避難所は「助けてもらいに行く場所」と思われがちですが、実際はその逆です。
災害直後の避難所は物資不足・寒さ・衛生不良・混雑と、非常に厳しい環境になります。
自分や家族を守れるのは「自分が持っている物資」だけという場面も多くあります。
ここでは、防災士としての実体験と被災地派遣で“本当に役に立ったもの”をまとめて紹介します。
■① 避難所の現実は「足りない」が当たり前
避難所の初期は次のような状態に陥りがちです。
・水がすぐ届かない
・配布食料が全員分ない
・毛布が足りない
・トイレは長時間の行列
・充電ができない
・夜は冷える
・騒音で眠れない
「自分で用意できる物は持っていく」
これが避難所生活を乗り切る大前提です。
■② 最優先で“絶対に持っていくべき”必需品リスト
●水(500ml〜1L)
→ 配布が遅れるケース多数。
→ 薬・うがい・歯磨きにも使用。
最低1本でも必ず持参。
●スマホ充電セット
・モバイルバッテリー
・ケーブル
・できれば予備のバッテリー
→ 充電場所は争奪戦。“スマホ=命綱”。
●タオル&ハンカチ
枕・保温・怪我の止血・洗浄など万能。
●マスク&ウェットティッシュ
衛生環境が悪化しやすい。手洗い不可の時に必須。
●懐中電灯 or ランタン
夜の避難所は暗い。トイレ移動や子どもの安心にも役立つ。
●個包装の食べ物
・ようかん
・ビスケット
・カロリーメイト
→ 水が不要で食べやすい食品がベスト。
●上着・ブランケット
避難所の床はコンクリートで体温を奪われる。
●絆創膏・薬
頭痛薬・胃薬・子どもの薬など最低限は持参。
■③ 実際の現場で“本当に役立った物”BEST10
避難者・支援現場で「助かった」と声が多かった物。
・モバイルバッテリー
・耳栓
・アイマスク
・スリッパ
・小銭
・ビニール袋
・ブランケット
・ウェットティッシュ
・個包装お菓子
・手指消毒
小さく軽く、すぐ使える物が特に重宝されます。
■④ 子ども・赤ちゃんがいる家庭の持参物
・おむつ
・おしり拭き
・ミルク(液体が便利)
・離乳食
・着替え
・靴
・お気に入りのオモチャ
・子どもの写真(迷子対策)
乳児用品は避難所で最も不足しやすいため、必ず持参。
■⑤ 女性が特にあると安心するもの
・生理用品
・目隠しポンチョ(着替え・授乳)
・髪ゴム
・口臭ケア用品
避難所はプライバシーゼロ。
「自分を守る道具」を持つことが精神的な安心につながります。
■⑥ 高齢者・要介護者がいる家庭の持参物
・常備薬
・飲みやすい飲料
・入れ歯用品
・介護用おむつ
・防寒具
寒さとストレスで体調不良が本当に多く発生します。
■⑦ よくある誤解と避難所での失敗
❌「避難所に行けば全部ある」
→ 初日はほぼ何もない。
❌「寝られるだろう」
→ 床が固く、騒音で眠れない。
❌「充電できるはず」
→ 数が少なく、列ができる。
避難所は“最低限の安全がある場所”であり、快適性は期待できません。
■⑧ 持参物リスト(保存用)
✔ 水(500ml〜1L)
✔ 食料(個包装)
✔ モバイルバッテリー
✔ 充電ケーブル
✔ 懐中電灯
✔ マスク
✔ ウェットティッシュ
✔ タオル
✔ 上着・ブランケット
✔ スリッパ
✔ 簡易トイレ
✔ 小銭
✔ 薬・絆創膏
✔ 耳栓・アイマスク
✔ ビニール袋
ここまで準備しておけば「困らないレベル」です。
■まとめ|避難生活は“準備した人”から楽になる
避難所は「助かった後の生活の場」です。
不便・不安・寒さの中で数日を過ごすことになるため、準備の有無で生活の質が大きく変わります。
「自分の分は自分で」
「子どもの分も必ず持っていく」
「小さく軽く最低限でOK」
この3つで避難生活は格段にラクになります。
結論:
避難所生活を乗り切る最大の防災術は“自分で持っていく準備”です。最初の数日は助けを待つより、持参物が命と生活を守ります。
防災士として現場に立ってきましたが、避難所で困る人の多くは“準備不足”が原因でした。
今日できる小さな行動が、あなたと家族の安心を確実に守ります。

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