2018年9月6日、北海道で発生した
北海道胆振東部地震(ほっかいどう いぶりとうぶ じしん)。
最大震度7、死者・負傷者多数、全道ブラックアウトなど、
北海道の防災を根本から変えた大地震です。
防災士として、この地震の特徴と教訓を分かりやすくまとめます。
■ 北海道胆振東部地震とは?
● 発生:2018年9月6日 3時7分
● 規模:M6.7
● 最大震度:7(震源に近い厚真町)
● 震源:北海道胆振地方中東部(深さ37km)
北海道では初めて震度7を観測した地震。
■ この地震の最大の特徴
▼ ① 広範囲の“ブラックアウト(全域停電)”
北海道全域 295万戸が停電。
全道が一斉に真っ暗になる異例の事態となった。
● 交通・病院・通信・物流
● 暖房・冷蔵庫・給水設備
生活のあらゆる機能が止まり、
停電の危険性が浮き彫りになった。
▼ ② 大規模な土砂崩れが多数発生
厚真町では、山の斜面が一斉に崩れる “広域表層崩壊” が発生。
● 農地・集落が一気に土砂に埋没
● 多数の犠牲者
● 真っ暗な夜間で状況把握が困難
“山地災害と地震の組み合わせ”の恐ろしさが明らかになった。
▼ ③ 札幌で液状化が発生
札幌市清田区を中心に、
道路が波打ち、家屋が傾く大規模液状化が発生。
● 地盤の弱さ
● 埋立地のリスク
● 家屋倒壊・断水の長期化
都市部で起こる液状化の怖さを示した事例。
■ 停電(ブラックアウト)がもたらした影響
● 信号機がすべて消灯
● 病院の非常用電源が長時間動かず
● 公共交通ストップ
● ATM・レジが使えない
● 携帯基地局が停止し通信障害
“電気が止まると社会が止まる”ことを全国に知らしめた。
■ この地震の主な被害状況
● 死者:43名
● 負傷者:700名以上
● 住宅被害:家屋の倒壊・液状化多数
● 交通麻痺・物流の停止
● 避難者:41,000人以上
※ すべて当時の報告による。
■ なぜ地震で北海道全域が停電したのか?
理由は、電力供給の集中構造。
● 北海道の電力の半分を担う「苫東厚真火力発電所」が停止
→ 連鎖的に他の発電所も停止
→ 周波数が乱れ全域がシャットダウン
“電源が1か所に集中するリスク”を全国が学んだ。
■ 北海道胆振東部地震の教訓(家庭でできる備え)
▼ ① 停電は“地震直後から発生する”
→ ランタン・モバイルバッテリー・ラジオ必須
▼ ② 冷蔵庫はすぐ使えなくなる
→ 非常食・常温保存の食材を確保
▼ ③ 暖房が止まると冬は命に関わる
→ 北海道では特に重要
→ カセットストーブ・毛布・防寒具が必須
▼ ④ 断水にも備える
→ 1日3L×家族分の飲料水
→ トイレのための生活用水
▼ ⑤ 情報が遮断される
→ ラジオ・モバイルバッテリー・ソーラー充電器
北海道のような寒冷地ほど“停電=命の危険”になる。
■ 防災士としてのまとめ
北海道胆振東部地震は、
「地震+土砂災害+全域停電」が同時に発生した複合災害。
・北海道初の震度7
・大量の土砂崩れ
・都市部の液状化
・全道ブラックアウト
・物流・病院・通信が止まる
この地震の教訓は、
日本全国で起こり得る現実です。
「停電対策は防災の最重要項目」
この意識こそが、次の大災害から命を守る鍵になります。

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