夏に地震が起きて避難所生活になると、健康維持は「病気になってから考えること」では足りません。実際には、暑さ、睡眠不足、食欲低下、運動不足、断水、トイレ不安が重なって、熱中症だけでなく、体力低下や生活不活発病のような“静かに進む不調”が起きやすくなります。厚生労働省は、避難所では休息や睡眠、水分・塩分補給、清潔保持、服薬継続が重要だと示しており、別資料では、避難生活で「動かない」状態が続くと心身の機能が低下するため、生活不活発病に注意するよう案内しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000122331.pdf
だからこそ大切なのは、「しんどいけど避難所だから仕方ない」と流さないことです。健康維持とは、完璧な体調を保つことではなく、崩れ始めを早く見つけて、小さく立て直し続けることです。この記事では、夏の地震で避難所にいる時の健康維持を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。
■① 最初に考えるべきことは「病気かどうか」より「崩れやすい条件が重なっていないか」
結論から言うと、最初に考えるべきことは、病気の症状があるかどうかより、体調を崩しやすい条件が重なっていないかです。
夏の避難所では、暑い、眠れない、食べられない、動かない、水分を控える、汗を拭けない、トイレを我慢する、といったことが同時に起きやすくなります。こうした条件は、一つひとつは小さく見えても、重なると体力をかなり削ります。
元消防職員として感じるのは、被災地で弱っていく人は、急に大きく悪くなるより、少しずつ生活が崩れていくことが多いという点です。だから、健康維持では「何か病気か」を探すより、「生活が回っているか」を見た方が現実的です。
■② 健康維持のために最初に見るべきチェックリスト
夏の避難所では、次の順番で見ると整理しやすいです。
・水分と塩分をこまめに取れているか
・食事量が急に落ちていないか
・夜に少しでも眠れているか
・トイレを我慢していないか
・汗を拭く、着替えるなどができているか
・手洗い、口腔ケアなど最低限の清潔が保てているか
・常用薬を普段通り使えているか
・長時間横になりっぱなしになっていないか
・家族や周囲と少しでも会話できているか
この中でも、夏に特に大事なのは、水分、睡眠、活動量の3つです。ここが崩れると、他の不調も出やすくなります。
■③ 夏の健康維持で最優先にしたいのは何か
最優先にしたいのは、熱中症と脱水を起こさないことです。
夏は、暑さそのものに加えて、避難の疲れ、寝不足、食欲低下で熱中症リスクが上がります。だから、のどが渇いていなくても少しずつ飲む、日陰や風通しのよい場所へ寄る、汗を拭く、無理に動き続けないといった基本がかなり重要です。
私なら、健康維持は「栄養を完璧に」「運動をしっかり」と広げる前に、まずは暑さで倒れないことを優先します。被災地でも、夏はここを外すと一気に立て直しにくくなるからです。
■④ 食べる・眠るが崩れたらどう考えるべきか
「少し食べていない」「少し眠れていない」を軽く見ない方が安全です。
厚生労働省の健康管理ガイドラインでは、避難所生活では休息や睡眠をできるだけ確保することが大切で、不眠や食欲低下が続く場合には相談や支援につなぐ必要があると示されています。
つまり、「食べられない」「眠れない」は気分の問題だけではなく、健康維持が崩れ始めているサインとして見た方が現実的です。被災地でも、食欲低下や不眠は、熱中症、脱水、体力低下の入り口になりやすかったです。
■⑤ 動かないことはなぜ危ないのか
避難所では、動かなすぎること自体が不調の原因になります。
厚生労働省は、避難生活では不活発になりやすく、「動かない」状態が続くことで心身の機能が低下し、生活不活発病につながると案内しています。また、避難所で過ごす人向けに、横になっているよりなるべく座る、少しでも体を動かす、役割や楽しみを持つことが大切だと示しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00448.html
元消防職員としても、避難所では「安全第一だから動かない方がよい」と思い込みすぎると、逆に弱りやすいと感じます。もちろん無理は禁物ですが、少し座る、立つ、歩く、体を伸ばすといった小さな活動の方が健康維持にはかなり効きます。
■⑥ 清潔を保つことは健康維持と関係あるのか
かなり関係あります。
汗をそのままにする、手を洗えない、歯みがきできない、トイレ後の処理が雑になる。こうしたことが続くと、不快感だけでなく、感染症や体調悪化にもつながりやすくなります。だから、ウェットティッシュ、体拭きシート、タオル、口腔ケア用品などで、完璧でなくても最低限の清潔を保つ方が現実的です。
私なら、健康維持は「水分と食事」だけでなく、「汗・手・口」の3つも一緒に見るようにします。その方が避難生活全体が崩れにくいです。
■⑦ 心のしんどさは健康維持に関係するのか
はい。かなり関係します。
避難所では、不安、緊張、気疲れ、遠慮が重なりやすく、それが不眠や食欲低下、だるさとして体に出ることがあります。だから、少しでも話せる人がいる、家族で役割を持つ、昼夜の区切りをつける、小さな気分転換を入れるといったことも健康維持の一部です。
被災地でも、元気そうに見える人ほど、急に疲れが出ることがありました。だから、「心の問題」と切り離さず、「体の持ち方」に関わるものとして見た方がよいです。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で見てください。
「水分・塩分が切れていないか」
「食べられているか、眠れているか」
「少しでも体を動かせているか」
「いつもと違う様子が続いていないか」
この4つがそろっていれば、夏の避難所での健康維持としてはかなり現実的です。防災では、完璧な健康管理より「崩れ始めを見逃さないこと」の方が大切です。
■まとめ
夏の地震で避難所にいる時の健康維持で大切なのは、「大きく悪くなってから対応すること」ではなく、「小さな崩れを早く拾って戻すこと」です。厚生労働省は、避難所では休息や睡眠、水分・塩分補給、清潔保持、服薬継続が重要だと示しており、別資料では、生活不活発病を防ぐために、少しでも体を動かすことや役割を持つことの大切さを案内しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00448.html
私なら、夏の避難所の健康維持で一番大事なのは「元気なふりを続けること」ではなく「小さく整え直し続けること」だと伝えます。被災地でも、水分、睡眠、少しの活動、この3つを守れた人の方が持ちこたえやすかったです。だからこそ、まずは飲む、休む、少し動く。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00448.html(厚生労働省「からだを動かしましょう!~避難所で過ごされる方へ~」)

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