【防災士が解説】新生活の部屋探しで失敗しない防災チェック|内見で必ず見るべき10のポイント

春の引っ越しシーズンは、家探しの判断が早くなりがちです。しかし、防災の観点で見ると「住んでから後悔する物件」は確実にあります。ハザードは建物の中だけでなく、立地・周辺環境・避難のしやすさで決まります。この記事では、内見の短い時間でも確認できる“防災チェック10項目”を、具体的に整理します。


■① まず確認するのは「ハザードの種類」

内見前に最低限確認したいのは、浸水・土砂・津波・液状化のどれが関係する地域かです。
・川が近い=浸水リスク
・崖や谷が近い=土砂リスク
・海が近い=津波リスク
・埋立地や低地=液状化リスク
自分の生活圏で「起こりやすい災害」を先に特定すると、内見の見方が変わります。


■② 内見で見るべき10のポイント(結論)

内見は“部屋の快適さ”だけでなく、次の10点を確認します。
1)建物の築年数と耐震性の考え方
2)部屋の階数(浸水・停電・避難のしやすさ)
3)非常口・避難階段の位置
4)エレベーター停止時の動線
5)家具転倒対策ができる壁・床か
6)窓の防風性(雨戸・シャッター・サッシ)
7)ガス・電気の種類と停止時の代替
8)水回り(断水時の使いにくさ、貯水のしやすさ)
9)周辺道路の狭さ・行き止まり・冠水しやすさ
10)最寄りの避難所までの経路(暗い道、崖、橋)


■③ 築年数は「古い=ダメ」ではなく“確認ポイント”が増える

築年数だけで一発判断は危険です。
・耐震基準の違い
・外壁や階段の劣化
・ブロック塀や擁壁の状態
古い物件は、周辺構造物も含めて確認が必要です。


■④ 階数選びは「浸水」と「停電」の両方で考える

低層は浸水リスク、高層は停電時に生活が止まりやすいです。
・低層:浸水、車の冠水
・高層:断水、エレベーター停止、階段移動
自分の家族構成(子ども、高齢者)で無理のない階数を選ぶのが現実的です。


■⑤ 避難動線は「夜・雨・停電」を前提に確認する

避難所までの経路は、晴れ昼間だけで判断しない方が安全です。
・街灯が少ない
・橋や階段が多い
・崖沿いを通る
・狭い道で車が多い
暗い雨の夜に歩けるか、を基準に見ます。


■⑥ 家具転倒対策ができる家は“住んでから強くできる”

防災は立地だけでなく、住んでからの強化も大切です。
・壁に下地があるか(固定が効く)
・床が水平か
・収納スペースが十分か(床置きが減る)
内見でこの視点を持つだけで、地震対策のしやすさが変わります。


■⑦ 生活インフラの停止を想像してみる

災害時は、電気・水・ガスが止まることがあります。
・停電時に暗くなりすぎないか
・給湯器が止まると水も使いづらいか
・水を貯める場所(浴槽やポリタンク置き場)はあるか
「止まったらどう暮らすか」を1分だけ想像すると、住まい選びの精度が上がります。


■⑧ 被災地経験で見た「住まいの差が生活の差になる」

被災地派遣では、同じ地域でも“住まいの条件”で生活再建の難易度が大きく変わる場面を見ました。LOとして住民の生活状況を見ていると、避難しやすい立地、断水でも動ける動線、近隣の支えがある場所は回復が早いと感じました。元消防職員としても、災害時に助けを呼びやすい・出入りしやすい家は安全度が高いと実感しています。家探しは、日常の快適さだけでなく“非常時の生活耐性”で差が出ます。


■まとめ|内見は“防災の10項目”を見れば失敗しにくい

新生活の部屋探しは、焦って決めるほど防災面の見落としが増えます。内見では、築年数や階数だけでなく、避難動線、インフラ停止時の暮らし、家具固定のしやすさ、周辺道路や避難所までの経路を確認します。10項目を淡々とチェックするだけで、住んでからの後悔は大きく減らせます。

結論:
家探しは「日常の快適さ+非常時の暮らしやすさ」で決めると失敗しにくい。内見で防災10項目を確認するだけで、住まいの耐災害力が上がります。
防災士として、住まいの条件は災害後の回復力を左右すると感じます。春の内見は、ほんの数分でいいので“非常時の目線”を入れてください。

出典:https://disaportal.gsi.go.jp/

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