用地取得事務は、数字を出して終わる仕事に見えます。
ただ、結論からいうと、現地確認が甘いまま補償額を動かすのは一発アウトに近い判断です。
福岡県は2026年3月23日、県土整備事務所の用地取得事務で、現地の状況を正確に把握しないまま補償額を算定し、近傍の類似地の取引単価との比較も不十分なまま協議を進めた結果、2回にわたり提示額を変更し、補償額が著しく高くなったとして、当時の所長ら2人を戒告処分、関係職員2人を訓告としました。
この事案で本当に重いのは、金額の問題だけではありません。
現地確認・基準理解・上司チェックの3つが同時に緩んだことです。
元消防職員として現場を見てきた感覚でも、事故や不祥事の前には、たいてい「確認したつもり」があります。
防災でも行政実務でも、現場を見ない判断は弱いです。
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■① 最初の結論
この事案で最初に持つべき判断はシンプルです。
現地を見ていない補償判断は危険。 基準比較が甘いままの価格提示も危険。
つまり、現地確認と基準照合を飛ばした時点で、適正事務からかなり外れやすくなります。
■② 何が危なかったのか
今回の事案で問題になったのは主に3点です。
- 現地の状況を正確に把握しなかった
- 類似地単価との比較が不十分だった
- そのまま協議を進め、提示額を2回変更した
これは言い換えると、
「事実確認が弱いまま、金額だけが先に動いた」
ということです。
■③ なぜ防災でも他人事ではないのか
この話は用地取得事務ですが、防災実務ともかなり似ています。
- 現場確認を飛ばす
- 基準を正確に読まない
- 上司確認が形式化する
- 後で数字や判断がずれる
こういう流れは、災害対応でも事故につながります。
元消防職員として強く感じるのは、現場を見ない判断は、平時の事務でも非常時の指揮でも危ないということです。
■④ 今日の判断基準
この事案から学べる判断基準は明確です。
現地確認 → 基準確認 → 比較確認 → 上司確認
この順を崩さないことです。
「忙しいから」「前例があるから」で飛ばすほど、後で信用を失いやすくなります。
■まとめ
今回の福岡県の処分事案は、単なる計算ミスではなく、現地確認不足と基準比較不足が重なった不適切事務でした。
本当に大事なのは、
数字を早く出すことではなく、現場と基準の両方で裏を取ること
です。
行政実務でも防災でも、判断の土台は現場確認です。
ここを飛ばさないことが、結局いちばん強いと思います。
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