【防災士が解説】住宅火災警報器が鳴った“瞬間”の初動対応

(元消防職員・防災士)

住宅用火災警報器は「誤作動より、命を守る警報」を優先した機器です。
鳴った瞬間に10秒以内で動くことが、生存率を大きく左右します。


■ 1. とにかく全員に「逃げろ!」と声をかける

火災の初動は“パニックで動けない”ことが最大の敵。

◎ 大声で知らせる

◎ 子ども・高齢者を呼ぶ

◎ ペットも抱えて移動開始

まずは全員を動かすことが最優先。


■ 2. 出火場所に向かわない(見に行かない)

確認に行く行為が“最も危険”。

◎ 炎に近づくのはNG

◎ 煙は吸った瞬間に意識喪失の危険

◎ 1分で部屋中が有毒ガス

火元を見に行く行為が命取りです。


■ 3. 低い姿勢で避難開始

煙は上に溜まるため、まず姿勢を低くする。

◎ 四つん這い

◎ ほふく前進

◎ 口元を布で覆う

“煙を吸わない行動”が最優先。


■ 4. ドアは手の甲で温度を確認してから開ける

炎が迫っているかどうか判断できます。

◎ 暑い → 開けない

◎ 涼しい → ゆっくり開ける

勢いよく開けると炎の逆流が起きる可能性があります。


■ 5. 消火器を使うのは「炎が天井に届く前」だけ

炎が天井に到達するともう消せません。

◎ 小さな炎 → 消火器の出番

◎ 大きな炎 → 避難優先

“逃げる判断”が命を守ります。


■ 6. 家の外に出たら“絶対に戻らない”

火災では「戻った人」が被害に遭うケースが圧倒的に多い。

◎ 財布

◎ 貴重品

◎ 家電

◎ ペット用品

取りに戻る必要は一切ありません。


■ 7. 119番通報は“外に出てから”

通報は安全確保後でOK。

◎ 建物の外

◎ 煙のない場所

◎ 住所と状況を簡潔に

外に出てからの通報で十分です。


■ 8. 隣家にも知らせる

住宅密集地では延焼の危険があります。

◎ 近所の玄関を叩く

◎ 「火事です!」の声かけ

◎ 避難を促す

延焼拡大を未然に防ぐ大事な行動。


■ 9. まとめ

✔ 警報が鳴った瞬間に全員へ声かけ

✔ 火元を見に行かない

✔ 姿勢を低くして避難

✔ ドアの温度確認

✔ 消火器は“初期”のみ

✔ 外に出たら戻らない

✔ 通報は外に出てから

火災警報器が鳴る理由はただ一つ──命を守るため。
10秒以内の行動が、生存率を大幅に引き上げます。

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