複合災害の最初の10分で命を守る行動
地震・豪雨・雷・倒木などによって
「停電」「断水」「通信障害」 が同時に起こるケースが増えています。
元消防職員・防災士として、複合災害の現場で実際に起こった状況をもとに
“最初の10分で必ず取るべき初動行動” をまとめます。
■ 1. 【まずは“身の安全”を確保】暗闇はケガの元
停電・断水・通信障害の同時発生は、建物被害のサインである可能性が高い。
- 急に動かない
- 子ども・高齢者の位置を声で確認
- スマホライトは一時的に(バッテリー節約)
- 足元に破片がないか確認
暗闇では“転倒=大ケガ”で動けなくなるリスクが上がります。
■ 2. 【水と電気の状況を最低限チェック】火災・漏水を防ぐ
複合災害では“二次災害”の発生率が高い。
- ブレーカーを確認(焦げ臭さがあれば避難)
- ガスの匂いがないか
- 水道は完全断水か、一部だけか
- 家電の電源を全部切る
停電復旧時の 通電火災 は現場で非常に多い初動トラブルです。
■ 3. 【水を確保】断水が長期化する前提で動く
複合災害では復旧が遅れます。
- お風呂に水を張る
- 生活用水と飲み水を区別
- ペットボトルの水を集める
- タンクに残っているトイレの水は最初の数回使える
「10分以内にやる水対策」は後で大きな差になります。
■ 4. 【通信が死んでいる時の“家族連絡ルール”を実行】
通信障害は災害時に必ず起こる現象。
- 災害用伝言ダイヤル(171)
- LINEや電話はつながりにくい
- 家族の集合場所を事前に決めておく
- スマホのバッテリーは節約モードへ
※ 電波が弱くなるとスマホは電力を多く消費するため
突然バッテリーが急減 します。
■ 5. 【避難判断】“複合災害=危険が重なっている”と考える
停電・断水・通信障害が同時に起きている時は、
建物か周囲に重大な異常がある可能性が高い。
以下の条件がそろうと避難優先:
- 建物に大きな揺れやひび割れ
- 河川近くで豪雨が続いている
- ガス臭がする
- 周りの家も停電している
- 煙が見える・焦げ臭い
避難は “早め・迷ったら行動” が原則。
■ 【まとめ】
停電・断水・通信障害の同時発生は「複合災害」。
最初の10分で行動を間違えなければ、リスクは大幅に下げられます。
- まずは暗闇で安全確保
- ブレーカー・ガス・家電を確認
- 水を確保(生活用水と飲み水)
- 通信障害用の連絡ルールを実行
- 周囲に異常があれば早期避難
シンプルですが、どの災害でも確実に命を守る行動です。

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