富士山は「いつ噴火してもおかしくない活火山」。
最後の噴火(宝永噴火)は約300年前。
専門家は “静穏期間が長いほど噴火リスクは高まる” と指摘しています。
もし富士山が噴火した場合、
地震とは全く違うタイプの広域災害 となり、
首都圏の交通・物流・生活に甚大な影響が出ます。
防災士の視点から「富士山噴火の被害想定」をわかりやすくまとめます。
■ 富士山噴火が起こす主な災害
① 火山灰(都市機能の停止)
これが最大の脅威。
● 首都圏に数センチ〜数十センチ堆積
● 電車・空港が全面ストップ
● 車がスリップ・エンジン故障
● ソーラーパネル全滅
● 浄水場が機能停止
● 停電の可能性大
“たった数センチの火山灰” で都市は完全に麻痺します。
② 火山礫(石・岩)
山麓〜中腹に落下する危険物。
登山者・観光地・周辺集落では大きな被害の可能性。
③ 火砕流(山体崩壊の可能性)
富士山の斜面では火砕流・溶岩流の危険性も。
ただし火砕流は山麓中心で、
首都圏に直接届く可能性は低い。
④ 溶岩流(進みは遅い)
時速1〜数kmで流れるため、避難は可能だが建物は焼失。
⑤ 噴煙による大気汚染(呼吸器への影響)
火山灰はガラス片のように鋭く、
吸い込むと肺・喉に深刻なダメージを与える。
■ 首都圏の被害想定(最悪ケース)
● 電車がほぼ全線停止
火山灰で
・レールが滑る
・ポイント故障
・視界不良
が発生。
● 高速道路・一般道が通行不能
アスファルトが滑り、車が制御不能。
さらにエンジンに灰が入り故障する。
● 羽田・成田を含む空港閉鎖
視界不良・灰の吸い込みで飛行機が飛べない。
● 自転車・バイクも危険
タイヤが滑る+呼吸が苦しくなる。
● 水道が使えなくなる可能性
浄水場のフィルターが灰で詰まる。
● 停電リスク
火山灰により変電設備がショート。
● 物流止まり、スーパーが空になる
道路・空港・鉄道の全滅で物流遮断。
● マスク・ゴーグルが必須
灰の吸入は極めて危険。
通常の不織布マスクでは防げず、N95レベルが必要。
■ 富士山周辺(山梨・静岡)の被害
● 火山灰50cm以上
● 火山礫の直撃
● 溶岩流の被害
● 河川堆積で洪水リスク増大
● 住宅・田畑への甚大な被害
特に山梨県側は灰の堆積で屋根が潰れる可能性が高い。
■ 東海〜関西方面も被害を受ける
風向きによっては
● 名古屋
● 大阪
● 京都
にも火山灰が降ります。
飛行機・鉄道が止まり、
経済が全国規模で混乱。
■ 富士山噴火に備える“現実的な対策”
① N95マスク・ゴーグルを常備
火山灰はガラス片。
普通のマスクでは肺に入る危険あり。
② 室内に灰を入れない対策
・目張りテープ
・空気清浄機のフィルター
・窓を開けない
・玄関に新聞紙を敷く
・換気扇は当面停止
③ 1〜2週間の備蓄
物流停止を前提に準備。
● 水
● 食料
● トイレ
● ウェットティッシュ
● カセットガス
● ポリ袋
● バッテリー
④ 外出制限を前提にしておく
灰の堆積時は外出自体が危険。
⑤ 交通完全停止への備え
徒歩・自転車も危険になるため、
“会社に泊まる可能性” を想定。
⑥ 肺・呼吸器の弱い人は要注意
小児・高齢者・喘息持ちは
火山灰の吸入リスクが特に高い。
⑦ 洗濯物は絶対に外に干さない
灰で汚れ、布が傷む。
■ まとめ
富士山噴火は、
関東〜中部全体の都市機能を止める広域災害 です。
● 火山灰で交通麻痺
● 電車・空港・高速道路停止
● 断水・停電の可能性
● 物流停止
● 日常生活の継続が困難
火山灰対策こそが最大のカギであり、
N95マスク・ゴーグル・目張り・備蓄が命を守ります。
「地震とは別物の災害」だと理解し、
今日から準備を始めることが最重要です。

コメント