃下がるため、
暖房が止まった家や避難所では、
布団に入っていても命の危険につながることがあります。
その対策として重要なのが
“寝巻の防寒”=夜のレイヤー(重ね着)対策。
今回は、防災士の視点で
冬災害に強い「寝巻の防寒方法」を徹底解説します。
■① 冬災害で寝巻を防寒するべき理由
冬の停電や避難所は、夜になると一気に室温が下がります。
✔ 暖房ゼロ
✔ 床が冷え切る
✔ 外気温が氷点下
✔ 雑魚寝で布団が薄い
こうした環境では
“寝巻の選び方だけで生存率が変わる”
と言っても過言ではありません。
特に、
● 子ども
● 高齢者
● 持病のある人
は冷えに弱く、低体温症になりやすいです。
■② 防災士が推奨する「寝巻レイヤー構造」
寝巻はただ厚着すればいいわけではありません。
“汗を逃がす → 熱を閉じ込める → 冷気を遮断する” の順が鉄則。
◎1層目:吸湿インナー(肌着)
→ 汗冷え防止、最重要
- ヒートテック(ライトタイプ)
- メリノウール
- 吸汗速乾インナー
※厚手ヒートテック1枚では逆に汗冷えすることも
◎2層目:保温ミドルレイヤー
→ “温める層”
- フリース
- 起毛スウェット
- トレーナー
- あったかパジャマ
※ここが一番効果が大きい
◎3層目:断熱アウターレイヤー
→ 寒い部屋の冷気を遮断
- ルームダウン
- キルティングベスト
- 軽量ダウンジャケット
布団に入るまでの時間や、避難所で特に効果的。
■③ 足元・手首・首元を温めると全身が温まる理由
人間の熱は“末端”から逃げるため、
寝巻は「末端保温」が命を守ります。
✔ 靴下(薄手+厚手の二重)
✔ 手袋(薄手ニット)
✔ ネックウォーマー
✔ レッグウォーマー
→ これだけで体感温度が+3〜5℃変わります。
■④ 冬停電でも寝巻でできる“時短防寒術”
寝る直前に短時間で温まる方法はこれ。
◎湯たんぽ or ペットボトル湯たんぽ
→ 足元を温めると全身が温かくなる
→ 停電でも使える
◎布団に毛布を「中間層」で挟む
→ 毛布は掛け布団の上ではなく、間に挟むと効果大
◎寝巻の上から“軽いダウン”
→ 布団の熱保持力が一気にアップ
■⑤ 寝巻のNG行動(低体温症につながる)
以下は災害時に最も危険な失敗。
❌ 厚手1枚のみ→汗冷え
❌ パジャマのまま寒い廊下・トイレに移動
❌ 濡れたインナーのまま寝る
❌ 裸足で布団へ入る
❌ 金属ヒーターに近づきすぎて火傷
特に“汗冷え”は命に関わるレベルで危険です。
■⑥ 避難所での寝巻防寒(超重要)
避難所は想像以上に寒く、
床冷え × 通気 × 雑魚寝 で体温が奪われやすいです。
おすすめは:
✔ インナー+フリース+軽量ダウン
✔ 靴下二重
✔ ネックウォーマー
✔ 下に新聞紙 or 段ボール(断熱)
✔ レジャーシートで冷気遮断
布団が薄い場合ほど
“寝巻の保温力”が生存率を決めます。
■⑦ 子ども・高齢者は寝巻防寒を最優先
特に次の人は低体温症になりやすい。
● 小児
● 高齢者
● 持病のある人
● 痩せ型の人
夜の冷えは体力を一気に奪うため、
寝巻は必ずレイヤーで調整してください。
■⑧ 寝巻のまま避難するときの注意点
災害発生は深夜~早朝が多く、
寝巻のまま避難するケースが現実にあります。
✔ 寝巻+ダウンを枕元に置く
✔ 靴下を履いた状態で寝る
✔ スリッパNG(避難時に危険)
✔ 避難靴はベッド横に常備
火災・地震の現場では
“早く動ける寝巻装備”が生死を分けます。
■まとめ|寝巻防寒は「最速でできる体温維持の防災術」
寝ている間は
体温が下がりやすく、動けず、気づくのも遅い──
だからこそ寝巻防寒は最優先です。
結論:
冬災害では「吸湿インナー → 保温ミドル → 断熱アウター」の3層が命を守る。
防災士として現場を経験してきた中で、
夜間の冷えで体調を崩す人は非常に多く、
特に避難所では寝巻の防寒レベルで明確に差が出ます。
今日から寝巻の準備を整えておけば、
停電でも災害でも「眠れる体」を守れます。

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