夏に地震が起きて避難所生活になると、洗面や清潔は「後で何とかすること」ではありません。暑さ、汗、断水、トイレ問題、人との距離の近さが重なると、清潔を保てないこと自体が不快感だけでなく、体調悪化や感染症リスクにもつながりやすいからです。厚生労働省の「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」でも、避難所では手洗い、体を拭く工夫、口腔ケア、トイレの衛生確保が重要だと示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
だからこそ大切なのは、「水がないから清潔は無理」と考えないことです。大量の水で洗うことではなく、少ない水でも不潔をためないことが、夏の避難所ではかなり大切です。この記事では、夏の地震で避難所にいる時の洗面・清潔を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。
■① 最初に考えるべきことは「きれいに洗う」より「汚れをためない」
結論から言うと、最初に考えるべきことは、普段どおりに洗えるかどうかではなく、汚れや汗をためすぎないことです。
避難所では断水や混雑で、顔を何度も洗う、シャワーを使う、衣類をこまめに替えるといったことが難しい場合があります。だから、夏の洗面・清潔は「完璧に洗う」より、「不快感や不衛生を少しずつ減らす」方が現実的です。
元消防職員として感じるのは、被災地で人を弱らせるのは大きな病気だけではなく、「汗でべたつく」「顔をさっぱりできない」「口の中が気持ち悪い」といった小さな不快感の積み重なりだという点です。だから、洗面・清潔は我慢しない方が持ちこたえやすいです。
■② 夏の避難所で最初に優先したい清潔ケアは何か
最初に優先したいのは、手・顔・口・脇や首まわりです。
厚生労働省のガイドラインでは、手洗い、うがい、歯みがき、温かいおしぼりやタオルで体を拭くことなどが勧められています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
つまり、全身をきれいにできなくても、手、顔、口、汗がたまりやすい所を先に整えるだけで、かなり違います。私なら、夏の避難所では「全身を洗いたい」より「まず顔と首を拭く」をすすめます。その方が少ない水でもやりやすいからです。
■③ 洗面・清潔の基本チェックリスト
夏の避難所では、次の順番で考えると整理しやすいです。
・手を清潔に保てているか
・顔を拭けているか
・口の中を整えられているか
・汗をかいた所を拭けているか
・トイレ後の処理ができているか
・汚れたタオルやごみを分けているか
・最低限の着替えが回っているか
・子どもや高齢者を先に整えられているか
この中でも、夏に特に大事なのは、手、顔、汗、口の4つです。ここが整うだけでも、避難生活の持ち方はかなり変わります。
■④ 水が少ない時はどう洗面すればいいのか
水が少ない時は、拭くケアを中心に考える方が現実的です。
厚生労働省のガイドラインでは、清潔を保つ方法として、温かいおしぼりやタオルなどで体を拭くこと、部分的な入浴もあると示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
つまり、避難所では「洗えない=何もできない」ではありません。濡れタオル、体拭きシート、ウェットティッシュなどで、顔や首、脇、手を拭くだけでもかなり助かります。私なら、少ない水は顔を流すより、タオルを湿らせて何か所かを拭く方に使います。
■⑤ 口の中を整えることはそんなに大事なのか
はい。かなり大事です。
厚生労働省のガイドラインでは、うがい・歯みがきなどの口腔ケアも健康維持に重要だとされています。避難所では、水分不足や食事の偏り、睡眠不足で口の中が不快になりやすく、それが食欲低下にもつながることがあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
元消防職員としても、避難所で「食べたくない」「気持ち悪い」という時、口の中の不快感が関係していることは少なくありません。だから、歯ブラシ、口すすぎ、口腔ケアシートなどで少しでも整える方が現実的です。
■⑥ トイレ後の清潔はどう考えるべきか
トイレ後の清潔は、洗面・清潔の中心と考えた方が安全です。
内閣府のトイレガイドラインでは、トイレの衛生状態が悪いと使用のためらいにつながり、健康被害や衛生環境の悪化の原因になると示されています。
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf
つまり、顔をさっぱりさせることも大切ですが、トイレ後に手を整えられること、汚れた物を分けられることの方が優先度は高いです。私なら、洗面・清潔の備えでは「手を拭く物」を後回しにしません。
■⑦ 子どもや高齢者がいる家庭は何を変えるべきか
子どもや高齢者がいる家庭では、一人でできる前提にしない方がよいです。
子どもは汗や汚れをそのままにしやすく、高齢者は洗面や着替え自体が負担になることがあります。だから、タオルやシートを手の届く所に置く、短時間で拭ける形にする、トイレ後の手拭きを手伝うなど、やりやすさを優先した方が現実的です。
私なら、家族構成別準備として、子どもと高齢者には「清潔用品がある」だけでなく「今すぐ使える形になっている」ことを重視します。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「手を清潔に保てているか」
「顔と汗の不快感を減らせているか」
「口の中を整えられているか」
「子どもや高齢者を先にケアできているか」
この4つがそろっていれば、夏の避難所での洗面・清潔としてはかなり現実的です。防災では、完璧な清潔さより「不衛生をためないこと」の方が大切です。
■まとめ
夏の地震で避難所にいる時の洗面・清潔で大切なのは、「普段どおり洗えるか」ではなく、「少ない水でも不潔をためないこと」です。厚生労働省は、避難所では手洗い、うがい、歯みがき、温かいおしぼりやタオルなどで体を拭くことが大切だと示しています。内閣府も、トイレ後の衛生が崩れると健康被害につながりやすいことを示しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf
私なら、夏の避難所の洗面・清潔で一番大事なのは「全部きれいに洗うこと」ではなく「手・顔・口・汗を少しずつ整え続けること」だと伝えます。被災地でも、清潔が少し保てるだけで、体力も気持ちもかなり違いました。だからこそ、まずは手、次に顔、その次に口。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf(厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」)

コメント