災害ボランティアから帰ってきたあと、
「食欲が出ない」
「お腹は空くはずなのに食べたくない」
「胃が重くて、食べる気になれない」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、災害ボランティア後の食欲不振は、単なる疲れではなく、ストレス反応が内臓症状として出ている可能性があります。
消防庁は、惨事ストレス反応の身体的反応として、食欲減退、下痢、不眠、頭痛などを挙げています。
また、日本赤十字社は、被災者だけでなく救護にあたる援助者もストレスを受けると明記しています。
防災士として率直に言えば、支援後の不調は「心」より先に「胃腸」に出ることがかなり多いです。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、現場では動けても、帰宅後に胃が重い、食べられない、下痢が続くという反応が出る人はいます。
だから、ボランティア後の食欲不振は軽く見ない方がいいです。
防災の基礎知識から実践的な対策まで、体系的に学べる情報をまとめています。防災講座や知識をさらに深めたい場合は、防災の基礎知識・講座情報を確認することができます。
■① まず前提として、支援者にも“内臓症状”は起こる
災害後のこころのケアというと、気持ちの落ち込みや不安を想像しやすいです。
でも実際には、支援者にも身体症状がかなり出ます。
消防庁の資料では、惨事ストレス反応の身体的反応として、
・頭痛
・下痢
・発汗
・不眠
・食欲減退
・頻尿
などが挙げられています。
つまり、食欲不振は珍しいことではありません。
元消防職員として率直に言えば、「気持ちは大丈夫なのに胃腸だけおかしい」という形で始まる人もいます。
だから、食欲不振を「胃の問題だけ」と決めつけない方が現実的です。
■② 食欲不振が起こる理由①|緊張が抜けたあとに自律神経が乱れる
災害支援中は、
・安全確認
・時間に追われる行動
・相手への配慮
・緊張した対人対応
が続きます。
この間は交感神経が優位で動いていても、帰宅後に反動が出ることがあります。
その結果、
・胃が重い
・お腹が空かない
・食べると気持ち悪い
といった反応が起こりやすくなります。
防災士として言えば、これは「気持ちが弱い」のではなく、緊張の反動が内臓に出ている状態と見た方がいいです。
心が処理しきれていないものが、消化機能の低下として出ることはかなりあります。
■③ 食欲不振が起こる理由②|不眠とセットで悪化している
消防庁が挙げる身体的反応には、不眠と食欲減退が並んでいます。 (fdma.go.jp)
つまり、食欲不振がある時は、
・寝つけない
・夜中に目が覚める
・悪夢がある
・寝ても疲れが取れない
といった睡眠の乱れも一緒に見た方がいいです。
元消防職員として率直に言えば、支援後に食べられなくなる人は、かなりの割合で眠りも崩れています。
睡眠の質が落ちると、自律神経がさらに乱れ、胃腸も整いにくくなります。
だから、食欲だけ戻そうとしても難しいことがあります。
■④ 食欲不振が起こる理由③|“見たもの・聞いたもの”が体に残っている
災害ボランティアでは、現場のにおい、音、被災状況、人の表情など、強い刺激に触れます。
その記憶が整理しきれないと、頭では忘れたつもりでも、体は反応し続けることがあります。
たとえば、
・食事の場面で現場を思い出す
・においや映像で気分が悪くなる
・空腹なのに口に入れるのがつらい
といった形です。
防災士として言えば、これは「わがまま」ではありません。
ストレスが“食べる”という基本行動を邪魔している状態として見た方がいいです。
特に、災害報道や似た映像を見ると悪化する場合は注意が必要です。
■⑤ 一緒に出やすい内臓症状リスト
災害ボランティア後の食欲不振は、単独よりも他の身体反応と一緒に出やすいです。
特に見ておきたいのは次のような症状です。
・胃の重さ
・吐き気
・下痢
・便秘
・腹痛
・頭痛
・だるさ
・発汗
・動悸
・口の渇き
消防庁の整理でも、食欲減退は下痢や不眠、頭痛などと並んで出やすい身体反応です。 (fdma.go.jp)
つまり、「食欲だけ」で見ず、内臓症状全体で見る方がかなり大事です。
■⑥ 危険信号として見た方がいい食欲不振
食欲不振があっても、数日で戻るなら強い疲労の範囲かもしれません。
ただし、次のような場合は少し慎重に見た方がいいです。
・1週間以上続く
・体重が落ちてきた
・水分まで取りにくい
・下痢や吐き気が続く
・眠れない、悪夢がある
・集中力低下やイライラもある
・人と会うこと自体がしんどい
こうした場合は、単なる疲れよりも、ストレス反応が長引いている可能性があります。
元消防職員として言えば、「食べられないけど動けるから大丈夫」は危ない判断です。
戻ってきているかどうかを見た方がいいです。
■⑦ “食欲不振=PTSD”と急いで決める必要はない
ここはかなり大事です。
食欲不振があるからといって、すぐにPTSDと決める必要はありません。
むしろ大切なのは、
食欲が回復の方向にあるか、それとも悪化しているか
です。
たとえば、
・少量なら食べられる
・数日ごとに少し戻る
・温かい物は入る
なら、回復の途中かもしれません。
一方で、
・何を見ても食べる気がしない
・日常生活に支障が出る
・不眠や悪夢も強い
・気持ちも大きく落ちる
なら、早めに相談先を持った方がいいです。
防災士として言えば、病名探しよりも、生活機能が落ちていないかを見る方がずっと実用的です。
■⑧ 今すぐできる現実的な対処法
食欲不振がある時は、「ちゃんと食べなきゃ」と自分を追い込みすぎない方がいいです。
まずやりたいのは、
・水分だけは切らさない
・少量で食べやすいものを選ぶ
・温かい汁物やゼリーなどを使う
・睡眠を優先する
・災害映像やSNSを見すぎない
・食欲、睡眠、胃腸症状を記録する
・信頼できる人に共有する
ことです。
日本赤十字社も、援助者自身のストレス対応と、必要時の専門家への橋渡しを重視しています。 (jrc.or.jp)
つまり、「自分で全部戻す」より、まず崩れを見える化してつなぐ方が現実的です。
■⑨ まとめ
災害ボランティア後の食欲不振は、単なる疲れや夏バテではなく、ストレスが内臓症状として出ている可能性があります。
消防庁は、惨事ストレス反応の身体的反応として食欲減退、下痢、不眠、頭痛などを挙げています。
日本赤十字社も、被災者だけでなく援助者もストレスを受けると明記しています。 (fdma.go.jp)
防災士として強く言えるのは、ボランティア後の食欲不振は、
「気持ちの問題」
ではなく、
心と体がまだ非常時モードから戻れていないサイン
として見た方がいいということです。
迷ったら、
「食べる気があるか」
だけでなく、
睡眠・胃腸・気分・集中力が一緒に戻っているか
を基準に見る方が、ずっと現実的です。

コメント