【元消防職員・防災士が解説】カセットボンベは何本備えるべき?|家庭の人数別“最適な備蓄量”をプロが解説

災害時に「お湯を沸かす・食事を作る」という基本行動を支えてくれるのがカセットコンロだ。
しかし意外と多くの家庭が「ボンベの本数が足りない」状態にある。
ここでは、家庭の人数に応じた“適切な備蓄量”をわかりやすく解説する。


■結論:最低ラインは“1人あたり月3〜4本”

カセットボンベは
1本=およそ60〜90分(強火:60分/弱火:90分)
使用できる。

災害時の利用を考えると、
・1日2〜3回の湯沸かし
・簡単な加熱調理
1日あたり約15〜20分 は火を使う。

これを計算すると、
1週間で約2本
1ヶ月で約7〜8本(家族4人の場合)
が必要になる。


■人数別の“現実的な備蓄量”の目安

家族構成に応じて、必要本数は次の通り。

●1人暮らし

最低:3〜4本
推奨:6本
(1ヶ月の在宅避難を想定)

●2人家庭

最低:6〜8本
推奨:10〜12本

●4人家庭

最低:12〜16本
推奨:18〜24本
(アルファ米、カップ麺、湯沸かし用途が増える)

●高齢夫婦

推奨:10〜12本
(温かい飲み物・汁物の重要度が高い)


■備蓄が必要な理由

① 災害は“調理手段”を奪う

停電・都市ガス停止・断水が同時に起きると、
火を使える唯一の道具になる。

② 被災直後は入手困難

地震や台風後、ボンベは最初に売り切れる。
ホームセンター・スーパー・コンビニすべて品薄になる。

③ 長期避難で食生活を支える

温かい食事は体調とメンタルの維持に直結する。
1〜2ヶ月分の備えがあると、非常に安心感が大きい。


■保管のポイント

・必ず 製造月を確認して購入
・寿命は7年が目安
・必ず 火気・直射日光を避けて保管
・使い切ったボンベは穴を開けず自治体ルールに従う
・ローリングストックが最も簡単


■まとめ:ボンベ備蓄は“生活の命綱”

カセットコンロは、在宅避難の中心になる装備だ。
しかし、肝心のボンベが不足すると意味がなくなる。

家庭の人数×月3〜4本 が最低目安。
2〜3ヶ月分を備蓄しておけば、災害時の生活の質と安心感は圧倒的に高まる。

今日から、現実的な本数の備蓄を始めてほしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました