【防災士が解説】通報訓練とは?── 災害・事故時に“正しく119番できる人”が増えると、助かる命は一気に増える!

火災・事故・病気などの緊急事態では、
119番通報の内容と速さが生存率を左右 します。

しかし実際には、
「パニックで何も言えない」
「住所が出てこない」
「状況説明がうまくできない」
というケースがとても多く、救命の遅れにつながっています。

そこで重要なのが 通報訓練(つうほうくんれん)
家庭・学校・職場・自治会など、あらゆる場面で取り入れられる
“命を守るための基本訓練”です。


■ ① 通報訓練とは?

通報訓練とは、
119番に必要な情報を、落ち着いて正確に伝えるための訓練 のこと。

火災・救急・事故など、さまざまな状況を想定して
「通報の仕方」「伝えるべき内容」を練習します。


■ ② なぜ通報訓練が重要なのか?

● ① パニックで話せなくなる人が多い

災害時、冷静に通報できる人は少数。


● ② 情報不足=現場到着が遅れる

住所・状況が分からないと消防・救急は動けません。


● ③ 通報の質で救命率が変わる

特に心停止は 1分ごとに生存率が7〜10%低下


● ④ 家庭・学校・高齢者施設で効果大

通報の習熟が“そのまま命を守る力”に直結。


■ ③ 通報訓練で覚えるべき内容(これだけで完璧)

119番で伝えるべき情報は、
全国どこでも “5つの基本” が決まっています。


★① 何が起きたか(火事?救急?事故?)

例:
「家のキッチンが火事です」
「男性が倒れています」
「交通事故でけが人が出ています」


★② 場所(住所・目印・施設名)

例:
「○○市○丁目○番△号のアパート」
「近くにスーパー○○があります」

マンションは 階数・部屋番号 も忘れずに。


★③ けが人・患者の人数

例:
「1人です」
「大人2人、子ども1人です」


★④ けがや状態の程度

例:
「意識がありません」
「呼吸が止まっています」
「出血しています」


★⑤ 通報者の名前・連絡先

例:
「私は○○、電話番号は090-××××-××××です」


■ ④ 通報訓練の実践例(家庭・学校・職場でできる)


● 家庭でのシナリオ例

「キッチンでフライパンから火が出た!」
→ 子どもが119番役
→ 保護者が質問役


● 職場でのシナリオ例

「職員が突然倒れた」
→ 誰が通報するか、誰がAEDに走るかを決めておく


● 学校・高齢者施設の例

「階段で転倒」
「給食中に喉に詰まらせた」
→ 子ども・職員・介護士で役割分担


■ ⑤ 通報のコツ(訓練で必ず身につく)

● 深呼吸してから話す
● 早口にならない
● “質問に答えるだけ”でOK
● 電話は切らない(指示が続く)
● 住所は普段から覚えておく
● スマホの位置情報ONも活用可

通報は“うまく話す必要はなく”、
指令員の質問に答えるだけで良い という安心感が大事。


■ ⑥ 通報訓練で起きる“良い変化”

● 職場・学校全体の危機意識が高まる
● 通報の言葉がスラスラ出る
● 家族全員が緊急時に動ける
● 高齢者でもパニックになりにくい
● 地域での助け合いにつながる
● 消防・救急が迅速に動ける → 生存率アップ


■ まとめ

通報訓練とは、
緊急事態に落ち着いて119番できるようにする訓練

  1. 何が起きたか
  2. 場所
  3. 人数
  4. 状態
  5. 名前と連絡先

この“5項目”を言えるだけで、
現場への到着時間は大幅に短縮され、助かる命が増えます。

今日から家庭・学校・職場で、
ぜひ“通報訓練”を取り入れてみてください。
命を守る力が、一段と高くなります。

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