【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に服の素材は何を選ぶべき?暑さで崩れない判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、服は「薄ければ何でもいい」と思われがちです。ですが、実際には、服の素材しだいで暑さの感じ方も、汗の残り方も、避難中のしんどさもかなり変わります。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、熱中症になりにくい服装として、体に密着せずゆったりしたデザイン、吸汗・速乾素材、白などの明るい色のものが有効と示されています。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf

また、厚生労働省の熱中症対策資料では、熱を吸収し又は保熱しやすい服装は避け、透湿性及び通気性の良い服装を選ぶことが重要とされています。
https://neccyusho.mhlw.go.jp/pdf/2025/r7_neccyusho_action.pdf

つまり、夏の避難中の服の素材で大切なのは、「見た目が涼しそうか」ではなく、熱をためにくく、汗を逃がしやすく、長く着てもしんどくなりにくいかです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。

■① まず結論として、服の素材で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、吸汗・速乾性と通気性です。

避難中は、歩く、荷物を持つ、並ぶ、座る、また動く、という流れが続きます。すると汗は思った以上に残りやすく、乾きにくい素材だと、体に熱がこもったままになりやすいです。だから、服の素材は「今涼しいか」より「汗をかいた後にどうなるか」で見た方が現実的です。

元消防職員として感じるのは、被災地でしんどくなる人は「暑い場所にいる人」だけではなく、「汗が服に残って体力を削られている人」でもあるという点です。私なら、夏の避難では
まず汗を逃がせる素材
次に風を通しやすい形
最後に色や重ね着のしやすさ
この順で考えます。

■② なぜ素材がそんなに大事なのか

理由は、同じ暑さでも、素材で体の持ち方が変わるからです。

環境省のマニュアルでは、体に密着しすぎず、吸汗・速乾素材を用いたものが有効とされています。厚生労働省も、透湿性・通気性の良い服装を選ぶよう示しています。つまり、夏は「布があること」自体が問題ではなく、「その布が熱と汗をどう扱うか」が大きいです。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf

被災地派遣の現場でも、同じ半袖でも、汗を持ったまま重くなる服と、乾きやすい服では、夕方の疲れ方が違いました。だから、夏の避難服では素材を軽く見ない方が安全です。

■③ どんな素材が避難向きなのか

避難向きなのは、吸汗・速乾性があり、通気性の良い素材です。

環境省の資料で具体例として挙げられているのは、吸汗・速乾素材です。厚生労働省も、透湿性・通気性の良い服装を選ぶよう示しています。つまり、汗を吸って乾きやすく、空気が抜ける素材の方が、夏の避難にはかなり向いています。
https://neccyusho.mhlw.go.jp/pdf/2025/r7_neccyusho_action.pdf

私なら、夏の避難服の素材選びでは、「普段のTシャツなら何でもいい」ではなく、「汗をかいた後にべたつきにくいか」を基準に見ます。その方が体力を削られにくいです。

■④ 綿だけで考えてもいいのか

綿は悪いわけではありませんが、汗をかいた後に重くなりやすい面があるため、場面によっては少し不利です。

綿は肌あたりがやさしく、普段着としては着やすいです。ただ、真夏の避難では、大量に汗をかいた時に乾きにくく、不快感が長引くことがあります。だから、「綿だからだめ」ではなく、「汗が多い避難で最後まで持つか」で見た方が現実的です。

私なら、短時間の移動だけなら綿でも構いませんが、長引く避難や避難所生活まで考えるなら、速乾性のある服を一枚入れておく方をすすめます。

■⑤ 色も素材と同じくらい大事なのか

はい、かなり関係します。

環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、白などの明るい色のものが有効とされています。つまり、素材だけでなく、熱を吸いやすいかどうかも一緒に見た方がよいです。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf

元消防職員としても、真夏は同じ形の服でも、色だけで日差しの受け方が違うと感じます。だから、私は夏の避難では、黒や濃色一択より、明るい色を一枚入れておく方が現実的だと考えます。

■⑥ 長袖と半袖はどちらがいいのか

これは二択ではなく、薄手で調整できることが大切です。

半袖は風が当たりやすく楽ですが、直射日光を受け続けると疲れやすいです。長袖は暑そうに見えても、薄手で通気性が良ければ、日差しを切りながら熱を逃がしやすいことがあります。だから、素材が悪い長袖より、素材の良い薄手の長袖の方が現実的な場面もあります。

私なら、夏の避難では「半袖一択」より、半袖を基本にしつつ、薄手の羽織りを一枚持つ形にします。その方が動きやすく、守りやすいです。

■⑦ 高齢者や子どもではどう考えるべきか

高齢者や子どもでは、自分で服装調整しやすい素材かどうかが大切です。

高齢者は暑さや冷えに気づきにくく、子どもは汗をかいてもそのまま動き続けることがあります。だから、着替えやすい、乾きやすい、重くなりにくい素材の方が現実的です。

被災地でも、一番弱い立場の人ほど、服が不快でも我慢しがちでした。だから、家族で避難するなら「一番調整が苦手な人」に合わせて素材を見る方が安全です。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「汗をかいた後に乾きやすいか」
「風を通しやすいか」
「熱を吸いすぎない色や素材か」
「高齢者や子どもでも着替えや調整がしやすいか」

この4つがそろっていれば、夏の避難中の服の素材としてはかなり現実的です。防災では、「薄そう」より「汗を持たない」の方が大切です。

■⑨ まとめ

夏の熱中症から避難中に身を守る服の素材で大切なのは、吸汗・速乾性、通気性、熱をためにくい色と形です。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、体に密着しすぎず、吸汗・速乾素材を用いたもの、白などの明るい色のものが有効とされています。厚生労働省の熱中症対策資料でも、熱を吸収し又は保熱しやすい服装は避け、透湿性・通気性の良い服装を選ぶことが重要とされています。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
https://neccyusho.mhlw.go.jp/pdf/2025/r7_neccyusho_action.pdf

私なら、夏の避難で服の素材に一番期待するのは「見た目の涼しさ」ではなく「汗をかいた後も体を削らないこと」だと伝えます。被災地でも、服の違いは体力の違いになりました。だからこそ、まずは速乾性、次に通気性、最後に明るい色。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf(環境省「熱中症環境保健マニュアル」)

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