災害大国の日本では避難所運営が重要ですが、
世界ではまったく違う思想・仕組みで避難所がつくられています。
その違いを知ることで、日本の避難所はもっと快適に、
もっと安全にアップデートできます。
■ 1. アメリカ:避難所は“体育館”ではなく“シェルター”
アメリカでは大規模災害時、体育館ではなく
プロ仕様の避難シェルターが設置されることが多いです。
特徴
- ベッド完備
- 仕切り壁が標準
- 非常用発電機と空調完備
- ペット同行スペースあり
- 食事はレッドクロスが大型提供
→ 日本の参考点
- 仕切り・ベッドの標準装備
- ペットスペースの明確化
- エアコンを備えた“夏対策”避難所
■ 2. 台湾:避難所が“IT管理”されている
台湾は避難所のデジタル化が進んでおり、
現地で使える仕組みが日本より実用的です。
特徴
- 避難所の満空状況がリアルタイムで見える
- QRコードで受付
- 高齢者・障害者の個別ニーズを電子管理
- Wi-Fiが標準で整備
→ 日本の参考点
- 避難所の混雑見える化システム
- 受付・管理のデジタル化
■ 3. フィリピン:教会や民家が避難所
フィリピンは台風常襲国で、
“避難所=公共施設”ではありません。
特徴
- 教会が主要避難所
- 民家に避難させる文化
- コミュニティ中心の避難運営
- 子どもと高齢者の優先保護が徹底
→ 日本の参考点
- 教会・民家・地域施設との連携
- “分散避難(役割分担)”の強化
■ 4. 韓国:避難所の“プライバシー配慮”が徹底
韓国は避難所の設計段階から
日本よりプライバシーが守られる構造が多いです。
特徴
- 個室に近いパネル仕切り
- 専用の女性スペース
- 子連れ専用ルーム
- 断熱マット標準支給
→ 日本の参考点
- 女性・子ども専用区画を標準化
- プライバシー確保を前提とした区画設計
■ 5. スウェーデン:避難所=“生活できるミニ住宅”
北欧は寒冷地災害が多いため、
避難所は「住む前提」で作られています。
特徴
- 暖房完備
- 厚い断熱材
- ベッドと個室が基本
- 食堂・共用キッチンあり
→ 日本の参考点
- “冬の停電”対応の暖房インフラ
- 高断熱避難所の整備
■ 6. カナダ:避難所に“健康ケア”がセット
カナダは高齢化が進んでおり、
避難所機能に医療ケアが組み込まれています。
特徴
- 看護師常駐
- メンタルケア専門職が巡回
- 衛生設備が整っている
- ペット同行前提の避難計画
→ 日本の参考点
- 医療・福祉スタッフの巡回体制
- 衛生管理の強化
- 災害時の心理ケア
■ 7. 日本の避難所が世界に誇る強み
もちろん、日本にも良い点は多いです。
- 整然とした運営能力
- ボランティアの質が高い
- 地域住民の協力性
- 食料・水の配給が早い
- ルールを守る文化
しかし、設備面では改善できる部分が多いのも事実。
■ 日本が学ぶべき“避難所アップデート”
- ① プライバシー確保(韓国)
- ② IT運営(台湾)
- ③ エアコン・暖房の標準化(アメリカ・北欧)
- ④ ペット同行避難の制度化(アメリカ・カナダ)
- ⑤ 分散避難の地域文化(フィリピン)
- ⑥ 医療・心理ケアの充実(カナダ)
■ まとめ
世界には
“避難所=命を守るだけでなく、快適に過ごす場所”
という考え方が浸透している国が増えています。
日本もこれらを取り入れれば、
災害時に“誰も取りこぼさない避難所運営”が実現できます。

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