避難所では、
子どもが急に落ち着きを失ったり、
些細なことで泣き出したりすることがあります。
被災地では、
避難所に入って数日後から子どものストレス反応が強くなるケースを何度も見てきました。
なぜ避難所で、子どものストレスは大きくなりやすいのか。
現場経験を踏まえて整理します。
■① 「安全」でも「安心」ではない環境
避難所は命を守る場所ですが、
子どもにとって安心できる場所とは限りません。
知らない人、知らない音、知らないルール。
この「慣れない状態」が、
子どもの緊張を常に高いままにします。
被災地では、
「安全なのに落ち着かない」という状態が
子どもの表情にそのまま出ていました。
■② 刺激が多すぎて休まらない
人の出入り、
アナウンス、
照明、
物音。
避難所は刺激が絶えません。
被災地では、
子どもが無意識に耳を塞いだり、
毛布を頭からかぶったりする姿を多く見ました。
それは、
刺激から自分を守ろうとする行動でした。
■③ 行動を制限され続ける
「走らないで」
「静かにして」
「動かないで」
避難所では注意が増えます。
被災地では、
元気な子どもほど
この制限がストレスになり、
夜になると感情が爆発するケースがありました。
■④ 我慢を求められやすい立場に置かれる
子どもは、
「小さいから仕方ない」
「大人が大変だから」
と我慢を求められがちです。
被災地では、
自分の不満を口に出せず、
黙り込む子どもも多くいました。
■⑤ 生活の見通しが立たない
「いつ帰れるの?」
「いつ終わるの?」
この問いに答えがないことが、
子どもの不安を強めます。
被災地では、
先が見えない状態が続くほど、
子どもの体調不良や情緒不安定が増える傾向がありました。
■⑥ 親の余裕のなさを敏感に感じ取る
避難所では、
親自身も疲れ切っています。
子どもはその空気を
言葉以上に感じ取ります。
被災地では、
親が限界に近づいたタイミングで、
子どもが急に不安定になる場面を何度も見ました。
■⑦ 「自分の空間」がない
一人になれる場所がないことは、
子どもにとって大きなストレスです。
被災地では、
段ボールの隙間や荷物の陰に
小さな居場所を作る子どもが多くいました。
■⑧ ストレスは「あとから」表に出ることもある
避難所では平気そうに見えても、
環境が落ち着いた後に
夜泣き、甘え、怒りとして表れることがあります。
被災地では、
避難所を出てから相談につながるケースも少なくありませんでした。
■⑨ ストレスが大きくなるのは自然な反応
避難所で子どものストレスが大きくなるのは、
弱さではありません。
それだけ過酷な環境に適応しようとしている証拠です。
大人がこの前提を理解しているだけで、
子どもへの接し方は大きく変わります。
避難所で子どものストレスが大きくなる理由は、
性格や育て方の問題ではありません。
環境そのものが原因です。
その事実を知り、
責めず、急がず、安心を積み重ねること。
それが、
子どもの心を守る防災につながります。
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