【防災士が解説】災害ボランティア後に感じたこと・つらかったこと・よかったことを日記に書く意味|心を一人で抱え込まないためのセルフ整理法

災害ボランティアのあと、帰宅してからも頭の中が落ち着かず、「現場の場面が何度も浮かぶ」「うまく言葉にできない」「でも誰かに長く話す気力もない」と感じることがあります。こういう時に役立ちやすいのが、感じたことを短く書き出すことです。厚生労働省のこころの耳では、日記をつけて気持ちを整理してみるとよい数行でもよく、言葉にして表現すると少し距離がとれると案内しています。 oai_citation:0‡厚生労働省

また、日本赤十字社の災害ボランティア向け冊子では、仲間とよく話し合い、一人で抱えこまないことが大切とされています。つまり、災害ボランティア後の日記は「立派な記録を残すこと」ではなく、今の気持ちを自分の外に少し出して、抱え込みを弱めるための手段として考える方が現実的です。 oai_citation:1‡厚生労働省

■① まず結論として、日記を書く時に最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、うまく書くことより、今の気持ちに短く名前をつけることです。

災害ボランティアのあとに苦しくなりやすいのは、「何を感じているのか自分でも分からない」時です。だから最初からきれいな文章にしなくて大丈夫です。
つらかった
悔しかった
少し安心した
思ったより疲れた
このくらいでも十分意味があります。

元消防職員として感じるのは、被災地派遣のあとに崩れやすい人は「感情が弱い人」ではなく、「感じたことを自分の中に押し戻し続ける人」だという点です。私なら、日記では
まず感情を書く
次に場面を書く
最後によかったことを一つ書く
この順で整えます。

■② なぜ日記がセルフ整理に役立つのか

理由は、頭の中だけに置いている感情を、外に出して見える形にできるからです。

厚生労働省は、ネガティブな感情を抱え込んでいると、それを何とか追い出そうとしてかえって苦しくなる悪循環にはまりやすい一方、言葉にして表現すると少し距離がとれると説明しています。これは災害ボランティア後の気持ちにもかなり当てはまります。 oai_citation:2‡厚生労働省

被災地経験でも、「頭の中では重かったのに、書いてみたら少し整理できた」という感覚は珍しくありませんでした。だから、日記は答えを出すためというより、感情を抱え込む圧を少し下げるための道具として使う方が現実的です。

■③ 何を書けばいいのか分からない時はどうすればいいか

何を書けばいいか分からない時は、次の3つだけで十分です。

感じたこと
つらかったこと
よかったこと

今回の災害ボランティアのテーマそのままで大丈夫です。たとえば、
「暑さで思った以上に疲れた」
「うまく声をかけられず悔しかった」
「最後にありがとうと言ってもらえて少し救われた」
このくらいの短さでも意味があります。

私なら、「全部整理してから書く」ではなく、「整理できていないまま書く」方をすすめます。その方が今の気持ちに近いからです。

■④ どのくらいの長さで書けばいいのか

長さは、数行で十分です。

厚生労働省のこころの耳でも、日記は「さあ書こう」とかしこまらず、数行書くくらいでかまわないと案内しています。つまり、毎回しっかりした記録にしようとしなくて大丈夫です。 oai_citation:3‡厚生労働省

私なら、災害ボランティア後の日記は
3行でも合格
くらいで考えます。長く書けない日は、それだけ疲れている合図でもあるからです。

■⑤ どんなタイミングで書くのがいいのか

一番書きやすいのは、帰宅後の当日夜か、翌日の少し落ち着いた時間です。

活動直後で疲れ切っているなら無理にその日のうちにまとめなくて大丈夫です。ただ、何日も先送りすると、感じたことが頭の中で濁って残ることがあります。だから、短くても早めの方が整理しやすいです。

元消防職員としても、活動後は「全部回復してから振り返る」より、「少し熱が残っているうちに短く置いておく」方が後で役立つことが多いと感じます。

■⑥ 紙とスマホ、どちらがいいのか

どちらでも大丈夫です。大切なのは、自分が続けやすくて、少し安心して書ける方を選ぶことです。

紙の方が落ち着く人もいれば、スマホのメモの方が気軽な人もいます。手書きにこだわる必要も、立派なノートを作る必要もありません。

私なら、災害ボランティア後は「続く形」を優先します。続かない方法より、雑でも残る方法の方が現実的です。

■⑦ 書く時に気をつけたいことは何か

気をつけたいのは、自分を裁く文章にしすぎないことです。

たとえば、
「自分はダメだった」
「何もできなかった」
だけで終わると、自責感が強まりやすいです。だから、たとえ短くても、最後に
それでもできたこと
助かったこと
次に気をつけたいこと
のどれかを一つ添える方がバランスが取りやすいです。

被災地派遣のあとでも、「悔しさ」だけで終わるより、「それでも現場に行った」「一人には声をかけられた」と書けた方が、心は少し持ち直しやすかったです。

■⑧ 日記だけで抱え込まない方がいい時はどんな時か

次のような状態が続くなら、日記だけで抱え込まず、人にもつないだ方が安全です。

眠れない状態が続く
書くたびに苦しさが強くなる
強い罪悪感や無力感が抜けない
日常生活へ戻れない
涙が止まらない

日本赤十字社も、災害ボランティアは一人で抱えこまないことが大切としています。つまり、日記は有効ですが万能ではありません。私なら、「書けているから大丈夫」と決めつけず、長引くなら仲間や家族、専門相談にも広げます。 oai_citation:4‡厚生労働省

■⑨ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「うまく書こうとしすぎていないか」
「感じたこと・つらかったこと・よかったことの3つに分けられているか」
「数行でも外に出せているか」
「書いてもつらさが強いなら、人にもつなげられているか」

この4つが整理できれば、災害ボランティア後の日記を書くセルフ整理法としてはかなり現実的です。防災では、「完璧に整理すること」より「一人で抱え込まないこと」の方が大切です。

■⑩ まとめ

災害ボランティア後に、感じたこと・つらかったこと・よかったことを日記に書くセルフ整理法で大切なのは、数行でもいいので言葉にして外へ出し、感情と少し距離を取り、一人で抱え込まない形を作ることです。厚生労働省のこころの耳では、日記をつけて気持ちを整理することや、言葉にして表現すると少し距離がとれることが案内されています。日本赤十字社も、仲間と話し合い、一人で抱えこまないことが大切だと示しています。 oai_citation:5‡厚生労働省

私なら、災害ボランティア後に一番大事なのは「立派な記録を残すこと」ではなく「今の気持ちを数行でも外に出して、自分の中だけに閉じ込めないこと」だと伝えます。被災地でも、助かったのはきれいに整理できた人より、少しずつ外へ出せた人でした。だからこそ、まずは感情を書く、次につらかったことを書く、最後によかったことを一つ置く。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/share/text2.html(厚生労働省 こころの耳「セルフメンテで体調を維持:つらさを分かち合う」)

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