【防災士が解説】ボランティアこころのケア本5冊レビュー|PTSD克服の実践書を選ぶ判断基準

災害ボランティアや被災地支援のあと、
「自分の反応をちゃんと理解したい」
「眠れない、イライラする、無気力になる理由を知りたい」
「本で学ぶなら、どれを読めばいいか分からない」
と感じる人は少なくありません。

結論から言えば、こころのケア本を選ぶ時に大切なのは、“有名かどうか”より、“今の自分に必要なのが入門なのか、セルフケアなのか、支援者視点なのか”を分けて選ぶことです。
PTSDやトラウマの本は、全部が同じではありません。
症状理解に強い本もあれば、支援や心理教育に強い本、社会的な回復まで広げて考える本もあります。

防災士として率直に言えば、災害支援後にしんどくなる人ほど、
「何か一冊で全部分かる本がほしい」
と思いやすいです。
でも実際は、
今の自分が“知りたいこと”に合った本を選ぶ方がかなり役立ちます。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、支援後に必要なのは、難しい専門知識を全部覚えることではなく、
「今の反応をどう理解し、どう整えるか」
をつかめることだと感じます。

■① まず前提として、本選びで一番大切なのは「今の自分の状態」

こころのケア本を探す時、つい
「一番売れている本」
「専門家が薦める本」
を探しがちです。

もちろんそれも参考になります。
ただ、災害ボランティア後に読む本としては、まず
・自分の反応を知りたいのか
・セルフケアのヒントがほしいのか
・支援者として理解を深めたいのか
を分けた方がいいです。

防災士として言えば、不眠やイライラが強い人に、いきなり重い専門書は入りにくいです。
逆に、支援者として体系立てて学びたい人には、薄い入門だけでは足りません。
だから本選びでは、
内容の良し悪しより、自分との相性
を見る方が現実的です。

■② 1冊目|『トラウマからの回復』は“今の自分の反応を理解したい人”向け

最初の候補としてかなり入りやすいのが、
『トラウマからの回復』です。

この本は、トラウマ反応、解離性フラッシュバック、自己否定、セルフコンパッションなどを比較的コンパクトに扱っていて、
「自分の反応を言葉で理解したい」
人に向いています。

防災士として率直に言えば、災害支援後の不調で最初に必要なのは、
「自分はおかしくなったのではなく、こういう反応が起きているのか」
と整理できることです。
その意味で、この本は
最初の一冊としてかなり入りやすい本
です。

参考リンク:トラウマからの回復 / 生野信弘

■③ 2冊目|『トラウマ 「こころの傷」をどう癒やすか』は“新しめの入門書を読みたい人”向け

次におすすめしやすいのが、
『トラウマ 「こころの傷」をどう癒やすか』です。

新書なので比較的読みやすく、
「専門書は重い」
「でも、表面的な説明だけでは物足りない」
という人に向いています。

防災士として言えば、災害ボランティア後に読む本は、難しすぎると途中で止まりやすいです。
その点、この本は
読みやすさと理解の深さのバランスを取りたい人
にかなり相性がいいです。

参考リンク:トラウマ―「こころの傷」をどう癒やすか / 杉山登志郎

■④ 3冊目|『PTSDの伝え方』は“支援者・伝える側”にかなり向いている

三冊目は、
『PTSDの伝え方―トラウマ臨床と心理教育』です。

これは一般的なセルフケア本というより、
「支援する立場で、どう伝えるか」
「本人にどう理解してもらうか」
という視点が強い本です。

災害ボランティアや支援団体のスタッフ、学生リーダー、企業の担当者など、
自分だけでなく周囲にも関わる立場の人
にかなり向いています。

元消防職員として率直に言えば、支援の現場では「自分が理解する」だけでなく、
「どう声をかけるか」
もかなり重要です。
その意味で、この本は
読む人本人のケア+周囲への関わり方
まで広げたい時に強いです。

