夏に地震や豪雨で避難する時、飲料水は「とりあえず何本か持てば安心」というものではありません。特に夏は、移動中の発汗、避難所での熱ごもり、トイレ不安による飲み控えが重なり、水が足りなくなると熱中症の危険が一気に高まります。首相官邸は、備蓄の目安として飲料水は1人1日3リットル、最低3日分、できれば1週間分が望ましいと案内しています。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
また、内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」では、災害時は慣れない環境や疲労で熱中症リスクが高まり、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分をとることが大切だと示されています。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
つまり、夏の避難で大切なのは、「水を持つこと」だけではなく、避難前・移動中・避難後で飲料水を切らさないことです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。
■① まず結論として、飲料水で最優先にすべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、避難袋にすぐ飲める水を入れておき、のどが渇く前から少しずつ飲むことです。
家に備蓄があっても、持って出なければ避難中には使えません。しかも夏は、出発直後から汗をかきやすく、「避難所に着いてから飲もう」と考えると遅れやすいです。被災地派遣の現場でも、備蓄は家にあるのに、移動中に飲める水がなくて一気にしんどくなる人はいました。
私なら、夏の飲料水対策は
①まず持って出る分
②次に避難所でしのぐ分
③最後に家や避難先で回す備蓄
の順で考えます。最初の数時間を切らさないことが、かなり大事だからです。
■② なぜ夏は飲料水の優先度がそんなに高いのか
理由は、暑さ・発汗・疲労で、水が足りなくなる速度が早いからです。
災害時の熱中症予防でも、災害時は慣れない環境や疲労、体調不良、栄養不足などで熱中症リスクが高まるとされています。つまり、夏の避難は普段の外出よりも、水分が抜けやすく戻しにくい条件が重なります。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
元消防職員として感じるのは、避難では「喉が渇いたから飲む」だと遅れやすいという点です。移動、家族対応、受付、荷物整理で、飲むタイミングそのものを失いやすいからです。だから、水は“あとで”ではなく“先に”が基本です。
■③ どれくらいの量を目安に考えればいいのか
備蓄の目安としては、1人1日3リットルです。
首相官邸は、飲料水3日分として1人1日3リットルが目安であり、大規模災害では1週間分が望ましいとしています。さらに、飲料水とは別に生活用水も必要だと案内しています。
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ただし、これは主に家庭備蓄の考え方です。避難袋に全部を入れるのは現実的ではありません。私なら、
持ち出し用=最初をつなぐ分
家の備蓄=3日〜1週間を回す分
と分けて考えます。その方が重さも管理しやすいです。
■④ 避難中は水だけでいいのか
基本はまず水分ですが、汗を多くかくなら塩分も一緒に考える方が安全です。
内閣府・厚生労働省の災害時熱中症予防でも、水分だけでなく塩分もこまめにとるよう示されています。つまり、真夏の移動、避難所での暑熱環境、作業が重なる場面では、水だけで頑張るより、スポーツドリンクや経口補水液を場面に応じて使う方が現実的です。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
ただし、土台はあくまで飲料水です。私なら、「塩分をどうするか」で迷う前に、まず飲めているかを見ます。
■⑤ 飲料水を我慢しやすい場面はどこか
一番我慢しやすいのは、トイレが不安な時です。
首相官邸のチェックリストでも、飲料水とあわせて携帯トイレ・簡易トイレの備えが挙げられています。これは、飲み水を確保してもトイレ不安があると飲む量を減らしてしまいやすいからです。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/checklist.html
被災地でも、「飲みたいけどトイレに行きにくいから我慢する」は本当に多いです。だから、夏の飲料水対策は水だけで完結せず、トイレ環境とセットで考えた方が安全です。
■⑥ どんな人に先に飲料水を回すべきか
特に先に意識したいのは、高齢者、子ども、障害のある方、持病のある方です。
内閣府・厚生労働省の災害時熱中症予防でも、これらの方々は特に注意が必要とされています。高齢者は渇きに気づきにくく、子どもは遊びや不安で飲水を後回しにしやすいです。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
私なら、家族で避難する時は「一番元気そうな人」に合わせず、「一番弱い人」が飲めているかを先に見ます。その方が全体が崩れにくいです。
■⑦ 冷たい水でなくてもいいのか
冷たい方が飲みやすいことはありますが、まずは安全に飲める水が切れないことの方が大切です。
夏は冷たい水があると飲みやすくなりますが、避難中は温度よりも「手元にあって、すぐ飲めること」が重要です。被災地でも、ぬるくても飲めた人の方が持ちこたえやすかったです。私は、冷たさはプラス要素ですが、最優先は「持っているか」「飲める状態か」だと考えます。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「今すぐ飲める水があるか」
「避難袋と家の備蓄を分けて考えられているか」
「トイレ不安で飲み控えていないか」
「高齢者や子どもが後回しになっていないか」
この4つがそろっていれば、夏の避難中の飲料水対策としてはかなり現実的です。防災では、「何本あるか」より「切らさず飲めるか」の方が大切です。
■⑨ まとめ
夏の熱中症から避難中に身を守る飲料水で大切なのは、避難前・移動中・避難後のどこでも切らさず、こまめに飲めることです。首相官邸は、備蓄の目安として1人1日3リットル、最低3日分、できれば1週間分が望ましいと案内しています。内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」でも、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分をとることが示されています。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
私なら、夏の避難で一番大事なのは「水を備蓄すること」だけでなく「持って出て、先に飲むこと」だと伝えます。被災地でも、家にある水より、手元の一口が命をつなぐ場面がありました。だからこそ、まずは持ち出し分、次に備蓄、最後に我慢しない。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html(首相官邸「災害が起きる前にできること」)

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