東日本大震災の支援に入った人の話を読むと、
「現場では平気だったのに、帰ってから眠れなくなった」
「被災地の光景が急によみがえった」
「助けに行ったはずなのに、自分の方が崩れてしまった気がした」
という声は少なくありません。
結論から言えば、東日本大震災の支援経験から学ぶべきことは、“強い人なら平気”ではなく、“支援者にも強いストレス反応は起こり得る”という前提で、事前・活動中・帰還後のケアを組むことです。
消防庁は、惨事ストレス反応として不眠、悪夢、フラッシュバック、注意力低下、いら立ちなどを挙げ、強いストレス反応が2日〜4週間続くものを急性ストレス障害(ASD)、1か月以上続くものをPTSDと整理しています。
また、東日本大震災後の救援者支援に関する研究では、危機状況下では救援者同士の相互支援や、派遣前後の心理教育が重要だと示されています。
防災士として率直に言えば、支援後のこころの不調は珍しいことではありません。
元消防職員として東日本大震災当時に東京で被災し、その後の災害対応や被災地派遣も経験して強く感じるのは、現場で気を張っている人ほど、帰ってから反応が出やすいということです。
だから、東日本大震災の教訓は「頑張れ」ではなく、支援者の心を守る仕組みを前提にすることだと考えた方が現実的です。
■① 東日本大震災の教訓は「支援者も傷つく」という事実を直視すること
災害時のこころのケアというと、被災者向けの話として受け取られやすいです。
でも、東日本大震災の経験からは、支援に入った側にも強い負荷がかかることがはっきりしています。
消防庁は、惨事ストレス反応として、
・不眠
・悪夢
・フラッシュバック
・注意力低下
・いら立ち
・抑うつ
などを挙げています。
つまり、支援後に眠れない、イライラする、現場が急によみがえるといった反応は、特別に弱い人だけの問題ではありません。
防災士として言えば、ここを最初に理解しておかないと、反応が出た時に
「自分は向いていないのでは」
「もっと強くないとだめだ」
と二重に苦しくなりやすいです。
■② 現場で平気でも、帰ってから崩れることがある
東日本大震災の支援経験から学ぶべき大きな点はここです。
支援中は役割があるので、人は意外と動けます。
でも、帰宅して日常に戻った瞬間に、
・眠れない
・食欲が落ちる
・何もやる気が出ない
・家族に強く当たる
・仕事で集中できない
といった反応が出ることがあります。
元消防職員として率直に言えば、現場でしっかり動けた人ほど、「自分は大丈夫だった」と思いやすいです。
でも実際には、強い緊張の反動が後から出ることがあります。
東日本大震災の教訓として大切なのは、現場で平気だったことを、回復の証拠にしすぎないことです。
■③ “助けられなかった感覚”が長く残ることがある
支援後につらさが残る理由は、悲惨な光景だけではありません。
むしろ支援者を長く苦しめやすいのは、
「もっと何かできたのでは」
「助けたいのに限界があった」
という無力感です。
東日本大震災のような大規模災害では、支援が必要な人の数に対して、自分にできることは限られます。
その現実が、後からじわじわ効いてきます。
防災士として言えば、支援者の心を守るには、
全部を背負わないこと
がかなり重要です。
元消防職員としても、現場経験の中で一番危ないのは、責任感の強い人が「自分の不足」として抱え込むことだと感じます。
■④ 東日本大震災後の教訓では「相互支援」がかなり重要
東日本大震災後の救援者研究では、危機状況下における相互支援が重視されています。
つまり、支援者同士が互いの変化に気づき、支え合うことが、ストレス緩和に役立つという考え方です。
これはかなり現実的です。
支援後に一番危ないのは、一人で整理しようとすることです。
たとえば、
・活動後に短く振り返る
・「最近眠れてる?」と声をかける
・しんどさを言葉にできる空気を作る
・帰還後も連絡が取れるようにする
といったことです。
防災士として率直に言えば、東日本大震災の教訓は、支援者の心を守る方法は特別な技術より、つながりを切らないことにかなりある、ということです。
■⑤ PTSDを防ぐには“事前の心構え”がかなり大きい
消防庁は、強いストレス反応が2日〜4週間続くものをASD、1か月以上続くものをPTSDと整理しています。
ここで大切なのは、PTSDという言葉を怖がることではありません。
むしろ、長引かせないために何をするかです。
東日本大震災の教訓として強いのは、
・支援者にも反応が出ると知る
・不眠や悪夢、いら立ちがサインだと知る
・帰還後の予定を詰め込みすぎない
・早めに話せる相手を決める
・必要なら専門家につなぐ
という、かなり基本的なことです。
防災士として言えば、PTSD予防は「強くなる訓練」ではなく、
反応を早く見つけて、早く整えること
の方が現実的です。
■⑥ “体験談”から学ぶべきなのは、ドラマ性より反応のパターン
東日本大震災の体験談を読む時に大切なのは、重い話そのものに引っ張られすぎないことです。
本当に学ぶべきなのは、そこに共通する反応のパターンです。
よく見られるのは、
・現場では平気
・帰ってから不眠
・少し遅れてイライラや無気力
・現場の再体験
・人と距離を取りたくなる
といった流れです。
元消防職員として率直に言えば、体験談を読む目的は「こんなに大変だった」と圧倒されることではありません。
自分や仲間に同じような反応が出た時に、早く気づけるようになること
の方が大切です。
■⑦ 現場経験から見ても、“帰還後1週間・1か月”がかなり大事
支援者のケアで現実的に重要なのは、帰還後の時間です。
特に、
・最初の1週間
・1か月後
は大きな節目です。
この時期に、
・眠れているか
・食べられているか
・感情が荒れていないか
・集中できるか
・現場が急によみがえらないか
を見ておくことがかなり大事です。
防災士として言えば、東日本大震災の教訓を今に活かすなら、
支援は現地で終わりではなく、帰還後のフォローまで含めて一つ
と考える方がいいです。
■⑧ まとめ
東日本大震災の支援経験から学ぶべきことは、支援者にも不眠、悪夢、フラッシュバック、いら立ち、無力感といった強いストレス反応が起こり得るという前提で、事前・活動中・帰還後のケアを組むことです。
消防庁は、強いストレス反応として不眠、悪夢、フラッシュバック、注意力低下、いら立ちなどを挙げ、2日〜4週間続くものをASD、1か月以上続くものをPTSDと整理しています。
また、東日本大震災後の救援者研究では、危機状況下では救援者同士の相互支援や心理教育の重要性が示されています。
防災士として強く言えるのは、東日本大震災の教訓は「支援者は我慢すべき」ではなく、
支援者も反応することを前提に、早く気づき、つながり、整えるべき
ということです。
迷ったら、まずは
・眠れているか
・食べられているか
・イライラや無気力が強くないか
・一人で抱えていないか
を確認する。
それが一番現実的なケア術です。

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