参考リンク:PTSDの伝え方―トラウマ臨床と心理教育 / 前田正治・金吉晴 編

■⑤ 4冊目|『トラウマからの回復と社会の修復』は“個人だけでなく支援の構造まで考えたい人”向け

四冊目は、
『トラウマからの回復と社会の修復―分断と再演を超える』です。

これは、個人の不調だけでなく、
「支援する側・される側の関係」
「社会や組織の中でトラウマをどう理解するか」
まで広げて考えたい人に向いています。

防災士として言えば、災害支援のしんどさは個人の心だけで終わらないことがあります。
組織、地域、支援の空気、人間関係まで含めて理解したいなら、
かなり深く考えられる本
です。

そのぶん、今まさに眠れない、食べられないという段階の人には少し重い可能性があります。
だから、
回復初期より、一歩引いて学びたい段階向け
です。

参考リンク:トラウマからの回復と社会の修復 / 野坂祐子

■⑥ 5冊目の代わりに強く入れたい一次資料|『心理的応急処置(PFA)フィールド・ガイド』

五冊目は、一般書ではなく、
厚生労働省が公開している『心理的応急処置(PFA)フィールド・ガイド』
を入れる価値がかなりあります。

これは書店で買う本ではありませんが、
・安全
・落ち着き
・つながり
・対処行動
をどう支えるかが整理されていて、
災害ボランティア後のセルフケアや周囲への関わりにもかなり役立ちます。

防災士として率直に言えば、こころのケア本を読むなら、一次資料を一つ持っておくとかなり強いです。
特に、
「何となくしんどい」
「何を優先して整えればいいか分からない」
人には、実用性が高いです。

参考リンク:心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)フィールド・ガイド

■⑦ どう選ぶべきか|おすすめの分け方

迷った時は、次のように分けるとかなり選びやすいです。

まず自分の反応を知りたい人

・『トラウマからの回復』
・『トラウマ 「こころの傷」をどう癒やすか』

支援者として伝え方も学びたい人

・『PTSDの伝え方』

社会や支援の構造まで考えたい人

・『トラウマからの回復と社会の修復』

すぐ使える実用資料がほしい人

・『心理的応急処置(PFA)フィールド・ガイド』

防災士として言えば、本選びで失敗しにくいのは、
今の自分に一番近い一冊から入ること
です。
最初から全部読もうとしない方がいいです。

■⑧ こころのケア本を読む時の注意点

ここもかなり大事です。
こころのケア本は役立ちますが、読むタイミングと状態によっては重すぎることがあります。

たとえば、
・悪夢が強い
・眠れない
・読むだけで苦しくなる
・自分に当てはめすぎて余計つらい
という時は、無理に読み進めない方がいいです。

防災士として率直に言えば、本は回復の助けになりますが、
本だけで全部何とかしようとしないこと
も大切です。
しんどさが強い時は、相談先や周囲の支えと組み合わせた方が現実的です。

■⑨ まとめ

ボランティア後のこころのケア本は、“どれが一番有名か”より、“今の自分に必要なのが入門、セルフケア、支援者視点、社会的視点のどれか”で選ぶ方が役立ちます。
入門としては『トラウマからの回復』『トラウマ 「こころの傷」をどう癒やすか』、支援や伝え方まで学ぶなら『PTSDの伝え方』、社会や支援の構造まで広げるなら『トラウマからの回復と社会の修復』、一次資料としては厚生労働省の『PFAフィールド・ガイド』がかなり有効です。

防災士として強く言えるのは、こころのケア本選びで一番大切なのは、
“今の自分に入りやすい一冊”から始めること
です。
迷ったら、まずは入門寄りの一冊。
そして必要に応じて支援者向け・実用資料へ広げる。
その順番が一番現実的です。

出典:厚生労働省「心理的応急処置(PFA)フィールド・ガイド」

参考:トラウマからの回復 / 生野信弘

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