【防災士が解説】救急救命士とは── “命の最前線”で戦う国家資格の専門職をわかりやすく解説

救急救命士は、
救急車で運ばれる傷病者に対して
“より高度な医療行為ができる”国家資格の救急専門職。

消防の中でも特に命に直結する仕事で、
救急隊の中心的存在です。

ここでは、
「どんな仕事なのか?」
「何ができるのか?」
「どうすればなれるのか?」
をわかりやすくまとめます。


■ 救急救命士とは?

救急現場で医師の指示のもと、高度な救命処置ができる国家資格者。

救急隊3名のうち、
1名は救急救命士であることが多い。

一般の救急隊員よりも
● できる処置
● 判断の範囲
● 医療技術
が大きく拡張されている。


■ 救急救命士ができる“特定行為(医療行為)”

医師の指示 or 事前のプロトコルに基づいて
以下のような高度な処置が可能。

● 気管挿管(高度気道確保)
● 心臓への薬剤投与
● ショック時の点滴確保
● 自動式輸液ポンプの操作
● 低血糖へのブドウ糖投与
● 終末期患者の苦痛緩和措置

これらは「一般の救急隊員」はできない。

特に“気管挿管”は命が決まる超重要行為。


■ 救急救命士が対応する現場

すべてが緊急で、時間との戦い。

● 心肺停止(CPA)
● 重症外傷
● 呼吸困難
● 意識障害
● 脳卒中
● 心筋梗塞
● 事故・災害
● 高齢者の急変
● 子どもの救急

どの現場も命の危機と隣り合わせ。

「1分遅れれば助からない」
そんな世界で働く。


■ 救急救命士の仕事が“消防の中でも特に過酷”な理由

① 出動が多い(都市部は1日10件以上)

休む暇なく出動が続く。

② 重い責任(判断ミスが命に直結)

医療的判断は精神負荷が大きい。

③ 心理的ショックが強い現場も多い

子どもの事故や、重症外傷など。

④ 技術が常に求められる

挿管・静脈路確保・評価など、技術更新が必須。


■ 救急救命士になるには?

【ルート①】大学・専門学校で取得(一般的)

2〜4年の養成課程を修了
→ 国家試験
→ 救急救命士

【ルート②】消防士になってから取得(多い)

消防に入る
→ 救急隊として経験
→ 救急救命士の学校へ派遣
→ 国家試験
→ 救急救命士として活動

消防から資格取得する人は非常に多い。


■ 救急救命士に向いている人

● 冷静に判断できる
● 緊迫した状況でも動ける
● コミュニケーションがうまい
● 医療に興味がある
● 倫理観と責任感が強い
● 人の命に全力で向き合える

精神力・体力・人間性すべてが求められる。


■ 給料はどう?(ざっくり)

救急救命士だから給料が跳ね上がるわけではないが、

● 救急手当
● 夜間手当
● 出動回数
などで実質年収が上昇する。

30代で年収450〜550万円ほどが多い。


■ まとめ

救急救命士は、
“救える命を増やすために誕生した国家資格”。

  1. 高度な処置ができる
  2. 救急現場の中心的存在
  3. 出動が多く、責任も重い
  4. 医療スキルと判断力が必須
  5. 消防の中でも特に重要な専門職

救急救命士は、
「最後の1秒で人の命をつなぐ」
まさに、命の最前線で戦うプロフェッショナルです。

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