暗闇 × 寒さ × 揺れ の三重苦を乗り越える行動
冬の地震は、停電を伴うと 「寒さで体力が奪われる」「暗闇でケガしやすい」 という
二重の危険が同時に襲ってきます。
元消防職員・防災士として、寒冷災害・地震対応の経験から
“冬の停電+地震時に最優先でやるべき行動” をまとめました。
■ 1. 【まずは動かず“頭を守る”】暗闇での移動は危険
冬の夜は気温が低く、停電だと視界ゼロ。
- その場で低い姿勢
- 枕・クッションで頭部保護
- 家族に声掛けで位置確認
揺れの最中に動くと転倒・衝突・落下物で負傷しやすい。
■ 2. 【暖房器具を必ず確認】通電火災のリスクが高い
冬は暖房器具が多く、停電→復電で火災が起きやすい季節。
- 電気ストーブのスイッチOFF
- コタツの電源チェック
- 灯油ストーブの周りに可燃物がないか
- カセットコンロは換気必須
通電火災は震災時に多発する重大事故です。
■ 3. 【防寒確保】停電下では“体温の低下が命取り”
冬の停電は、10〜30分で体感温度が大きく下がる。
- 上着・毛布・寝袋
- 靴下を二重にする
- カーテンを閉めて熱が逃げるのを防ぐ
- 部屋を1箇所に集約(家族全員同じ部屋に)
寒さ対策の初動で“体力消耗”を大幅に抑えられます。
■ 4. 【出口の確保】建物のゆがみが最も危険
揺れが収まったら真っ先に行うべき行動。
- 玄関ドア
- ベランダ
- サッシ窓
冬の地震は余震が続く中、外壁の落下も起きやすいため
「避難できる経路」を確保しておくことが命を守ります。
■ 5. 【家族の体調チェック】寒さと恐怖は体力を奪う
冬の停電+地震は体温が奪われ、体調に変化が出やすい。
- 子ども:震え、顔色の変化
- 高齢者:返答が遅い、足元がふらつく
- 大人:寒さで手がかじかみ行動低下
1人でも体調不良が出たら避難所・車中など温かい場所へ移動。
■ 【まとめ】
冬の停電+地震は、暗闇・寒さ・余震の三重苦。
初動の5つを押さえることで二次被害を大きく減らせます。
- 揺れの最中は動かず頭を守る
- 通電火災を防ぐため暖房器具OFF
- 早めの防寒対策
- 出口の確保
- 家族の体調を常に確認
これが“冬の複合災害”で命を守る最も実践的な行動です。

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