災害ボランティアから帰ってきたあと、
「これくらいで相談していいのか」
「もう少し様子を見た方がいいのでは」
「どこに相談すればいいか分からない」
と迷う人は少なくありません。
結論から言えば、災害ボランティア後の不調は“限界まで我慢してから相談するもの”ではなく、“迷った時点で相談先を持っておくこと”が現実的な対策です。
日本赤十字社は、こころのケア活動において、早期に支援へつなぐことを重視しています。
厚生労働省も、災害後の精神保健では、専門機関や相談窓口へのアクセスを確保する重要性を示しています。
防災士として率直に言えば、災害支援後に崩れやすい人ほど、
「まだ大丈夫」
「自分で何とかできる」
と判断を先送りにしがちです。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、相談のタイミングが遅れて長引くケースは珍しくありません。
だから、相談は“最後の手段”ではなく、早めに使える選択肢として持っておく方がいいです。
■① まず前提として「相談=重症」ではない
ここが一番誤解されやすいポイントです。
多くの人が、
・眠れなくなったら相談する
・日常生活に支障が出たら相談する
・限界になったら相談する
と思っています。
でも、日本赤十字社や厚生労働省の考え方は違います。
早期に状態を把握し、必要な支援につなぐことが重要とされています。
防災士として言えば、相談は「壊れた後の対応」ではなく、
壊れないための行動です。
■② 相談すべきか迷う時の判断基準
次のような状態があれば、相談を考えていいタイミングです。
・眠りにくい、途中で起きる
・食欲が落ちている
・イライラや無気力が続く
・現場のことが頭に浮かぶ
・集中できない
・人と会うのがしんどい
これらは消防庁が示す惨事ストレス反応とも重なります。
防災士として率直に言えば、「まだ動けるから大丈夫」は判断基準として弱いです。
むしろ、
普段と違う状態が続いているか
で見た方が現実的です。
■③ 相談先①|一緒に活動した仲間・団体
最初の相談先として一番現実的なのは、
一緒に活動した仲間や所属団体です。
理由はシンプルで、
・状況を説明しやすい
・理解が早い
・同じ体験をしている
からです。
元消防職員として率直に言えば、同じ現場を見た人との会話は、
「説明の負担」がかなり減ります。
まずは、
「最近少ししんどい」
と一言共有するだけでも十分です。
■④ 相談先②|ボランティアセンター・支援団体
災害ボランティアセンターや支援団体には、
相談窓口やフォロー体制がある場合があります。
日本赤十字社のように、こころのケア活動を行っている団体もあります。
こうした場所は、
・支援者側の不調を想定している
・専門家につなぐルートがある
という点で安心感があります。
防災士として言えば、こうした窓口は
「支援する人を支える仕組み」として存在しています。
■⑤ 相談先③|地域の相談窓口・公的機関
少し広げると、
・保健所
・精神保健福祉センター
・自治体の相談窓口
なども選択肢になります。
厚生労働省は、災害時の精神保健活動で、地域の支援体制を活用することを示しています。
防災士として率直に言えば、「病院に行くほどではない」と感じる段階でも、
こうした窓口はかなり使いやすいです。
■⑥ 相談先④|医療機関(心療内科・精神科)
次のような状態がある場合は、医療機関も検討した方がいいです。
・1週間以上眠れない
・悪夢やフラッシュバックが強い
・食欲が大きく落ちている
・日常生活に支障が出ている
・気分の落ち込みが強い
厚生労働省も、必要に応じて専門的な医療につなぐことの重要性を示しています。
防災士として強く言えるのは、医療機関は
「限界の人が行く場所」ではなく、「回復を早める場所」です。
■⑦ 相談をためらう人に多い“誤解”
相談を遅らせる原因として多いのが、次の考え方です。
・自分より大変な人がいる
・これくらいで相談するのは甘え
・時間がたてば治るはず
・迷惑をかけたくない
元消防職員として率直に言えば、これはかなり多いです。
でも実際は、こうした考え方が、
回復を遅らせる原因になります。
防災士として言えば、相談は比較ではなく、
自分の状態が戻っているかどうかで判断する方がいいです。
■⑧ 相談する時に伝えるポイント
相談が初めての人は、何を話せばいいか迷うことがあります。
その時は、
・眠れているか
・食べられているか
・気分の状態
・困っていること
だけで十分です。
長く説明する必要はありません。
むしろ、
今の状態をシンプルに伝える方が伝わりやすいです。
■⑨ まとめ
災害ボランティア後の不調は、限界まで我慢するものではなく、迷った時点で相談先を持っておくことが現実的な対策です。
日本赤十字社は、こころのケア活動において早期の支援につなぐことを重視し、
厚生労働省も、災害後の精神保健では相談窓口や専門機関へのアクセスの重要性を示しています。
防災士として強く言えるのは、相談は「弱さ」ではなく、
回復を早めるための判断行動だということです。
迷ったら、
・普段と違う状態が続いているか
・戻ってきているか
この2つを基準に見て、
早めに誰かにつながる。
それが一番現実的です。

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