防災は「行政がやるもの」「専門家がやるもの」ではありません。
災害でいちばん大切なのは、
“地域のつながり”と“共同作業” です。
元消防職員・防災士として、
避難所・自治会・学校・行政など、
さまざまな現場で地域と動いてきた経験から、
「防災士が地域と協働すると何が変わるのか?」
を分かりやすくまとめます。
■ ① 防災士は“つなぐ役割”が一番の仕事
防災士の役割は、
● 専門知識を地域に伝える
● 行政と住民をつなぐ
● 防災を「自分ごと」にしてもらう
こと。
防災士一人でできることは限られますが、
地域の人と一緒に動けば、防災力は一気に高まります。
■ ② 地域と一緒に行う“防災の共同作業”とは?
防災士が中心となって地域と作る取り組みは、次のようなものがあります。
● ① 避難所の役割決め
・受付
・誘導
・情報伝達
・高齢者サポート
など、顔の見える関係で役割分担がスムーズになります。
● ② 防災マップの作成
地域の危険箇所は、地元の人が一番よく知っています。
防災士がまとめ役になり、情報を整理すると“使える地図”になります。
● ③ 手作り防災訓練
・初期消火訓練
・安否確認ごっこ
・避難所開設体験
・炊き出し訓練
訓練は「楽しく・参加しやすく」が成功のカギ。
● ④ 子ども・親子への防災教育
防災士が講師役になり、
● 火の扱い
● 地震の身を守る姿勢
● 遊びながら学べるワーク
などを実施すると、地域の防災文化が根づく。
● ⑤ 高齢者・要支援者の支援体制づくり
地域住民の声を聞きながら
● 誰がサポートするか
● どこへ避難するか
● 連絡方法
を一緒に考える。
防災士の存在が安心材料になる。
■ ③ “共同作業”が地域を強くする理由
● 理由① 「自分ごと化」される
「地域の人と作った仕組み」は
行政が作ったマニュアルより浸透します。
● 理由② 信頼関係が生まれる
災害時は「誰とつながっているか」が命を左右します。
顔が見える関係は、
・声の掛け合い
・情報共有
・助け合い
を自然に生む。
● 理由③ 持続しやすい
防災士が一人で背負うと長続きしません。
地域巻き込み型の取り組みは、何年も続く“仕組み”になります。
■ ④ 地域と協働するときのポイント(防災士向け)
● ① 上から教えない
防災士はあくまで“伴走者”。
押しつけると参加率が下がります。
● ② 地域の歴史・文化・事情を理解する
「その地域ならではの災害リスク」があり、
地元の人が持つ知識は最強のヒントです。
● ③ 小さな成功体験をつくる
・ゴミ拾い
・ハザードマップの配布
・月1回のミニ訓練
小さな活動でも十分に意味があります。
● ④ 悩んでいる人に寄り添う
防災の悩みは地域ごとに違います。
聞きながら一緒に進めるのが防災士の役割。
■ ⑤ 地域との共同作業で得られるもの
● 地域の絆
● 自分ごと化した防災文化
● 自助・共助が同時に強化
● 子どもから高齢者までの防災力向上
● 災害時の混乱が減る
● 防災士自身の信頼も高まる
防災士が地域と協働することで、
“災害に強い街の基礎”ができあがります。
■ まとめ:防災は「一人で守る時代」から「みんなで守る時代」へ
防災士の価値は、
知識や資格そのものではありません。
“地域をつなぎ、みんなで守る仕組みをつくること”
これこそが防災士の真の役割です。
地域の人と一緒に汗をかき、
共同作業で防災を育てていくことで、
あなたの街は確実に強くなります。
防災士の一歩が、
地域全体の安心に変わります。

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