世界各国は、自然災害に対応するため
インフラ整備(堤防・避難タワー・ハザードマップなど)に
独自の工夫を詰め込んでいます。
日本は防災先進国といわれますが、
海外には日本に足りない視点やシステムがたくさんあります。
ここでは、世界の防災インフラと
それを日本がどう活かせるかをまとめます。
■ 1. オランダ:水害対策は“世界トップレベル”
オランダは国土の多くが海面より低いため、
水害対策は世界最強レベル。
特徴
- スーパーダイク(巨大堤防)
- 可動式防潮ゲート
- “水と共生”という国民意識
- 河川の流れる方向を変える国家プロジェクト
→ 日本が学べる点
- 都市レベルの大型堤防の拡充
- 住民の“水リスク教育”の徹底
- 洪水を“防ぐ”だけでなく“逃がす”発想
■ 2. バングラデシュ:津波・高潮の避難タワーが非常に多い
津波・高潮被害が多い国のため
海岸部に数百以上の避難タワーを整備。
特徴
- 高台が少ない地域を塔でカバー
- 学校を兼用するケースも多い
- 避難判断が早い文化が根付く
→ 日本が学べる点
- 海岸部・河川部の避難タワー増設
- 避難タワーと学校の兼用
- 高齢者が登りやすい構造設計
■ 3. アメリカ:竜巻シェルターが“家庭”にある
アメリカ中部では竜巻被害が多く、
家庭・学校の地下に個別シェルターが普及。
特徴
- 家庭防災を国が後押し
- 住宅設計にシェルターを組み込むことも
- 竜巻発生時は数十秒で避難
→ 日本が学べる点
- 個人用避難スペースの普及
- 住宅設計に防災機能を組み込む
- 自宅避難の文化を強化
■ 4. 台湾:避難表示が“圧倒的にわかりやすい”
台湾の避難標識は日本よりも明確で、
外国人にも理解しやすいのが特徴。
特徴
- 英語・中国語・ピクトグラムが統一
- 夜間でも光る誘導表示
- 避難ルートが街全体にある
→ 日本が学べる点
- 標識の統一化(全国で統一デザイン)
- 夜間視認性のある発光避難表示
- 多言語標識の義務化
■ 5. ニュージーランド:津波から“逃げるための道”が徹底
NZは津波リスクが非常に高く、
避難ルートを街全体で設計しています。
特徴
- 避難ルート看板が道路に大量設置
- 高台までの距離が書かれている
- 海岸部では道路に「TSUNAMI→」と舗装表示
→ 日本が学べる点
- 距離付き避難ルート看板の設置
- 路面表示による“迷わない誘導”
- 高台誘導の一体整備
■ 6. チリ:沿岸都市の“避難街区”がよくできている
南米チリは巨大地震の多い国。
沿岸部には避難区画(Evacuation Zone)が
街全体に整備されています。
特徴
- 避難ビル・避難タワーが大量にある
- 津波避難は“街ぐるみ”で設計
- 観光地でも導線が明確
→ 日本が学べる点
- 海岸観光地の避難設計を強化
- 避難ビル登録の拡大
- 街全体の津波動線整備
■ 7. イタリア:火山地帯の“広域避難”がすごい
イタリア南部は火山が多く、
広域避難計画のレベルが高い。
特徴
- “住民一斉移動”の避難訓練
- 市外へ広域避難する前提
- 避難先自治体が事前に決まっている
→ 日本が学べる点
- 火山地域の広域避難計画の強化
- 避難先自治体と連携する“二自治体方式”
- 火山ハザードマップ教育の徹底
■ 世界の防災インフラに共通するキーワード
✔ 街全体で“逃げる”導線を作る
✔ 高齢者・子ども・外国人を意識した設計
✔ 生活と防災を一体化
✔ 多言語化・一目で分かる表示
✔ 個人レベルの避難スペース整備
■ 日本がさらに進化できるポイント
- 海岸部の避難タワー/避難ビルのさらなる拡充
- 路面表示や光る避難標識の導入
- 個人・家庭の避難スペース整備
- 多言語化・外国人対応の強化
- 広域避難計画の見直し
■ まとめ
世界には、日本にない防災インフラが多数あります。
- オランダ:水と共生する巨大堤防
- バングラデシュ:避難タワー文化
- アメリカ:家庭シェルター
- 台湾:多言語避難表示
- ニュージーランド:徹底的な避難導線
- チリ:沿岸都市の津波避難デザイン
- イタリア:火山の広域避難
これらを参考にすれば、日本の防災力は
さらに進化し、“逃げ遅れゼロ”へ近づきます。

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