【防災士が解説】カラフト沖地震とは?|北海道沿岸に迫る“巨大津波の脅威”と今に生きる教訓

日本の北に位置するサハリン(樺太)周辺では、過去に巨大地震が複数起きています。
その中でも特に注意すべきが 「カラフト沖地震」 と呼ばれる一連の地震帯です。

北海道北部は、南海トラフや首都直下とは別の“北の巨大津波リスク”を抱えており、
住民だけでなく旅行者・釣り客・港湾利用者にも関係する重要な防災テーマです。

ここでは、防災士として
カラフト沖地震の特徴・被害想定・北海道沿岸への影響・具体的な対策
をわかりやすく解説します。


■ カラフト沖地震とは?

カラフト(樺太)東側の海域は、
ユーラシアプレートとオホーツクプレートが複雑にせめぎ合う“活発な地震帯”。

この付近では、
● M7〜M8級の大地震
● 大きな津波
を引き起こす可能性が高い海域とされています。

代表的なものは:

● 1918年 カラフト沖地震(M7.9)
● 1924年 カラフト沖地震(M8クラス)
● 1952年 カラフト地震(M7級)

いずれも“北海道沿岸に津波”の被害をもたらした歴史があります。


■ カラフト沖地震で何が起きたのか?

● 北海道北部・オホーツク海沿岸に津波到達
● 一部で3〜6m級の津波被害
● 海岸集落に浸水・破壊
● 漁港・船舶・倉庫が流失
● 冬季は避難が困難で被害増大
● 津波は“地震から短時間で到達”

当時は気象情報が不十分で、
「地震後に海を見に行った人」が被害に巻き込まれるケースが多発しました。


■ 北海道で特に危険な地域

カラフト沖で大地震が発生すると、
北海道北部の以下の地域が“数十分以内”に津波に襲われる可能性があります。

● 稚内市(宗谷)
● 枝幸町
● 浜頓別町
● 猿払村
● 網走・斜里などオホーツク沿岸
● 利尻・礼文島

地震発生から到達までが早いため、
「揺れたら即避難」 がルールです。


■ 最大の脅威は“冬の津波”

カラフト沖地震は冬季に発生するケースも多く、
雪・氷・暴風雪の中での避難は非常に危険。

● 路面凍結
● ホワイトアウト
● 気温の低下で低体温リスク
● 海沿いの車道が封鎖

「地震+雪+津波」
という最悪の組み合わせになる可能性があります。


■ もしカラフト沖地震が起きたら?


① 揺れが小さくても必ず津波を想定

震源が遠いため、北海道では
“揺れより津波のほうが大きい” パターンがあります。


② 海を見に行かない

冬場は視界が悪く、津波が近づくのが遅れて見えるため特に危険。


③ 車で海沿いに近づかない

道路が浸水すると、車はわずか30cmの水深で流されます。


④ とにかく“高台”へ避難

平地が多い地域は命の危険が高い。
丘・堤防・建物の高層階へ。


⑤ 道路が凍結している場合は徒歩が最適

車はスリップ・渋滞・動けなくなる可能性大。


■ 自宅でできる備え

● 津波ハザードマップの確認
● 海からどれくらい距離があるか家族で共有
● 冬用の避難装備(手袋・靴・ライト)
● 非常用持ち出し袋は“車内にも”準備
● 携帯トイレ・水・カイロを常備

特にオホーツク沿岸の住民は“津波避難の訓練”が効果的です。


■ まとめ

カラフト沖地震は、
北海道沿岸に大きな津波をもたらす可能性がある北の巨大災害

● 揺れが小さくても津波は来る
● 冬季は逃げ遅れやすい
● 海に近い地域は秒単位の判断が必要
● 過去にも3〜6m級の津波被害
● 高台避難が最優先

北海道に住む人も、旅行で訪れる人も、
「北の津波リスク」を知っておくだけで助かる確率は大きく上がります。

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