【防災士が解説】災害時に役立つ家庭用品は何?買い足す前に見直したい判断基準

災害対策というと、まず防災グッズを買わなければと思いがちです。もちろん専用品は大切です。ですが実際には、災害時にすぐ役立つのは「すでに家にある物」をどう使うかだったりします。

特に在宅避難や停電、断水の場面では、特別な用品がなくても、家庭用品の使い方を知っているだけで生活のしんどさはかなり変わります。逆に、防災用品だけに意識が向くと、「家にあるのに使える物」を見落としやすくなります。

この記事では、災害時に役立つ家庭用品を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。

■① 最初に見直すべきことは何か

結論から言うと、最初に見直すべきことは「家にある物で、代用できる物は何か」です。

災害時は、買いに行けない、届かない、電気や水が使えない、という条件が重なります。そんな時に強いのは、「防災専用品を持っていること」だけではなく、「今ある家庭用品をすぐ使えること」です。

元消防職員として感じるのは、被災時に落ち着いていた家庭ほど、特別な物が多いというより、「家にある物の使い道を知っていた」ということです。だから、災害時に役立つ家庭用品を考える時は、「何を買うか」より先に「何が使えるか」を見直す方が現実的です。

■② 明かりの代わりになる家庭用品は何か

停電時にまず役立つのは、懐中電灯だけではありません。

たとえば、卓上ライト、乾電池式の照明、モバイルバッテリー対応の小型ライト、ランタン代わりになるライト類です。さらに、懐中電灯の光を天井や壁に向けるだけでも、部屋全体を照らしやすくなります。

また、普段使っている小さなライトや足元灯も、停電時にはかなり役立ちます。大切なのは、高性能な照明を持つことより、「暗くなった時に、どこに何があるか分かっていること」です。

■③ 断水時に役立つ家庭用品は何か

断水時に強いのは、水そのものだけではなく、「水を使わずに済ませる物」です。

たとえば、ラップ、アルミホイル、紙皿、紙コップ、割り箸、ウェットティッシュ、ポリ袋、ごみ袋、バケツ、空のペットボトルなどです。食器にラップを敷けば洗い物を減らせますし、ポリ袋やバケツは水運びや簡易的な仕分けにも使えます。

被災地派遣の現場でも、断水時に生活を楽にしていたのは「特別な機械」より、こうした身近な家庭用品でした。特にごみ袋やポリ袋は用途が広く、かなり役立ちます。

■④ トイレまわりで役立つ家庭用品は何か

災害時に最も見落としやすいのが、トイレまわりです。

家庭用品で役立つのは、ごみ袋、新聞紙、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、消臭剤、ポリ袋、バケツなどです。もちろん携帯トイレがあるのが理想ですが、家庭用品を補助的に使えると負担はかなり減ります。

特にごみ袋は、便袋の補助、汚れ物の隔離、におい対策など、使い道が多いです。災害時の家庭用品は、「普段の用途」だけで見ない方がよいです。

■⑤ 体温調整に役立つ家庭用品は何か

災害時は暑さ寒さ対策もかなり重要です。

冬なら毛布、バスタオル、カイロ、厚手の靴下、レインウェア。夏ならうちわ、保冷剤、タオル、凍らせた飲料、帽子などが役立ちます。バスタオルや毛布は寝具だけでなく、目隠し、床の保温、けが防止にも使いやすいです。

被災地でも、寒さや暑さそのものより、「調整できないこと」で一気に疲れが増えることがありました。だから、季節に応じた家庭用品を平時から少し意識しておく方が安全です。

■⑥ 家の中の安全確保に役立つ家庭用品は何か

災害時は、避難だけでなく家の中でのけが防止も重要です。

スリッパ、運動靴、軍手、掃除道具、ガムテープ、養生テープ、段ボールなどはかなり役立ちます。ガラス片のある床ではスリッパより底のしっかりした靴の方が安全ですし、軍手や掃除道具は片付け時のけが防止につながります。

また、段ボールは簡易の仕切り、床の冷え対策、物の整理にも使えます。家庭用品は「日常の便利品」ではなく、「災害時の安全用品」に変わることがあります。

■⑦ 情報と連絡に役立つ家庭用品は何か

スマホ以外にも役立つ家庭用品はあります。

モバイルバッテリー、充電ケーブル、乾電池、メモ帳、油性ペンなどです。特にメモ帳とペンは見落とされがちですが、停電時や混乱時にはかなり使えます。連絡先、家族の伝言、物資の記録、必要な買い足しなど、書けるだけで整理しやすくなります。

防災では、機械が止まった時に残るのは紙と手書きだったりします。だから、情報のための家庭用品として、紙とペンも意外に重要です。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で見てください。

「停電で役立つか」
「断水で役立つか」
「トイレや衛生で役立つか」
「安全確保や体温調整に使えるか」

この4つのどれかに当てはまる家庭用品は、災害時にかなり使いやすいです。防災用品を増やす前に、この基準で家の中を見直すだけでも備えの質は上がります。

■まとめ

災害時に役立つ家庭用品は、特別な物ばかりではありません。ラップ、ごみ袋、バケツ、毛布、タオル、軍手、スリッパ、段ボール、メモ帳、ペン。こうした普段の家庭用品が、停電、断水、在宅避難の場面でかなり役立ちます。

大切なのは、「防災専用品を持っているか」だけではなく、「家にある物を災害時に使える形で見ているか」です。

私なら、災害時に役立つ家庭用品で一番大事なのは「高い物を買うこと」ではなく「家にある物の使い道を知ること」だと伝えます。被災地でも、生活を支えたのは特別な道具だけではなく、ラップやごみ袋やタオルのような身近な物でした。だからこそ、まずは家の中を防災の目で見直すのがおすすめです。

出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」

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