地震対策というと、家具固定や備蓄を先に考えがちです。
もちろんどちらも大事ですが、防災の現場感覚で言うと、ガラス飛散対策をしていない家は、地震後に室内を歩けなくなるリスクがあります。
結論から言うと、ガラス飛散対策をしないと危険で、割れた後に片づけるより、割れても飛び散りにくくする方が助かるです。
理由は、割れたガラスはケガだけでなく、避難経路をふさぎ、夜間や停電時の避難を一気に難しくするからです。
■① 危ないのは「窓ガラスだけ気をつければいい」と考えることです
ガラス飛散というと、窓を思い浮かべる人が多いです。
でも実際には、
- 食器棚
- サイドボード
- 本棚のガラス扉
- 額縁
- 姿見
- 照明器具
など、室内にも割れる物は多くあります。
つまり、ガラス飛散対策は窓だけではなく、家の中で割れて足元に散る物を全部見ることが大事です。
■② 助かる判断基準は「裸足で玄関まで歩けるか」です
ガラス飛散対策で一番使いやすい判断基準はこれです。
地震後に、裸足でも寝室から玄関まで歩けるか。
ここが弱いとかなり危険です。
- 寝室に鏡がある
- 廊下にガラス扉の家具がある
- 台所の食器が飛び出す
- 窓ガラスの近くに避難経路がある
- 停電時に足元が見えない
実際には靴を履くのが理想ですが、判断基準としては足元が危険物で埋まらないかを見る方が助かります。
■③ 一番失敗しにくいのは「寝る場所と通路」から対策することです
元消防職員として言うと、最初に見るべき場所は決まっています。
- 寝室
- 子ども部屋
- 玄関までの通路
- 台所
- 食器棚まわり
全部を一気にやる必要はありません。
まずは、寝ている時に割れるガラスと逃げ道に散るガラスを優先する方が助かります。
■④ 危ないのは「割れたらスリッパで歩けばいい」と思うことです
スリッパがあれば安心と思うかもしれません。
でも地震後は、
- 停電で見えない
- 余震が続く
- スリッパが飛んでいる
- ガラス片が細かい
- 子どもや高齢者は歩きにくい
ということがあります。
つまり、ガラス飛散対策は「割れた後に歩く対策」だけでは弱いです。
割れても飛び散りにくくする対策の方が安全です。
■⑤ 被災地で多かったのは「家は無事でも足元が危険な状態」でした
被災地派遣やLOの経験でも、建物自体は大きく壊れていなくても、
- 食器が割れて台所に入れない
- ガラス片で廊下を歩けない
- 暗くて足元が見えない
- 子どもを抱えて移動できない
という状態はありました。
つまり、地震後に危ないのは倒壊だけではありません。
室内の足元が危険になることも大きなリスクです。
■⑥ 助かるのは「フィルム・配置・靴」をセットで考えることです
ガラス飛散対策は1つだけで完璧にするより、組み合わせが大事です。
- ガラス飛散防止フィルムを貼る
- ガラス扉の家具を通路から離す
- 食器棚の扉が開かないようにする
- 寝室に靴やライトを置く
- 重い物や割れ物を高い場所に置かない
この組み合わせで、地震後の移動リスクはかなり下がります。
■⑦ 危ないのは「賃貸だからできない」とあきらめることです
賃貸住宅でも、できることはあります。
- 貼ってはがせるタイプのフィルムを検討する
- ガラス家具の位置を変える
- 割れ物を低い場所へ移す
- 食器棚の扉対策をする
- 寝室に底の厚い靴を置く
完璧な施工ができなくても、割れる場所と逃げ道を離すだけで効果があります。
■⑧ 今日やるなら「寝室から玄関まで」を1回歩くのが正解です
今日すぐやるなら、ここだけで十分です。
- 寝室から玄関まで歩く
- 割れたら足元に散りそうな物を見る
- そのうち1つだけ移動・固定・フィルム対策する
大事なのは、家中を一気に整えることではなく、逃げ道のガラスリスクを先に減らすことです。
■まとめ
ガラス飛散対策をしないと、地震後にケガをするだけでなく、避難経路を失う危険があります。
特に夜間や停電時は、割れたガラスが足元にあるだけで避難が大きく遅れます。
判断基準は、「ガラスが割れるか」ではなく「割れた後に玄関まで歩けるか」です。
ガラス飛散対策は、地震後の命の通路を守る対策として考える方が助かります。

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