夏に地震が起きて避難所生活になると、見落とされやすいのが蚊やハエなどの虫対策です。ですが実際には、暑さ、汗、湿気、ごみ、水たまりが重なると、虫は増えやすくなり、不快感だけでなく衛生環境の悪化にもつながりやすくなります。厚生労働省は、避難所のごみ集積場や水たまりの周辺ではハエなどが発生しやすく、生活環境の悪化や感染症の原因にもなりかねないと案内しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
だからこそ大切なのは、「虫よけスプレーを持てば十分」と考えないことです。夏の避難所では、刺されない工夫、増やさない工夫、寄せつけない工夫を分けて考える方が現実的です。この記事では、夏の地震で避難所にいる時の蚊・虫対策を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。
■① 最初に考えるべきことは「刺されたらかゆい」だけではない
結論から言うと、最初に考えるべきことは、虫対策を単なる不快感対策として見ないことです。
厚生労働省は、ハエなどの害虫が大量発生すると生活環境が悪化し、感染症の原因にもなりかねないと示しています。避難所では、ごみ、食べ残し、水たまり、排水不良があると、虫が増えやすくなります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
元消防職員として感じるのは、避難所で人を弱らせるのは大きな問題だけではなく、「かゆい」「眠れない」「におう」「落ち着かない」といった小さな不快感の積み重なりだということです。だから、蚊・虫対策は後回しにしない方が避難生活を崩しにくくなります。
■② 夏の避難所でまず優先したい蚊・虫対策は何か
最初に優先したいのは、虫を増やさない環境づくりです。
厚生労働省は、避難所内ではごみを捨てる場所を決めて封をし、生ごみを長期間放置しないこと、定期的に避難所全体を清掃し、食べ物や残飯を適切に管理することが大切だとしています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
つまり、虫対策はスプレーや線香だけでは足りません。まず、ごみ、食べ残し、水たまりを放置しないことが土台です。被災地でも、虫が多い避難所ほど、清掃やごみ管理が追いついていないことが多かったです。
■③ 蚊・虫対策の基本チェックリスト
夏の避難所では、次の順番で考えると整理しやすいです。
・ごみをためない
・生ごみや食べ残しを長く置かない
・水たまりを作らない、見つけたら減らす
・窓や開口部に網や蚊帳を使う
・虫よけ剤や蚊取り線香を必要に応じて使う
・肌の露出を減らす
・寝る場所まわりを清潔に保つ
・子どもや高齢者を先に守る
厚生労働省は、網戸、蚊帳、ハエ取り紙、蚊取り線香、殺虫剤などの使用が効果的だと案内しています。また、食堂や炊き出しの場では、ネットやラップ、蠅帳を使って食品を守る工夫も示しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3q9.pdf
■④ 虫よけスプレーだけで十分なのか
十分とは言えません。虫よけは大事ですが、環境対策とセットで考える方が安全です。
虫よけ剤は「刺されにくくする」には役立ちますが、避難所の中で虫が増える原因そのものは減りません。厚生労働省の資料では、まずごみや残飯、水たまりの管理、清掃、ネットや蚊帳の活用が重視されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
私なら、「虫よけを塗ったから安心」ではなく、「虫が増えにくい状態にできているか」を先に見ます。被災地でも、環境が悪いと虫よけだけでは追いつかない場面がありました。
■⑤ 蚊を増やさないために何を見るべきか
特に見たいのは、水たまりと排水の状態です。
厚生労働省は、排水溝が詰まって水たまりができると、蚊の発生源になると示しています。植木鉢の受け皿ほどの小さな水たまりでも、蚊は発生しやすくなります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3q9.pdf
つまり、避難所の虫対策では「見える虫」だけでなく、「これから増える場所」を見つける方が現実的です。私なら、雨のあとや炊き出し場の近く、排水のたまりを先に確認します。
■⑥ 服装でできる虫対策はあるのか
あります。肌の露出を減らすことはかなり有効です。
環境省の感染症関連資料では、蚊に刺されない工夫として、長袖・長ズボン、虫よけ薬、蚊取り線香の使用などが重要だと示されています。
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/pamph_infection/full.pdf
ただし、夏は暑さもあるため、厚手の服で我慢しすぎるのは現実的ではありません。私なら、薄手で通気性のある長袖や長ズボンをうまく使い、暑さと虫対策の両立を考えます。
■⑦ 子どもや高齢者は何に注意するべきか
子どもや高齢者は、かゆみや虫の不快感が睡眠や体調に響きやすいことに注意した方がよいです。
子どもは刺されると掻きこわしやすく、高齢者は睡眠不足や不快感で体力を落としやすいです。しかも、本人がうまく訴えないこともあります。だから、寝る場所まわりの虫対策、肌を守る服装、寝る前の虫よけは特に意識した方がよいです。
元消防職員としては、虫対策は「刺されないこと」より「夜を崩さないこと」が大切だと感じます。避難所では、眠れないことが翌日の体力に直結するからです。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「虫を増やす原因を減らせているか」
「寝る場所や食事場所を守れているか」
「肌を守る工夫ができているか」
「子どもや高齢者が夜に困っていないか」
この4つがそろっていれば、夏の避難所の蚊・虫対策としてはかなり現実的です。防災では、刺されてから慌てるより、増やさない・寄せつけない・守るを分けて考える方が強いです。
■まとめ
夏の地震で避難所にいる時の蚊・虫対策で大切なのは、虫よけグッズだけに頼らないことです。厚生労働省は、ごみ管理、清掃、水たまり対策、網戸・蚊帳・蚊取り線香などの活用を案内しており、環境省も、長袖・長ズボンや虫よけ薬などで蚊に刺されない工夫が重要だと示しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-att/2r9852000001l3jc.pdf
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/pamph_infection/full.pdf
私なら、夏の避難所の蚊・虫対策で一番大事なのは「刺されたら対処すること」ではなく「まず増やさないこと」だと伝えます。被災地でも、虫の多さは避難生活の不快感をかなり大きくしました。だからこそ、まずはごみ、水たまり、寝る場所。この3つから先に整えるのがおすすめです。

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