【防災士が解説】消防士の1日の流れとは?── 24時間勤務のリアルをわかりやすく紹介

消防士は「火事のときだけ出動している」と思われがちですが、
実際は 1日中、緊張感と訓練に満ちた生活 を送っています。

ここでは、消防士の 24時間勤務(当直)1日モデル
できるだけリアルに、一般の方向けにわかりやすく解説します。


■ ① 8:30 出勤・引き継ぎ

消防士は多くの自治体で 24時間勤務+非番+休み のサイクル。

当直開始は朝8:30頃。

● 前日当番から引き継ぎ
● 車両・資機材の状態確認
● 無線機・救急資器材の点検
● 車両の日誌確認

引き継ぎの質で、1日の安全が決まります。


■ ② 9:00 車両点検・装備点検

消防車・救急車は「命を守る道具」。
1つの不具合が命取りになるため、細かく点検します。

● ホース・筒先
● 救助工具(カッター、スプレッダーなど)
● はしご・ロープ
● AED・酸素ボンベ
● 水利図・地図の確認

この時間は全隊員が真剣そのものです。


■ ③ 10:00 訓練・勉強会

消防士の主業務は 消火・救助・救急
そのすべてで高いスキルが求められます。

● 放水訓練
● 救助訓練(ロープ・破壊・検索)
● 救急訓練(心肺蘇生・処置)
● 座学(火災・建物構造・気象・救急医学)

消防士は“学び続ける職業”です。


■ ④ 12:00 昼食・休憩

基本は自炊または持参。

この時間に限っては笑顔が多く、
チームの雰囲気づくりにも大切な瞬間。

ただし、いつ出動がかかるかわからないため
食事中でも無線が鳴れば一瞬で走り出します。


■ ⑤ 13:00 予防業務・巡回・事務

午後は地域の安全を守るための“予防業務”。

● 消防設備点検
● 立入検査
● 防火指導(飲食店・工場・学校)
● 地域の行事や防災訓練の支援
● 事務処理(報告書・訓練計画など)

消防士の仕事は“火を消す”だけではありません。
火を出させない のも重要な使命です。


■ ⑥ 15:00 体力錬成(トレーニング)

消防士は体が資本。

● ランニング
● 筋力トレーニング
● 隊での体力測定
● 柔軟・怪我防止のケア

救助活動は重量物の扱いが多く、
体力維持は欠かせません。


■ ⑦ 17:00 夕食準備・団らん

夕食も基本は共同。

出動がかかれば途中で中断も当たり前。
「温かいご飯を食べきれない」ことは日常です。


■ ⑧ 19:00 夜間点検・救急対応増加

夜になると救急出動が増える傾向があります。

● 高齢者の体調不良
● 仕事帰りの事故
● 夜間の火災

救急隊は特にこの時間帯から忙しくなります。


■ ⑨ 21:00 仮眠(ただし“寝られれば”)

消防士の仮眠は「睡眠」ではなく 待機中の横になる時間

・いつ無線が鳴っても即起床
・寝入った瞬間に出動も普通
・朝まで一度も寝られない日も多い

仮眠室は個室化が進んでいますが、
緊張感が続くのが消防士の夜です。


■ ⑩ 3:00〜5:00 深夜出動

● 火災
● 急病
● 交通事故
● 水害
● 通報誤報

深夜帯は眠気や気温低下で活動が厳しく、
隊員の疲労がピークに達する時間帯。


■ ⑪ 6:00 朝の清掃

消防署は“ひとつの大きな家”。
当直明けの朝も全員で清掃します。

● 署内の掃除
● 車庫・資材整備
● 使用した資器材の完全復帰

最後まで気を抜かないのが消防の文化です。


■ ⑫ 8:30 引き継ぎ・退庁

次の当直に業務を引き継ぎ、1日終了。

ただ、多くの消防士は
その後自宅に帰ってもぐったり。
夜中に何度も出動していれば、
「帰ってから寝る」のが通常です。


■ まとめ

消防士の1日は、
訓練・点検・予防・救急・消火・清掃 が詰まった
“命を守るための24時間”です。

  1. 朝は点検と訓練からスタート
  2. 午後は予防業務や体力錬成
  3. 夜は救急出動が増える
  4. 仮眠は「寝られるときに寝る」スタイル
  5. 朝は清掃して次の隊へ引き継ぎ

消防士の24時間勤務は厳しくも誇り高い仕事。
その裏には、地域の安全を守るための
“鍛錬と覚悟”がつまっています。

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