副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)は、
普段はコントロールできていても 災害時に一気に悪化しやすい病気 のひとつです。
理由は明確で、
「環境の変化 × 衛生悪化 × 休息不足」が同時に起こるため。
ここでは、副鼻腔炎の人が災害時に注意すべきポイントと
日頃からの備えをまとめます。
■ なぜ災害時に副鼻腔炎は悪化するのか?
● ① ホコリ・カビ・花粉が多い環境になる
倒壊家屋、避難所、多数の人がいる空間では
空気中の微粒子が増え、鼻粘膜が炎症を起こしやすい。
● ② 生活リズムの崩れ・睡眠不足
免疫が落ちることで炎症が長引きやすくなる。
● ③ 十分な洗顔・鼻うがいができない
衛生環境が悪化し、
鼻腔内の菌が増えやすい状態になる。
● ④ 乾燥によって粘膜が弱る
避難所は空気が乾燥しがちで、
副鼻腔炎の症状(頭痛・鼻づまり・違和感)が悪化する。
■ 副鼻腔炎持ちの人が“災害前”に準備すべきもの
● ① 常備薬のストック(最低 1〜2 週間分)
- 抗生物質(医師処方)
- ステロイド点鼻薬
- 抗アレルギー薬
- 痛み止め
※ いつ災害が起きても中断しない備えが必須。
● ② 鼻うがいセット
水と塩があれば簡易的にも作れるが、
市販のキットがストレスが少なく確実。
● ③ マスク(不織布の質が高いもの)
粉じん対策として N95 代替レベル の密閉性が理想。
● ④ 保湿グッズ
- ワセリン
- マスク内に入れる湿らせフィルター
- 携帯加湿器
- 生理食塩水スプレー
乾燥予防がもっとも重要。
■ 災害時(避難中・避難所)にやるべきこと
● ① 可能な範囲で“鼻うがい・洗顔”
清潔を保つだけで炎症の広がりを抑えられる。
● ② ホコリを避けるポジションに移動
入口・通路付近はホコリが舞いやすい。
できるだけ 壁側の落ち着いた場所 へ。
● ③ マスクを常に着用(交換頻度も大事)
湿気と清潔をキープできるよう
汚れたらすぐ替える。
● ④ 体を冷やさない・休息を確保
副鼻腔炎は 体調の悪化=症状の悪化。
睡眠と保温がそのまま治療になる。
● ⑤ 同じ症状の人や医療班に相談
災害時でも避難所には医療スタッフがいることが多い。
症状が重い場合は必ず相談。
■ “在宅避難”の方が良い場合もある
もし安全確保が可能で、
自宅に以下があるなら在宅避難が有利。
- 加湿器
- 常備薬
- 鼻うがいセット
- 空気清浄機
- 生活スペースが広い
鼻炎・副鼻腔炎の人は
「快適な空気環境=治療」 になるため、
在宅避難ができる場合は積極的に選びたい。
■ もし医療が途切れたら?(応急的な対処)
- 蒸しタオルで鼻と頬を温める
- 十分な水分補給
- 頭痛が強い時は市販の鎮痛剤を使用
- 上半身を少し起こして寝る
- 換気をしつつ乾燥を抑える
簡易的な対策でも症状をかなり和らげられます。
■ まとめ
副鼻腔炎は、災害時に“確実に悪化しやすい疾患”のひとつ。
だからこそ、
- 常備薬のストック
- 鼻うがいの準備
- マスクと保湿
- 在宅避難の選択肢
- 早めの医療相談
これらを意識するだけで、
避難生活を安全で快適に過ごすことができます。
副鼻腔炎は「鼻の病気」ですが、
災害時には 生活全体の耐久力にも直結 します。
日頃から準備しておくことが、あなた自身を守る最大の防災です。

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