【防災士が解説】春と秋に必ず行われる「火災予防運動」とは?── 季節ごとの火災リスクに備える全国的キャンペーン

毎年、3月(春)11月(秋)に全国で一斉に行われる
「火災予防運動」。
テレビ・広報車・学校・自治会など、あらゆる場所で実施される
“日本最大級の防火キャンペーン”です。

ここでは、防災士の視点で
「なぜ春と秋に行うのか?」「どんな活動が行われるのか?」
を分かりやすくまとめます。


■ ① 火災予防運動とは?

消防庁・自治体・消防本部・消防団などが連携して行う
全国的な防火啓発運動です。

目的はただ一つ。

火災を減らすための住民の防火意識向上

特に住宅火災が多い季節に合わせて行われています。


■ ② なぜ春(3月)と秋(11月)に行うのか?

この2つの時期は火災が増えやすい特徴があります。

● 空気が乾燥する
● 強風が多い
● 暖房器具の使用が増える(春は“しまい忘れ火災”が多い)
● 野焼き・焚き火による火災が発生しやすい

季節特有の火災リスクに合わせて、全国一斉で啓発が行われます。


■ ③ 実施される主な取り組み

火災予防運動では、地域全体を巻き込む様々な活動が行われます。

消防車による広報パトロール(火の用心)
幼稚園・小学校での防火教室
住宅用火災警報器の点検キャンペーン
飲食店・高齢者施設などの立入検査
消防団による夜間巡回(火の用心)
SNS・市役所・防災アプリでの注意喚起
地域イベントでの消防体験コーナー

街全体が“防火モード”になる大規模運動です。


■ ④ 最も力を入れている「住宅火災の防止」

火災で亡くなる方の多くが住宅火災によるもの。
そのため火災予防運動では住宅対策が最重要になります。

特に重要なのがこれ↓

住宅用火災警報器(煙感知器)の点検
(電池切れ・故障・未設置が非常に多い)

ストーブ・コンロの火の取り扱い注意
(調理中の“ながらスマホ火災”が急増)

高齢者世帯の見守り確認
(逃げ遅れ防止のため)

生活に直結する火災対策を重点的に呼びかけます。


■ ⑤ 住民がやるべき行動(春秋は点検のチャンス)

この時期に、家庭で最低限やっておくべきことはこちら。

● 火災警報器の「ボタン押し」で作動チェック
● 消火器の期限確認
● ストーブ周りに可燃物を置かない
● コンロの不在時消火を徹底
● 電源コード・タコ足配線の点検
● 灯油ストーブの“給油時火災”に注意
● ゴミ出し場所に可燃物を放置しない(放火防止)

10分の点検が、命を守ります。


■ まとめ

春と秋の火災予防運動は、
“季節特有の火災リスクに備える全国的な防火キャンペーン”です。

  1. 乾燥と強風の季節に火災が増えるため
  2. 住宅火災・放火・野焼き火災が特に多い
  3. 広報・巡回・教育・点検が全国で実施
  4. 火災警報器の点検が最重要課題
  5. 家庭の小さな注意が大きな被害を防ぐ

春と秋は、家庭の火災予防を見直す“ゴールデンタイミング”。
この習慣だけで、地域の火災は確実に減らせます。

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