【防災士が解説】首都直下型地震が発生したら何が起きるのか?|“その日の東京”を想像して行動準備を

30年以内に70%
そう言われ続けている 首都直下型地震(M7クラス)

東京23区の地下直下で大きな地震が起きた場合、
被害は「想像を超えるレベル」になるとされています。

私は防災士として災害派遣も経験してきましたが、
“首都直下”はこれまでのどの災害とも別物です。
ここでは、その危険性と今できる対策をわかりやすくまとめます。


■ 首都直下型地震とは?

主に以下の震源が想定されています:

● 東京湾北部地震
● 多摩地域の活断層地震
● 東京直下M7級地震

位置が近いぶん、揺れが非常に強く、
震度6強〜7が都心に直撃する可能性 があります。


■ 首都直下地震がもたらす“現実”


① 都心での火災が同時多発

木造密集地では一斉出火。
風向きによっては東京の広範囲で延焼。

火災こそが最大の死因になる可能性が高い。


② 建物倒壊・家具転倒が大量発生

昭和の建物や古い木造は特に危険。
家具転倒によるケガ・圧死も多発する。


③ 電車はすべてストップ

● 在来線
● 地下鉄
● 新幹線

停止 → 再開まで数時間〜半日以上かかる想定。


④ 帰宅困難者が“数百万人”発生

駅前は人で溢れ、動けなくなる。
道路も渋滞・倒壊で歩けなくなる地域がある。


⑤ スマホ・ネットがつながらない

回線混雑で連絡は困難。
パンク状態が数時間続く可能性。


⑥ ライフライン停止

● 停電
● 断水
● 都市ガス停止
● エレベーター停止

超高層ビルは上階ほど生活困難になる。


⑦ コンビニ・スーパーが営業不可

● 停電
● 在庫散乱
● 交通停止で物流途絶

数日間、物資不足の可能性。


■ 最も危険なのは「地震当日の夜」

理由は3つ:

● 火災が拡大
● 停電で真っ暗
● 避難が難しい

“夜の都市災害”は最も死亡率が高くなる傾向があります。


■ 首都直下型地震で特に危険な地域

● 木密地域(木造密集地)
● 下町エリア(延焼リスク大)
● 埋立地(液状化)
● 沿岸部(津波・高潮)
● 橋周辺(交通寸断)

リスクは場所によって全く違います。


■ 命を守るための具体的な行動


① 家の家具固定は“最優先”

実は死亡原因の多くが 家具転倒
棚・テレビ・食器棚は必ず固定。


② 感震ブレーカーをつける

地震直後の火災を防ぐ最強アイテム。


③ 自宅で“1週間”生活できる備蓄を

都心では援助が遅れる可能性が高い。
最低でも水・食料・トイレ・充電手段は必須。


④ 帰宅困難を前提に “歩いて帰れる靴” を職場に置く

パンプス・革靴では絶対に帰れません。


⑤ 家族との安否連絡は「紙」で

スマホはつながらない前提で
● 災害伝言ダイヤル
● 家族集合場所
● ルートを書いたカード
を家族に配っておく。


■ 職場・学校で起きること

● エレベーター停止
● 机・ロッカーの転倒
● 職場に泊まる可能性
● 洗面道具や衛生用品不足
● トイレが使えなくなる

“3日間は帰れない”と考えて準備しておく。


■ マンション住まいのリスクと対策


● 停電

エレベーター停止が最大の問題。


● 断水

上層階に水は届かず、トイレが使えない。

トイレ袋の備蓄は絶対必須。


● 長周期地震動

高層階ほど揺れが長く、家具が大きく動く。


■ まとめ

首都直下型地震は、
“日本で最も発生確率が高く、最も被害が大きい地震” です。

● 火災の多発
● 帰宅困難
● ライフライン停止
● 都市機能の麻痺
● 救助・支援の遅れ

これらが同時に起きる極めて厳しい災害。

その中で命を守るには、
「今日から準備しておくこと」 がすべてです。

家具固定・備蓄・避難ルート・家族ルール——
できることを1つずつ積み重ねれば、
首都直下が起きても生き抜く確率は大きく上がります。

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