災害が起きた直後、「必要なものを買いに行けばいい」と考えていると、現実はあっさり裏切られます。店頭から一気に消えるのは、水や食料だけではありません。電気・水道・ガスといったライフラインが止まった瞬間に困る“代替アイテム”が、真っ先に品薄になります。
被災地派遣(LO)で現場に入ったとき、物が足りないこと以上に、手に入らない状況が続くストレスが人を削っていくのを何度も見ました。だからこそ、買えない前提で「最低限の代替」を平時に整えておくことが、いちばん効く防災です。
■①(見出し)真っ先に消えるのは「ライフライン代替」
災害直後に売り切れやすいのは、日常を支えるライフラインの代替になるものです。
停電なら「光・情報・充電」、断水なら「衛生」、ガス停止なら「加熱」。この3つが同時に崩れると生活は一気に難しくなります。
水や食料は当然として、今回はそれ以外の「本当に困る代替グッズ」を、優先順位が分かる形で整理します。
■②(見出し)乾電池|売上が跳ね上がる“最速品切れ”枠
停電が起きると、懐中電灯・ラジオ・小型照明・体温計など、乾電池で動く機器が一斉に必要になります。
乾電池は「いつでも買える」と油断しがちですが、災害直後は入荷が追いつかず、棚から消えます。特に単三は消耗が早く、サイズを間違えると意味がありません。
備え方のコツは、必要本数を「機器ごと」に決めて、普段も少しずつ使いながら補充することです。使わないまま期限切れにしない方が、結果的に無駄が減ります。
■③(見出し)スマホ充電|モバイルバッテリーは“分散”が強い
災害時、スマホは連絡・情報収集・地図・ライト・決済まで担う“命綱”になります。
だからこそ充電手段が切れると、心理的な不安が一気に増します。大容量1台に頼るより、家族分を複数台に分け、常に満充電に近い状態を保つ方が現実的です。
被災地では「あるはずだったのに空だった」「ケーブルが見つからない」が本当によく起きます。バッテリー本体だけでなく、ケーブル・変換アダプタ・車載充電までセットで一袋にまとめると、探す時間が減ります。
■④(見出し)トイレ|発災数時間で現実になる“我慢できない問題”
トイレは「いつか困る」ではなく、「すぐ困る」代表です。断水や下水の不具合があると、自宅トイレも使えないケースがあります。
我慢が続くと水分摂取を減らし、脱水や血栓リスクを上げる方向に傾きます。ここが怖いところです。
備えの目安は、回数ベースで考えると簡単です。
「1日5回 × 家族人数 × まずは3日分」から始め、余裕が出たら7日分へ。
被災地派遣の現場では、トイレ不足は体調悪化だけでなく、避難生活の不快感とストレスを増幅させます。最初に整える価値が高い備えです。
■⑤(見出し)衛生の要|ウェットティッシュは断水時の“手足”
断水時、手洗いができないことは想像以上に生活を荒らします。食事前後、トイレ後、ちょっとした汚れ落としまで、衛生の維持に必要なのがウェットティッシュです。
アルコールタイプは手指衛生に、ノンアルコールは体拭きや子ども用途に向きます。用途を分けておくと、ストレスが減ります。
誤解されがちポイントは「水が止まってから考えればいい」という発想です。断水中は、代替の衛生手段がないと生活の質が急落します。衛生は体だけでなく、心の安定にも直結します。
■⑥(見出し)温かさは体力と心を守る|カセットコンロ+ボンベ
電気・都市ガスが止まると、温かい飲み物や食事が作れない時間が続きます。温かいものは体温維持だけでなく、気持ちを立て直す材料になります。
カセットコンロは、点火・加熱・煮沸ができ、選択肢を一気に増やします。
行政側が言いにくい本音としては、「災害が起きてから買いに行く人が増えるほど、必要な人に届かなくなる」という現実があります。平時の備えは、自分のためだけでなく、買い占め連鎖を起こさないための行動にもなります。
使用時は換気を徹底し、一酸化炭素中毒のリスクを避けてください。
■⑦(見出し)優先順位の決め方|迷ったら“代替の3点セット”
何から買うか迷ったら、次の3点を先に揃えるのが合理的です。
1)光・情報:乾電池(+ライト・ラジオの動作確認)
2)充電:モバイルバッテリー(+ケーブル一式)
3)衛生:携帯トイレ(+処理袋・手指清拭)
この3点があると、停電・断水の初動で崩れにくくなります。そこに余裕が出たら、ウェットティッシュ、カセットコンロ、ボンベを追加していく流れが、無駄が少ないです。
■⑧(見出し)今日できる最小行動|「すぐ使える状態」チェック
備えは“持っている”だけでは足りません。“すぐ使える”状態が重要です。
・乾電池のサイズが機器に合っているか
・ライトやラジオが実際に点くか
・モバイルバッテリーが満充電か、ケーブルが揃っているか
・携帯トイレの中身(凝固剤・袋)が不足していないか
・カセットコンロが点火するか、ボンベが期限内か
被災地派遣の現場でも、役に立ったのは「普段から触っていた道具」でした。訓練ではなく、点検だけでも十分に差が出ます。
■まとめ|(まとめタイトル)災害直後に消えるのは「代替インフラ」
(まとめ本文)
災害直後に店から消えやすいのは、電気・水・ガスの代替になるアイテムです。乾電池、充電手段、携帯トイレ、衛生用品、加熱手段は、買ってから考えるのではなく、買えない前提で備えるほど効果が出ます。
まずは優先順位を決め、必要量を小さく揃え、「すぐ使える状態」まで整えることが現実的です。
結論:
防災で本当に差が出るのは、水や食料だけでなく、停電・断水・ガス停止を代替する“生活インフラの予備”を平時に確保しているかどうかです。
防災士として被災地派遣(LO)で現場に入った経験から言うと、物が足りないことよりも「手に入らない状態が続くこと」が人を弱らせます。今日できる最小行動として、携帯トイレ・充電・乾電池の3点を点検し、足りない分だけ静かに補う。それだけでも、次の災害で家族の不安は確実に小さくできます。
出典:政府広報オンライン「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」 oai_citation:0‡gov-online.go.jp

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