【防災士が解説】大規模火災が“近所で発生した時”の初動対応5つ

延焼・煙・有毒ガス――火災は距離が命を分ける

自宅ではなく 近所で大きな火災が発生した時
「とりあえず様子を見る」「外に出る」――
この2つが最も危険です。

元消防職員・防災士として、現場での延焼・煙被害の経験から
“近所火災が起きた瞬間にやるべき初動行動” をまとめます。


■ 1. 【窓・雨戸を即閉める】煙は数十秒で屋内に侵入

火災の煙は 遠く離れていても家に入り込む ほど速い。

  • 窓を全部閉める
  • 雨戸・シャッターを閉める
  • 換気扇を止める
  • エアコンの外気取り込みモードをOFF

煙は視界奪取・有毒ガス・すす汚染の三重リスク。


■ 2. 【家族を屋内に集める】屋外は飛来物と煙が危険

火災現場付近は、

  • 火の粉
  • 飛び散る破片
  • 看板・ガラス落下
  • 熱風
  • 強烈な煙
    が発生します。

外に出ないことが最大の防御。


■ 3. 【出火方向・風向きを確認】延焼の可能性を予測

風向きと建物の距離が、延焼リスクを大きく左右します。

確認ポイント:

  • 風が自宅方向に向いているか
  • 火災建物までの距離
  • 密集地域かどうか
  • 高層ビル火災なら“火の粉の飛距離”が長い

風下に家がある場合、避難準備が必要。


■ 4. 【避難準備を整える】延焼の可能性がある場合すぐ動けるように

避難の基準は「煙・熱・火の粉が近づいてきたら」。

準備するもの:

  • スマホ
  • 財布
  • 貴重品
  • 靴(サンダル不可)
  • 火災現場と反対方向の避難ルート

延焼火災は進行が速く、
準備をしてから逃げるのでは遅い 場合があります。


■ 5. 【119番通報は“情報精度”を重視】消防への支援になる

すでに誰かが通報している可能性が高いですが、
通報は重複しても問題ありません。

伝える内容:

  • 住所
  • 建物の種類(木造・工場・マンションなど)
  • 火の勢い
  • 逃げ遅れの有無
  • 風向き

消防はこれらの情報で出動編成(台数・人員)を即決します。


■ 【まとめ】

近所の火災は“距離があっても危険”。
初動次第で自宅・家族の安全が決まります。

  1. 窓・雨戸を閉めて煙侵入を防ぐ
  2. 家族を屋内へ集める
  3. 風向き・出火方向を確認
  4. 延焼可能性がある場合は避難準備
  5. 119番通報で正確に状況を伝える

この5つが、近隣火災から命と家を守る最も実践的な行動です。


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