【防災士が解説】“災害時の生理用品問題”は想像以上のストレス|生理中の衛生・におい・痛みを守るための現実的対策

災害時、断水・停電・避難生活で女性が直面する大きな課題が「生理用品」問題。
水が使えない、トイレが汚い、替える場所がない──生理中の負担は環境が悪いほど一気に跳ね上がります。ここでは、防災士として避難所支援の現場で重要視される“生理中の防災対策”をまとめます。

■災害時、生理中に起こる主な問題
・トイレが不衛生
・交換場所が確保できない
・手が洗えない
・においが気になる
・捨てる場所がない
・生理痛が悪化
・睡眠が浅くなる
・ストレスで周期が乱れる

これは“女性だけが我慢する問題”ではなく、家族全体で理解が必要です。

■生理用品の種類別メリット・デメリット
① ナプキン
・○ 手軽で使いやすい
・× 使用後ゴミが増える
・× 交換場所が必要

② タンポン
・○ 動きやすい
・○ においに強い
・× 手洗いできない環境では不向き

③ 月経カップ
・○ ゴミが出ない
・○ 長時間使用できる
・× 断水時の洗浄が難しい

状況によって使い分けるのが理想。

■避難生活で最も安全な選択は?
ナプキン+こまめな交換 が現実的で安全。

水が使えない環境では「捨てやすさ」優先が最適です。

■交換時の衛生対策
・手指消毒を必ず使用
・替える前に新しいナプキンを準備
・使用済みは二重袋にして結ぶ
・手が洗えない場合はウェットティッシュで補助

感染症リスクを減らすために“手の清潔”が最優先。

■におい対策の工夫
・消臭袋
・新聞紙で包む
・ビニール袋を二重に
・トイレに放置しない

避難所では“においトラブル”がストレスの大部分を占めます。

■生理痛が悪化しやすい理由
・寒さ
・ストレス
・体が冷える寝具
・寝不足
・精神的負担

災害時は「生理痛が普段より重くなる」のが一般的。

■痛みを軽減する方法
・カイロでお腹・腰を温める
・温かい飲み物
・ストレッチ
・横向きで寝る
・体を締め付けない服を着る

温めることが最も効果的です。

■避難所での生理用品管理
・家族に1〜2パックは持たせる
・透明な袋は使わない(中身が見えない袋に)
・共有の場所に置かない
・夜間は交換しやすい位置で保管

プライバシーをしっかり守ることが大切。

■災害前に準備しておきたいセット
・ナプキン1〜2パック
・おりものシート
・ビニール袋(黒 or 半透明)
・消臭袋
・ウェットティッシュ
・カイロ
・生理痛薬
・下着の替え
・ポーチ

“災害用ポーチ”を1つ準備しておくだけで安心が大幅にアップ。

■まとめ
災害時の生理用品問題は、衛生面・メンタル面・プライバシーの全てに影響します。
断水で手洗いできない環境でも、生理用品のこまめな交換・二重袋での廃棄・消臭対策・体を温める工夫で、ストレスとトラブルは大幅に軽減できます。

生理中のケアは、“女性の身体を守る防災”として必須の知識です。

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