【防災士が解説】低体温症の危険がある“寒冷災害”での初動対応5つ

停電・断水・寒波が重なる冬に必ず押さえるべき行動

冬の災害は 「寒さが命を奪うスピード」 が非常に速いのが特徴。
特に、停電・断水・大雪・寒波が重なると、わずか数時間で低体温症に陥る危険があります。
元消防職員・防災士として、寒冷災害で最初に取るべき行動を5つに厳選しました。


■ 1. 【体温の“逃げ道”をふさぐ】まずは防寒強化

低体温症は、災害発生直後の “数十分” から始まります。

  • 窓のすき間をタオル・段ボールで塞ぐ
  • カーテンを閉じる
  • 上着を1枚追加
  • 靴下+スリッパで足裏の冷えを防ぐ
  • 帽子で頭部の熱損失を防ぐ

寒さは「足→指先→頭」の順に奪われます。


■ 2. 【暖房器具の安全確認】停電時・復電時ともに危険

暖房器具は“使えないときのリスク”と“再通電時のリスク”の両方があります。

  • 電気ストーブ・エアコンのスイッチをオフ
  • カセットコンロ(換気必須)
  • 石油ストーブ(CO警報器は必須)
  • 炎が上がるタイプは寝る前に必ず消す

復電時の 通電火災 による事案は毎年発生しています。


■ 3. 【飲み物を確保】寒冷災害では“温かい飲み物”が命を守る

体温を維持するには水分とエネルギー

  • 飲み水を確保(温かい飲み物が理想)
  • カップスープ・味噌汁は低体温症予防に有効
  • 甘いもの(チョコ・羊羹)は体温維持に役立つ

「寒さで喉が渇かず脱水」が最も気づきにくいポイントです。


■ 4. 【雪・道路状況の変化を確認】避難のタイミングを見誤らない

雪災害は「数時間で状況が激変」するのが特徴。

  • 車は動かさない(スタック→低体温症の危険)
  • 外出は控え、窓から状況確認
  • 除雪作業は無理をしない
  • 玄関の開閉ができるかもチェック

避難が必要な場合、早い時間帯に判断するのが鉄則


■ 5. 【家族の低体温症サインを観察】特に子ども・高齢者は要注意

寒冷災害での被害は「体調変化に気づかないこと」が最も危険。

  • 手足が冷たい
  • 顔色が青白い
  • 歩き方がふらつく
  • 返答が遅い・眠りたがる
  • 震えが止まらない

1つでも当てはまる場合は、毛布・カイロで速やかに体を温める。


■ 【まとめ】

寒冷災害は、体温を維持できるかが最大のポイント。

  1. まずは防寒強化
  2. 暖房器具を安全に管理
  3. 水分とエネルギーを確保
  4. 雪状況の変化に注意
  5. 低体温症サインを見逃さない

この5つができれば、寒波・停電・断水が重なる最悪の状況でも命を守れます。


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