夏に地震や豪雨で避難する時、「避難はその時に考えればいい」と思われがちです。ですが、実際には、夏の避難はその場の判断だけでは遅れやすいです。暑さ、疲労、家族対応、停電、断水が重なると、考える力そのものが落ちやすくなるからです。内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」では、災害時は慣れない環境や作業、疲労、体調不良、栄養不足などで熱中症リスクが高くなり、暑さを避けること、こまめな水分・塩分補給、暑さ情報の確認が大切とされています。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf
また、首相官邸は平時の備えとして、飲料水は1人1日3リットルが目安で、最低3日分、できれば1週間分の備蓄が望ましいと案内しています。つまり、夏の避難計画は「どこへ逃げるか」だけでなく、「暑さの中でも持ちこたえる準備」を最初から組み込むことが重要です。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
つまり、夏の避難中の計画作りで大切なのは、「完璧な計画」を作ることではなく、迷った時に最低限ぶれない基準を先に決めておくことです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。
■① まず結論として、計画作りで最優先にすべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、誰が・いつ・どこへ・どうやって避難するかを先に決めておくことです。
夏の避難では、その場で相談し始めると遅れやすいです。しかも暑さの中では、考えるだけでも体力を使います。だから、
避難の開始目安
避難先
避難経路
持ち出す物
この4つは先に決めておく方が現実的です。
元消防職員として感じるのは、被災地で強かったのは「完璧な人」ではなく、「最低限の型が決まっている人」だという点です。私なら、夏の避難計画では
まず避難の基準
次に避難先
最後に持ち物と役割
この順で決めます。
■② なぜ夏は避難計画が特に必要なのか
理由は、災害の危険と熱中症の危険が同時に進むからです。
たとえば、大雨で避難したいのに、外は猛暑で、長時間歩けば熱中症リスクも上がります。停電があると在宅避難も苦しくなり、避難所も冷房状況によってかなり差が出ます。つまり、夏は「逃げるかどうか」だけでなく、「暑さの中でどう持つか」を含めて計画した方が安全です。
被災地派遣の現場でも、「災害対応」だけ考えていて、暑さへの備えが薄いと一気に苦しくなることがありました。だから、夏の計画作りは“避難計画”と“熱中症対策”を分けない方が現実的です。
■③ 計画で最初に決めたい「避難の基準」とは何か
最初に決めたいのは、いつ動くかの基準です。
たとえば、
警戒レベル3で高齢者等は動く
警戒レベル4までに全員避難を終える
停電が長引き、冷房が使えないなら在宅避難を見直す
といった基準です。
気象庁は、危険な場所にいる人は警戒レベル4までに避難を完了することが重要だと案内しています。だから、「危なくなったら考える」ではなく、「この条件なら動く」を決めておく方がぶれにくいです。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html
■④ 避難先はどう決めればいいのか
避難先は、近さだけでなく、暑さをしのげるかで決めた方が安全です。
指定避難所でも、冷房が弱い、風が通らない、人が多い、給水しにくいなどの差があります。夏はそこがかなり大きいです。さらに、在宅避難や親戚宅避難が成り立つかどうかも、冷房・水・トイレ・情報の条件で変わります。
私なら、避難先は
安全か
涼めるか
水が取れるか
の順で見ます。夏は「避難できる場所」より「持ちこたえられる場所」の方が大切です。
■⑤ 避難経路はどう計画すべきか
避難経路は、最短より崩れにくさで決めた方が現実的です。
たとえば、アンダーパス、低い道路、冠水しやすい道、日陰のない長い直線は避けたいです。夏の避難では、近道でも照り返しや坂道で一気に消耗することがあります。だから、途中で止まれる場所があるかもかなり大事です。
元消防職員としても、夏は「どれだけ早く着くか」より「どれだけ削られずに着けるか」を重く見ます。私は、避難経路は最低でも二つ考えておく方をすすめます。
■⑥ 持ち物計画で絶対に外せないものは何か
外せないのは、水分、常備薬、連絡手段、暑さ対策用品です。
首相官邸は飲料水の備蓄目安を1人1日3リットルとしていますが、避難時にはその全部を持ち出すのは現実的ではありません。だから、
今すぐ飲む分
途中をつなぐ分
家や避難先に置く備蓄
に分けて考える方が使いやすいです。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
私なら、夏の避難計画では「多く持つ」より「すぐ使える形」を優先します。その方が実際に役立ちます。
■⑦ 家族で計画を作る時に決めておくべきことは何か
家族で決めたいのは、一番弱い人を基準にすることと、役割分担です。
たとえば、
誰が水を持つか
誰が薬を確認するか
子どもや高齢者を誰が見るか
はぐれた時にどこで合流するか
を決めておくと、暑さの中でも迷いにくいです。
被災地でも、家族避難で崩れにくかったのは、「みんなで頑張る家族」より、「一番弱い人に合わせて役割を決めている家族」でした。だから、私は家族計画では全員一律ではなく、弱い人基準を重く見ます。
■⑧ 計画作りでやってはいけないことは何か
一番避けたいのは、一つの避難先、一つの経路、一つの想定だけで決め切ることです。
夏は停電、断水、混雑、暑さで条件がすぐ変わります。だから、「ここに行けば大丈夫」と一つに固定しすぎると苦しくなりやすいです。もう一つは、完璧な計画を作ろうとして進まないことです。
私なら、計画作りでは「細かく決め切る」より、「最低限の軸を決める」方をすすめます。その方が実際に動きやすいからです。
■⑨ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「いつ動くかの基準は決まっているか」
「避難先は暑さをしのげるか」
「経路は崩れにくいか」
「一番弱い人を基準にできているか」
この4つが整理できれば、夏の避難中の計画作りとしてはかなり現実的です。防災では、「完璧な計画」より「迷った時に戻れる軸」の方が大切です。
■⑩ まとめ
夏の熱中症から避難中に身を守る計画作りで大切なのは、避難の基準、避難先、経路、持ち物、家族の役割を先に決めておき、暑さの中でも迷わず動ける形にしておくことです。内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」では、暑さを避けること、こまめな水分・塩分補給、暑さ情報の確認が重要とされ、首相官邸は飲料水備蓄の目安を1人1日3リットルとして示しています。
私なら、夏の避難で一番大事なのは「その場で頑張って考えること」ではなく「迷った時に戻れる型を先に作ること」だと伝えます。被災地でも、助かったのは完璧な人より、最低限の計画がある人でした。だからこそ、まずは避難の基準、次に避難先、最後に家族と持ち物。この順番で整えるのがおすすめです。

コメント