簡易トイレを備えても、「拭けない」「消毒できない」「暗くて危ない」「見られてしまう」など周辺の課題が残ると、結局つらさが増えてしまいます。
災害時のトイレ対策は、トイレ本体だけでなく“運用セット”まで揃えて初めて機能します。ここでは、簡易トイレと一緒に備蓄しておきたいアイテムを、優先順位がわかるように整理します。
■① まず結論|簡易トイレは「衛生・光・目隠し」を同時に備える
簡易トイレだけだと、処理後の手指衛生や周囲の清掃、暗闇での安全、プライバシー確保が追いつきません。
最低でも「拭く・消毒する・照らす・隠す」ができる備えにすると、トイレのストレスが一気に下がります。
■② ウェットティッシュ|水がない時の“手洗い代わり”になる
断水時は、手洗いが十分にできない場面が続きます。ウェットティッシュがあると、手指だけでなく便座まわりの拭き取りにも使えて衛生的です。
家族が多いほど消費が早いので、少し多めに用意しておくと安心です。
■③ 消毒液|感染リスクを下げるための必須アイテム
災害時は、清掃が行き届かない環境になりがちで、衛生が崩れると体調不良が連鎖します。
アルコールや次亜塩素酸系など、用途に合わせて使える消毒があると、手指・ドアノブ・床の飛び散り対策まで対応できます。被災地派遣の現場でも、トイレ周りの衛生が保てている場所ほど、体調を崩す人が少ない印象でした。
■④ トイレットペーパー|長尺タイプで「省スペース+安心感」
トイレットペーパーは、生活の“当たり前”を支える物資です。なくなるとストレスが跳ね上がります。
備蓄スペースが限られる場合は、長尺タイプを選ぶと保管量を減らせます。簡易トイレの運用をするなら、紙の備えは必須です。
■⑤ ランタン|暗闇の転倒・失敗を防ぐ「安全装備」
停電するとトイレは一気に危険になります。暗闇で袋や凝固剤の扱いを間違えると、漏れや汚れにつながりやすいです。
ランタンがあると、両手を使いながら照らせるため、作業ミスと不安が減ります。夜間のトイレほど、明かりの価値は大きいです。
■⑥ 目隠し用ポンチョ(または大きめゴミ袋)|尊厳を守る備え
排泄は生理現象ですが、見られる不安があると我慢につながります。特に女性や子ども、高齢者は心理的負担が大きくなりやすいです。
ポンチョがあると目隠しになり、安心して用を足せます。代用として大きめのゴミ袋でも工夫できますが、着脱しやすいポンチョがあると運用が安定します。
■⑦ ニオイ対策(消臭スプレー・防臭袋・圧縮袋)|“長期保管”を想定する
災害時はすぐに廃棄できず、使用済み袋を自宅で保管する時間が伸びることがあります。その時に一番効いてくるのがニオイ対策です。
東日本大震災のように断水が長期化したケースでは、トイレのニオイが生活のストレスになりやすく、精神的にも削られます。防臭袋やゴミ圧縮袋、消臭スプレーをセットにしておくと、在宅避難の不安がかなり軽くなります。LOとして被災地支援に入った際も、ニオイ対策ができている家は、生活の崩れ方が違いました。
■⑧ 最後に|食料・飲料水など“全体の備え”とセットで考える
トイレだけ整っていても、食料や水が不足すれば生活は回りません。
簡易トイレを備えるタイミングで、食料・飲料水・衛生用品などもまとめて点検すると、備えの抜け漏れを防げます。
■まとめ|「拭く・消毒・光・目隠し・ニオイ対策」で簡易トイレは完成する
簡易トイレを購入する時は、ウェットティッシュ、消毒液、トイレットペーパー、ランタン、目隠し用ポンチョ(または大きめゴミ袋)を一緒に用意しておくと、非常時でも衛生と安心を保ちやすくなります。
さらに、消臭スプレーや防臭袋・ゴミ圧縮袋などのニオイ対策を加えると、在宅避難が長引いた時のストレスを大きく減らせます。
結論:
簡易トイレは“周辺アイテムまで含めた運用セット”で備えてこそ、衛生と尊厳を守れる備えになります。
防災士として現場を見てきた実感でも、トイレの不安が小さい家庭ほど、体調と心の崩れが少なく、判断が安定しやすいです。
出典:政府広報オンライン「被災時に水道・トイレが使えない時の対処法」https://www.gov-online.go.jp/prg/prg22017.html

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