【防災士が解説】道路が冠水した時の“初動対応5つ”

たった5cmの水深でも人は転び、30cmで車は浮く

道路冠水は、豪雨・台風・短時間強雨のどれでも起こり、
「見た目より危険」「経験者ほど油断」 が特徴です。
元消防職員・防災士として、九州北部豪雨支援や実際の水害対応経験から
“冠水発生時に必ず取るべき初動行動” をまとめました。


■ 1. 【外に出ない】“様子見”が最も多い死亡原因

冠水道路は深さが見えず、
マンホール・側溝が外れていることもあります。

  • 「ちょっと見に行く」は絶対NG
  • 道路の高さ・深さが錯覚しやすい
  • 夜間は特に危険が跳ね上がる

水の流れは人間の想像以上に強いです。


■ 2. 【車を動かさない】車は30cmで“ほぼ操作不能”

水深が浅くても危険は増大。

  • 10cm → ブレーキが効きにくい
  • 20cm → ドアの開閉困難
  • 30cm → ハンドル操作不能・エンジン停止
  • 50cm → 流される危険

自動車は“重いのに弱い”のが水害の特徴。


■ 3. 【浸水ルートを把握】家に水が入る“順番”を知る

冠水は 低いところから静かに入り込む

  • 玄関前の勾配
  • 側溝の位置
  • 駐車場の傾斜
  • 近くの川・用水路の状況

家がどこから浸かるのか“地形で予測”すると判断が速くなります。


■ 4. 【避難判断は早期】冠水は“ピークが分かりにくい”

冠水は、

  • 雨が弱まっても水位が下がらない
  • 上流の増水で逆流する
  • 深夜に急上昇する
    など、不規則な動きをします。

迷ったら安全側へ倒す。


■ 5. 【子ども・高齢者を外へ出さない】転倒→流されやすい

道路冠水では、
足を取られた瞬間に流される事故が多発 します。

  • 子どもは背が低く、流れに弱い
  • 高齢者は踏ん張れない
  • ペットも絶対に外に出さない

ひとたび転倒すると、自力で立ち上がれません。


■ 【まとめ】

道路冠水は「見に行く・動かす」が最も危険。
初動対応が生死を分けます。

  1. 外に出ない
  2. 車を動かさない
  3. 浸水ルートを把握
  4. 避難判断は早期
  5. 子ども・高齢者を外へ出さない

実際の水害現場で最も効果的だった行動を厳選しています。


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