災害ボランティアや支援活動のあと、
「同じ現場にいたのに、なぜ平気な人と崩れる人がいるのか」
「自分は耐えられるタイプなのか、それとも危ないのか」
「訓練で本当に差がつくのか」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、惨事ストレス反応は“強い人だけが耐えられるもの”ではなく、“事前に知っているか・準備しているか・共有できるか”で差がつくものです。
消防庁やDPATの資料でも、惨事ストレス反応は誰にでも起こりうる自然な反応であり、予防には事前教育やセルフケア、チームでの共有が重要とされています。 (fdma.go.jp)
防災士として率直に言えば、現場で「平気に見える人」も、本当に何も感じていないわけではありません。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、差が出るのは、
・感じない人と感じる人
ではなく、
感じたあとにどう扱えるか
です。
ここに訓練の意味があります。
■① まず理解すべき前提|惨事ストレス反応は誰にでも起こる
惨事ストレス反応は、
・ショック
・不眠
・イライラ
・集中力低下
・フラッシュバック
などとして現れます。
消防庁の資料でも、これらは災害や事故に関わる人に起こりうる反応として整理されています。 (fdma.go.jp)
防災士として言えば、ここで一番大事なのは、
「自分は大丈夫」と思い込まないこと
です。
むしろ、
「出る可能性がある前提で準備する」
方が現実的です。
■② 差がつくポイント①|事前に“反応を知っているか”
訓練済みのボランティアや職員は、
・どんな反応が出るか
・いつ出やすいか
・どこまでが正常範囲か
を知っています。
そのため、
「眠れない=おかしい」
ではなく、
「よくある反応かもしれない」
と判断できます。
防災士として率直に言えば、この差はかなり大きいです。
知らないと、
・不安になる
・隠そうとする
・無理に押さえ込む
という流れになりやすいからです。
■③ 差がつくポイント②|“自分の状態を見る習慣”があるか
訓練されている人は、自分の状態を見ます。
・眠れているか
・食べられているか
・イライラしていないか
・集中できるか
これは特別なことではありません。
でも、これをやっているかどうかで差が出ます。
防災士として言えば、支援後に崩れる人は、
「見ていない」ことが多いです。
忙しさや責任感で、自分の状態を後回しにしてしまいます。
■④ 差がつくポイント③|“一人で抱えない前提”を持っているか
DPATの考え方でも、反応が長引く場合は早めに周囲に相談することが望ましいとされています。
訓練されている人は、
・話すことが前提
・共有することが普通
という環境にいます。
一方で、準備がない人ほど、
・我慢する
・迷惑をかけたくない
・自分で何とかしようとする
傾向があります。
元消防職員として率直に言えば、回復しやすい人は、
話せる人がいる人
です。
これはかなりはっきりしています。
■⑤ 差がつくポイント④|“戻し方”を知っているか
訓練済みの人は、調子が崩れた時に
どう戻すかを知っています。
たとえば、
・呼吸を整える
・休む
・短く振り返る
・人に話す
・必要なら相談する
これは特別な技術ではありません。
でも、
「どうすればいいか分かっている」
だけで動きやすくなります。
防災士として言えば、崩れる人と戻れる人の差は、
耐える力ではなく、
戻す力
です。
■⑥ 差がつくポイント⑤|“無理を続けない判断”ができるか
現場では、
・もう少し頑張れる
・自分がやらないと
と感じやすいです。
でも訓練されている人は、
・今は休むべきか
・続けるべきか
を判断します。
防災士として率直に言えば、
一番危ないのは、
限界を超えても続けること
です。
むしろ、
途中で調整できる人の方が、長く活動できます。
■⑦ 訓練で身につけるべき最小セット
ここまでを踏まえると、訓練で最低限必要なのは次の5つです。
・反応を知る
・自分の状態を見る
・話す前提を持つ
・戻し方を持つ
・無理を止める判断
これだけで十分です。
防災士として言えば、難しい理論より、
この5つを持っているか
の方が実際の差になります。
■⑧ まとめ
惨事ストレス反応で差がつくのは“強さ”ではなく、“知識・準備・共有・戻し方”です。
消防庁やDPATの資料でも、惨事ストレス反応は誰にでも起こりうる自然な反応であり、事前教育やセルフケア、共有が重要とされています。 (fdma.go.jp)
防災士として強く言えるのは、
耐える力より、戻る力を持っている方が強い
ということです。
迷ったら、
・反応を知る
・状態を見る
・話す
この3つからで十分です。
それが一番現実的な準備です。

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