【元消防職員が解説】火災時に絶対やってはいけない行動とは|逃げ遅れを防ぐ判断基準

火事が起きた時、人は焦ります。

その結果、
「とりあえず火を見に行く」
「まだ消せるかもと近づく」
「荷物を取ってから逃げる」
「家族に知らせる前に一人で何とかしようとする」
といった行動を取りやすくなります。

結論から言えば、火災時に絶対やってはいけない行動は、“逃げる判断を遅らせる行動”です。
消防庁は、初期消火の限界を「天井に火が回るまで」と示しています。
また、令和6年版消防白書では、火災による死亡に至った経過のうち、逃げ遅れが大きな割合を占めています。
つまり、火災時に危ないのは「消火が下手なこと」より、まだ大丈夫だと思って残ることです。

元消防職員として率直に言えば、住宅火災で本当に危ないのは、勇敢すぎる行動です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じるのは、命を守る判断はいつも「早め」が正解に近いということです。
火災でも同じです。

■① やってはいけない行動①|一人で確認に行く

火事で最初にやってはいけないのが、一人で火元確認に行くことです。

特に、
・夜中に警報器が鳴った
・別室で何か燃えるにおいがする
・少し煙っぽい
という時に、「ちょっと見てくる」はかなり危ないです。

なぜなら、火より先に煙が回っていることがあるからです。
しかも寝起きや焦りの中では判断が鈍ります。

元消防職員として率直に言えば、単独確認は危険です。
まずやるべきは、
周囲に知らせること
逃げ道を意識すること
であって、静かに確認へ行くことではありません。

■② やってはいけない行動②|逃げ道を確保せずに消火する

これもかなり多いです。

火を見ると、消火器や水を持ちたくなります。
でも、逃げ道を確保しないまま近づくのは危険です。

消防庁のe-カレッジでも、初期消火が可能なのは天井に火が回るまでとされ、それを超えたら速やかに逃げるべきだと示されています。
つまり、消火を考える前に、
自分の背後に逃げ道があるか
を見ないといけません。

防災士として言えば、消火活動そのものより、
逃げられない位置に入ること
の方がずっと危ないです。

■③ やってはいけない行動③|荷物や貴重品を取りに戻る

火災時に絶対やってはいけない代表がこれです。

スマホ
財布
通帳
思い出の品
ペット用品
こうしたものを取りに戻りたくなる気持ちはよく分かります。

でも、火災は数十秒で状況が変わります。
さっきまで通れた場所が、煙で通れなくなることも普通にあります。

元消防職員として率直に言えば、住宅火災では
取りに戻る行動が逃げ遅れにつながる
ことがあります。
命に比べて優先すべき物はありません。

■④ やってはいけない行動④|「まだ小さい火だから大丈夫」と粘る

これはかなり危険です。

最初は小さく見える火でも、
・壁材
・カーテン
・家具
・油
などに燃え移ると、一気に拡大します。

消防庁は、初期消火の目安を天井に火が回る前までと示しています。
つまり、
・炎が高い
・熱くて近づけない
・煙が急に増えた
・怖いと感じる
時点で、もう「消す火」ではなく「逃げる火」です。

防災士として強く言えるのは、
迷った時点で避難寄り
が正解に近いということです。

■⑤ やってはいけない行動⑤|煙の中を立ったまま動く

火災で本当に危ないのは、炎だけではありません。
煙です。

煙は上にたまりやすいので、立ったまま移動すると一気に吸い込みやすくなります。
しかも煙を吸うと判断力が落ち、逃げる行動そのものが遅れます。

元消防職員として率直に言えば、火災時に
煙を軽く見る行動
はかなり危ないです。

火事では、
・低い姿勢をとる
・口と鼻を覆う
・煙が強ければ引き返す
が基本です。

■⑥ やってはいけない行動⑥|誰かが119番したと思い込む

火事の初動では、
「誰かが通報しただろう」
がよく起こります。

でも、実際には誰もしていないことがあります。
これがかなり危ないです。

火災時は、
「誰か通報して」ではなく、
「あなた119番して」
と一人を指名した方が動きやすいです。

防災士として言えば、火災時にやってはいけないのは、
役割をあいまいにすること
です。
知らせる人、通報する人、逃げる人を一瞬で分ける意識がかなり大切です。

■⑦ やってはいけない行動⑦|「まだ家族は気づいていないかも」と一人で何とかする

家族や同居人がいる時に危ないのがこれです。

「自分が先に見てくる」
「自分だけで何とかしてから呼ぼう」
と考えると、知らせるのが遅れます。

特に夜間は、家族が警報音に気づかないこともあります。
だから、火災時に最初にやるべきは、
知らせること
です。

元消防職員として率直に言えば、火災では「静かに対処」は危険です。
大声で知らせる
方が助かる確率は上がります。

■⑧ まとめ

火災時に絶対やってはいけない行動は、“逃げる判断を遅らせる行動”です。
一人で確認に行く、逃げ道を確保せずに消火する、荷物を取りに戻る、煙の中を立って動く、誰かが通報したと思い込む、こうした行動はすべて逃げ遅れにつながります。

消防庁は、初期消火の目安を天井に火が回るまでと示しており、令和6年版消防白書でも、火災死亡の経過では逃げ遅れが大きな割合を占めています。
つまり、命を守る上で一番大切なのは、
「まだ大丈夫」と粘らないこと
です。

元消防職員として強く言えるのは、火災時の正解は
うまく消すことより、早く逃げること
だということです。
迷ったら、
・知らせる
・逃げ道を確保する
・少しでも危険なら逃げる
この順番で考えるのが一番現実的です。

出典:消防庁 防災危機管理eカレッジ「初期消火」

また、火事が起きたら最初にやること|最初の3分で生死が分かれる判断基準も防災の観点から参考になります。

また、初期消火は秒で迷うと危険|天井に届いたら即逃げろも防災の観点から参考になります。

また、火事で最初にやるべき行動はこれ──迷った3秒が命取りになるも防災の観点から参考になります。

また、火災警報器が鳴ったら逃げ遅れが危険|誤報か本物かの判断基準も防災の観点から参考になります。

参考:消防庁「令和6年版 消防白書 2.火災による死者の状況」

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