災害ボランティアのあと、心の疲ればかり気にしがちですが、実際には先に強く出やすいのは“体の疲れ”です。肩や首が張る、腰が重い、足がだるい、眠いのに休まりにくい。こうした状態を放っておくと、気持ちまで落ちやすくなります。厚生労働省の「こころの耳」でも、セルフケアとしてストレッチや入浴などで心身をリラックスさせることが勧められています。
https://kokoro.mhlw.go.jp/ps/detective/01.html
つまり、災害ボランティア後に大切なのは、「気持ちを何とか整理しよう」と急ぐことではなく、まず体の緊張を少しゆるめて、回復しやすい状態に戻すことです。この記事では、その現実的な習慣と判断基準を整理して解説します。
■① まず結論として、入浴や軽いマッサージで最優先にすべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、頑張ってほぐすことではなく、体を“緊張状態から回復側へ戻すこと”です。
災害ボランティアのあとは、体が思った以上に力んだままになっていることがあります。泥かき、荷物運び、立ち作業、気疲れ、緊張。これが重なると、帰宅しても肩や背中、脚がずっとこわばったままになりやすいです。
元消防職員として感じるのは、被災地支援のあとに崩れやすい人は「弱い人」ではなく、「疲れた体をそのまま次の日へ持ち越す人」だという点です。私なら、活動後は
まず温める
次にやさしくゆるめる
最後に早めに休む
この順で整えます。
■② なぜ“体の疲れ”を先にケアした方がいいのか
理由は、体が張ったままだと、心も休まりにくいからです。
「なんとなく落ち着かない」「頭の中が休まらない」と感じる時でも、実際には肩や首、腰、脚の緊張が強く残っていることがあります。こういう時に、まず体を少し戻すと、気持ちの張りもゆるみやすくなります。
被災地経験でも、支援のあとにまず体を戻せた人の方が、その後の睡眠や気持ちの落ち着きが少し良くなることがありました。だから、私は“こころのケアの前に、からだのケア”という順番をかなり大事にします。
■③ 入浴はどう使うのが現実的か
入浴は、長く頑張って入るより、気持ちよく終われる温め方が現実的です。
熱すぎるお湯で長く我慢するより、無理のない温度で、肩までつかるか、足湯のような形でも十分意味があります。大切なのは、「風呂で完全回復しよう」とすることではなく、「今日はここまで戻せた」と感じられることです。
私なら、災害ボランティア後の入浴は“リセットの合図”として使います。短めでも、汗や汚れを落として体温を少し整えるだけで、回復側に入りやすくなります。
■④ 軽いマッサージはどんなふうにやればいいのか
軽いマッサージは、押し込むより、さする・ゆるめる感覚で十分です。
特に、首、肩、ふくらはぎ、足裏、手のひらなど、自分で触れて「あ、固いな」と感じる所をやさしくほぐすくらいで大丈夫です。強く押しすぎると逆に疲れたり、翌日にだるさが残ったりすることがあります。
元消防職員としても、活動後の体は思った以上に疲れています。私なら、「効かせるマッサージ」より「緊張を少し下げるマッサージ」を優先します。その方が続けやすく安全です。
■⑤ 入浴とマッサージはどちらを先にすればいいのか
一番現実的なのは、先に入浴、そのあと軽くほぐす流れです。
少し温まったあとだと、体のこわばりもゆるみやすく、無理なく触れやすくなります。逆に、冷えたまま強く押すと痛みが出やすいことがあります。
私なら、
入浴で温める
タオルで水分を取る
座ったまま脚や肩を軽くさする
このくらいの流れにします。大げさな手順にしない方が続きます。
■⑥ 逆に、やりすぎない方がいいのはどんな時か
次のような時は、無理に入浴やマッサージを頑張らない方が安全です。
かなり強いだるさがある
めまいがする
痛みが強い
発熱や体調不良がある
眠気が強くてそのまま寝た方がよさそう
こういう時は、「ちゃんとケアしなきゃ」より「まず休む」を優先した方が現実的です。私なら、“今日はシャワーだけ”“今日は足だけ温める”でも十分だと考えます。
■⑦ 災害ボランティア後の習慣にするにはどうすればいいのか
習慣にするには、毎回完璧にやろうとしないことが大切です。
たとえば、
帰宅したらまず入浴する
お風呂のあとに1分だけ肩をさする
寝る前に足を軽くほぐす
このくらいの小さな型で十分です。
被災地経験でも、強かったのは特別なセルフケアを続けた人より、「帰宅後に少し戻す流れ」がある人でした。私なら、“頑張る習慣”ではなく“戻る習慣”として作ります。
■⑧ こんな時は体のケアだけで抱え込まない方がいい
次のような状態が続くなら、入浴や軽いマッサージだけで抱え込まず、別の支えも考えた方が安全です。
眠れない日が続く
気持ちの落ち込みが強い
痛みやだるさが何日も抜けない
活動の場面が何度も浮かんで苦しい
日常生活へ戻りにくい
体のケアは大切ですが万能ではありません。私なら、「少し楽になる」範囲を超えてつらさが続くなら、家族、仲間、専門相談にも広げます。
■⑨ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「今日はまず体を回復側へ戻す日にできているか」
「入浴は無理なく気持ちよく終われる形か」
「マッサージは強く押しすぎていないか」
「体のケアをしてもつらさが強いなら、別の支えにつなげられているか」
この4つが整理できれば、災害ボランティア後に入浴・軽いマッサージで体の疲れをケアする習慣としてはかなり現実的です。防災では、「一気に元気になること」より「少しずつ戻すこと」の方が大切です。
■⑩ まとめ
災害ボランティア後に入浴・軽いマッサージで“体の疲れ”をまずケアする習慣で大切なのは、温める、やさしくゆるめる、早めに休む、という流れで、緊張した心身を回復側へ戻すことです。厚生労働省の「こころの耳」でも、セルフケアとしてストレッチや入浴などで心身をリラックスさせることが勧められています。
私なら、災害ボランティア後に一番大事なのは「気持ちを無理に整理すること」ではなく「まず体を少し戻して、心が休みやすい状態を作ること」だと伝えます。被災地でも、助かったのは我慢を続けた人より、体から先にゆるめられた人でした。だからこそ、まずは温める、次にやさしくほぐす、最後に休む。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://kokoro.mhlw.go.jp/ps/detective/01.html(厚生労働省 こころの耳「いつもと違う自分に気づいたら?」)

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