【防災士が解説】福岡の“高潮(たかしお)リスク”は意外と高い海沿いの街が備えるべきポイントとは?

福岡は海に面した美しい都市です。
しかしその一方で、台風通過時の高潮(たかしお)リスク が非常に高い地域でもあります。
特に、福岡市・糸島市・北九州市の沿岸部は、地形的にも被害が大きくなりやすい特徴があります。

ここでは、福岡の「高潮リスク」と、住民が取るべき具体的な備えを解説します。


■ 1. 福岡が高潮リスクの高い理由

● ① 玄界灘に面した“開けた海”

玄界灘は外洋に近く、
台風の風の吹き込みが強くなりやすい海域

湾ではなく“外海”のため、高潮が一気に押し寄せる特徴があります。

● ② 都市部が海に近すぎる

福岡市は

  • 博多
  • 中洲
  • 天神
    などの中心市街地が海抜低く、海に非常に近い構造。

わずかな海面上昇でも浸水の恐れがあります。

● ③ 潮位偏差の影響が大きい

高潮は
気圧・潮位・台風の進路
の組み合わせで急激に発生。

特に

  • 大潮
  • 満潮
  • 台風接近
    この3つが重なると一気に危険度が増します。

● ④ 過去の災害が示す“危険性”

代表例:

  • 昭和36年 第二室戸台風
  • 平成15年 台風17号 → 博多港で高波被害
  • 平成29年 高潮で志賀島の道路が冠水

福岡は“高潮被害が周期的に発生する地域”です。


■ 2. 特に危険なエリアの傾向

● ● 海に近い低地(海抜3m前後)

例:

  • 博多区(港湾部)
  • 東区(香椎・箱崎周辺)
  • 糸島の海沿いエリア
  • 北九州市(若松・門司港周辺)

低地は水が引きにくく、浸水が長期化する傾向があります。

● ● 片側が山、片側が海という地形

福岡の特徴的な地形で、
逃げ場が少ないため避難が遅れがち。


■ 3. 高潮から命を守る行動

● ① 海沿いの外出は【厳禁】

高潮は
数分で水位が突然上がる
ため、目視で判断しても遅いことが多い。

● ② 台風前に車を高台へ移動

沿岸の駐車場は水没しやすく、
車が流されると二次災害の原因になります。

● ③ 満潮時間を必ずチェック

高潮は
満潮 × 台風
で威力が最大になります。

Yahoo!防災速報や「まもるくん」で潮位チェックを習慣化。

● ④ エレベーターより階段で避難

浸水すると電源が落ち、閉じ込めの危険があるため。


■ 4. 福岡だからこそ必要な備え

● ① 海沿いは“床上浸水”への備えが必須

  • ポリ袋+土のう
  • 家具の底上げ
  • 玄関扉の止水対策

● ② マイタイムラインで避難タイミングを固定

高潮は動きが早いため、

  • 台風接近○時間前
  • 満潮○時間前
    など、時間ベースで決めるのが安全。

● ③ 停電を前提にした準備

高潮と停電はセットで起きます。

  • モバイルバッテリー
  • ライト
  • ポータブル電源

■ 5. まとめ

福岡は
津波より“高潮”の方が実被害の可能性が高い
と言われることがあります。

特に

  • 海抜の低さ
  • 都市部の集中
  • 外海に面した地形
    など、高潮の条件がそろっているからです。

高潮は地震の津波とは違い、
台風で必ず予測できる災害
です。

事前に情報を見て、
早めに避難・車移動・停電対策をしておくことで、
命も財産も守ることができます。

福岡で暮らす方は、毎年の台風シーズン前に
“高潮対策”を必ず確認しておきましょう。

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