冬の室内が「なぜか寒い」「暖房が効かない」と感じる原因のひとつが、
“天井からの冷気” です。
実は、冬の住宅で最も熱が逃げる場所は窓だけでなく
天井・屋根からの冷気落下(コールドドラフト)。
これは災害時の停電や暖房不足にも直結する“防災ポイント”でもあります。
今回は、防災士として
天井から冷気が降りてくる理由と、今すぐできる対策
をわかりやすく解説します。
■① 天井から冷気が降りてくる“本当の理由”
1. 暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ
暖房をつけると暖かい空気は天井に集まり、
逆に冷気は下に落ちてきます。
この温度差が大きいほど
足元だけ極端に寒くなる。
2. 断熱が弱いと天井面が冷える
古い家やアパートでは、
天井裏の断熱材が不十分なことが多く、
屋根の外気温がそのまま室内に伝わる。
→ 天井が冷える
→ 冷えた空気が下に落ちる(冷気シャワー)
3. 隙間風が天井付近に存在
照明・点検口・配線穴など、
天井には意外と“隙間”が多い。
ここからの冷気流入で部屋全体が寒くなる。
■② 天井からの冷気は“防災的にも危険”
天井から冷える家は、災害時に弱い家です。
● 停電時に一気に室温が下がる
暖房停止 → 天井から冷気落下 →
室温低下スピードが速くなる
高齢者・乳幼児には特にリスク。
● ヒートショックの危険性UP
リビングと廊下・脱衣所の温度差が激しくなり、
血圧変動 → 倒れる → 救急搬送の冬定番パターンに。
■③ 今日からできる!天井冷気を防ぐ実践対策
✔① サーキュレーターで天井の暖気を降ろす
最も効果的。
天井に向けて弱〜中で回すだけで、暖かさが均一に。
光熱費節約効果も大きい。
✔② カーテンレール上に“暖気カーテン”を作る
暖気が窓側に逃げるのを防ぎ、天井の温度を下げにくくする。
- つっぱり棒+布
- 100均の断熱シート
でも十分。
✔③ 天井近くの隙間をふさぐ
照明の隙間、点検口のフタ、エアコン周りの穴など
テープ・パテ・スポンジテープで塞ぐだけで冷気減少。
✔④ 天井断熱材の補強(長期対策)
賃貸は難しいが、持ち家なら
天井裏に断熱材追加が最強。
- グラスウール
- 吹き込み断熱
費用対効果が高く、冬の寒さが劇的に改善。
■④ 足元が冷える家庭は特に注意
天井からの冷気落下は
足元冷え → 血行悪化 → 疲れやすい → 風邪をひきやすい
という負の連鎖を作ります。
特に高齢者は、
・夜間の転倒
・脱水
・体調急変
に直結するため、早めの対策が大切。
■⑤ 防災士が選ぶ「天井冷気対策アイテム」
- サーキュレーター(弱で天井へ)
- つっぱり棒(暖気カーテン用)
- 100均の隙間テープ
- 天井用断熱シート
- 湿温度計
- 足元ヒーター・電気毛布(停電時は湯たんぽ)
■まとめ|天井からの冷気は“家の弱点”|防災目線で改善しよう
冬の寒さは
窓+天井からの冷気が大きな原因。
しかし、対策は簡単で効果が大きい。
- サーキュレーターで暖気を下ろす
- 隙間をふさぐ
- 暖気カーテンで窓方向の冷気流入を止める
- 可能なら天井裏の断熱強化
冬災害(停電・断水・避難)にも強い家づくりは、
毎日の快適さと安全に直結します。
今日から1つだけでも、実践してみてください。

コメント