◆はじめに
大地震で亡くなる方の多くは、建物倒壊だけでなく
家具・家電の転倒・落下・移動 が原因です。
元消防職員・防災士として現場を見てきた経験から断言します。
家具対策は「命の対策」です。
今回は、すぐにできる転倒防止のポイントを
家庭向けにわかりやすくまとめました。
① 家具の高さを“自分の肩より下”にそろえる
転倒リスクは高さに比例します。
ポイント
- 肩より上の棚は一番危険
- 背の高い家具は“倒れる方向”に人がいると致命的
- 子ども部屋は特に注意
背の高い家具は 固定する or 捨てる or 位置を変える の3択。
② L字金具・ベルト・突っ張り棒を組み合わせる
固定グッズは1つより2つの方が圧倒的に強い。
最強の組み合わせ例
- L字金具(最強)+ ベルト
- ベルト + 下部ストッパー
- L字金具 + 突っ張り棒(揺れの方向が違うため効果が高い)
突っ張り棒だけは不十分。
“2種類以上”が鉄則。
③ ガラスには飛散防止フィルム
地震で最もケガが多いのが ガラス片。
対策ポイント
- 食器棚のガラス扉に必ず貼る
- 窓ガラスにも貼っておくと安心
- フィルムは「地震用」「防犯用」のどちらでもOK
ガラス対策は、子どもや高齢者がいる家庭では必須。
④ 冷蔵庫・テレビこそ固定すべき
実は、倒れてくると最も危険なのが冷蔵庫・テレビ。
冷蔵庫
- 重量があり、倒れると大ケガ
- ベルト固定が最も効果的
- 下に滑り止めを置くとさらに安定
テレビ
- 画面割れ→飛散→ケガの原因
- 耐震ベルト or 固定スタンドが有効
「重いから倒れない」は完全な誤解。
⑤ 家具配置で“安全動線”を作る
避難の妨げになる家具は撤去・位置変更を。
ポイント
- 通路に家具を置かない
- 寝室は最も安全な部屋に
- ベッド周りは落下物のない配置を徹底
- 枕元の棚は危険(必ず撤去するレベル)
避難経路がふさがれると、
火災時・余震時の“逃げ遅れ”につながります。
◆まとめ
家具の転倒防止は「大地震の被害を7割減らす」と言われるほど重要です。
今日からできる5つの対策
- 家具は肩より下の高さに
- 固定グッズは2種類以上で組み合わせる
- ガラスに飛散防止フィルム
- 冷蔵庫・テレビを固定する
- 安全な動線になる家具配置にする
安全な家づくりは、
“家具の位置”を変えるだけで大きく変わります。

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