【元消防職員が解説】訓練は“やっただけ”が危険 PDCAで差が出る判断基準

大規模災害の訓練というと、当日の動きや実動の迫力に目が行きがちです。
ただ、結論からいうと、訓練は当日より「前」と「後」が弱いと一発アウトになりやすいです。

消防庁の留意事項でも、訓練前に課題・目的・目標・評価項目を設定し、訓練当日に達成度や課題を抽出し、訓練後4週間を目途に事後検証会を開いて改善策を検討し、さらに実施計画や受援計画、地域防災計画、マニュアルの見直しにつなげることが求められています。
つまり本当に大事なのは、訓練そのものより、訓練をどう改善に変えるかです。

元消防職員として感じるのは、訓練で一番危ないのは、うまく終わることではありません。
課題が出たのに、次に反映しないことです。

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■① 最初の結論

最初に持つべき判断はこれです。

訓練は「実施」ではなく「改善」まで含めて完了。

この視点がないと、

  • 今年もやった
  • 無事終わった
  • 大きな混乱はなかった

で終わりやすくなります。
でも、それでは本番に強くなりません。

■② 一番危ないのは「目標なし訓練」

消防庁は、図上訓練、部隊進出・輸送訓練、部隊運用訓練、後方支援活動訓練ごとに、検証すべき課題や目的、目標、評価項目を設定するよう示しています。 oai_citation:1‡消防庁

これはかなり大事です。
なぜなら、目標がない訓練は、終わったあとに評価できないからです。

つまり、
何を伸ばす訓練なのかが曖昧な時点で、訓練はかなり弱い
ということです。

■③ 本当に差が出るのは訓練後4週間

留意事項では、訓練終了後4週間を目途に事後検証会を開き、奏功事例、新たな課題、改善策を検討することとされています。 oai_citation:2‡消防庁

ここが一番重要です。

元消防職員としても、訓練当日は忙しく、感覚的な反省で終わりやすいです。
でも、少し時間を置いて、

  • 何が良かったか
  • 何が止まったか
  • なぜ止まったか
  • 次にどう直すか

を整理しないと、同じ弱点を繰り返します。

■④ 今日の判断基準

この通知から持つべき判断基準はシンプルです。

訓練前は目標、当日は評価、訓練後は計画修正。

この3段階がそろって初めてPDCAです。

  • 前:目標と評価項目を決める
  • 当日:達成度と課題を取る
  • 後:改善策を計画やマニュアルに戻す

ここまでやる訓練の方が、本番に効きます。

■まとめ

緊急消防援助隊の訓練で本当に大事なのは、実動の見栄えではなく、PDCAを回して次の改善につなげることです。
本当に強い訓練は、
「できた」で終わる訓練ではなく、「何を直すか」が残る訓練
です。

訓練は、やった回数より、改善に変えた回数の方が強い。
現場感覚としても、これが一番大事だと思います。

出典:消防庁「令和7年度総合防災訓練大綱について」

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